幸せのある老人ホーム アナタは御自分の老後に自信が持てますか?
岩城祐子 扶桑社 2007年 9月
IPU 369.26 I93
新聞書評で評判の本 取り寄せて蔵書にしてもらう。
高齢者専用長期滞在型ホテル「シルバーヴィラ向山」の経営者が書いた本。83歳 女性
語りが ・・・ 様は で ・・・ でございます。それで私どもは・・・・ と 大変 日本語が上品な印象。
しかし 書いてあることは結構辛口。苦労して処世してきた人と思う。
遺産相続の争いでの醜聞を書き連ねながらも、人生の最後を飾る 当人の幸せを探そうとする姿。
「人は生きてきたように死んでいく」
認知症を おわかりにならなくなったかた と 表現し、けっして尊厳を損ねない態度は立派と思う。
「誰でも最後はおわかりにならなくなる」
有料老人ホームをホテルと名乗るなどしてはいかん、などの役所の苦言、指導に辟易し、
有料老人ホームとして申請せずに 自由に施設を運営している。空きを待っている人は600人と言う。
申請すると役所の運営の元では様々な不自由があるらしい。資格者の雇用とか、時間とか、運営規則だとか。
p174
知的障害者の方や、ご縁のあったカナダ・モントリオール大学の留学生さんたちにも、研修といった形で働いていただいています。それによって、逆にトラブルが増えることもありますが、私は人間の社会とはそういうものではないかと思うのです。
いろいろな人がいて、いつも「助ける人が」ときには「助けられる人」になったり、「何だかヘンな人」のそのヘンな部分に助けられたり。社会そのものの人と人とのやり取りが、お年寄りにもよい刺激になりますし、逆にお年寄りの世話をするために来ているはずの人たちを、お年寄りが励ましたり元気づけたりすることもあるのです。
P177
私は、世の中には役に立たない存在というものは、ないのではないかと思うのでございます。蟻であれ木の葉であれ、小さなものでも大きなものでも、それぞれが何らかの形で補い助け合っているのではないかと思います。人間関係も同じようなもので、ノーベル賞を受賞されるような方ばかりが集まっていては、疲れてストレスの塊になってしまいます。
「まあなんてオバかさんなんでしょう・・・・」
と感動する人が混じるので、ほっとするわけなのでございます。
やりたいこと、必要と思うことをしてきたという。役所と闘いながら 施設を運営してきたという。
今の時勢を開戦前に似ていると憂い、最後は赤字になる赤提灯の店を経営したいという。本当にやりそうである。
p198 「皆さん、自立して、自分の人生の主人になりましょう」