百田尚樹 講談社文庫
読みやすい。
内容は重い。
大切な人、家族の思い、未知の人物への生きざまと真実を推察することをたて糸に
太平洋戦争とゼロ戦乗り、特攻作戦の真実、ジャーナリズムのあり方 が横糸に
織られたようなドラマが展開する。
こんなにも多くの市井の人がかかわり、
理不尽な命令組織の中で死んでいったかと思うと、
また、それをみながら生き、生き残った人の苦しみもあるのだと思うと切ない。
昔あった幻聴に悩まされていたKさんWさんを思った。
Kさんは予科練にいたとカルテにあったがそのことにはその時はふれなかった。
よくわからなかったこともある。
Wさんは戦争関連の関心が強く、シンガポールに行けという声に動かされていた人だった。
精神的な死、異常にはこの本ではあまりふれられていないが
多くの影響があったのではないか
Kさんはどんな思いで自分を責める幻聴をかかえこんだのだろうと思う。
映画化。号泣する などと帯宣伝にある。
号泣はしないが涙は出た。
映画を観ようとは思わない。映画はなにか真実ではないものが真実になりそうで怖い感じがする。
場面を十分想像させてくれる小説。