精神医学古典叢書1 創造出版 2000    ipu493.7ku59



呉秀三・樫田五郎 大正七年( 1918年 ) 論文は1973年精神医学神経学古典刊行会から復刻版が一度刊行されている。

2000年のは秋元波留夫の「刊行に寄せて」という解説文を巻頭に載せて新装で復刊されたもの。


1900年の精神病者監護法にて、私宅監置が公認されたあと、東京帝国大学医科大学精神病学教室の呉・樫田は当時の私宅監置と民間療法、移送について事例調査を行った。

呉は精神病患者をやみくもに不治・危険とせずきちんと対処して医学の恩恵を受けるべき人々としている。

さらに調査結果と当時の欧流の最新知見をもとにして病院加療が必要であるという結論を導いている。



新装版は、簡易な体裁で 1500円と入手しやすい。

写真はみずらいが、状況と雰囲気を感じ取るには十分である

調査の資料とまとめ意見が一貫し、当時の事情・状況がみてとれる。



文章はカナ交じりの旧字が多く、慣れないと読みにくい。序文は当時の呉の考えと事情がよくわかる。

一部現代文に訳したので 別に公開する。

原文は2重否定の文も多いので苦労した。


日本の精神科医療が語られるとき「かつて呉秀三が嘆いた我が国に生まれたるという二重の不幸」というフレーズが多く引用される。これは原本では第7章にある。八木剛平先生は、「現代精神医学定説批判」のなかで、二重の不幸説の氾濫と過熱p129-131として批判をしていた。そこで改めてよく読むと、たしかに どういったこともない中にひっそりとあった。