前回の記事、「スティーブ・ジョブズの演説"Stay Hungry. Stay Foolish."で英語学習 ①」の続編になります。
 
今回は2の「愛と敗北」のお話です。英語でのタイトルは"Love and Loss"ですが、LとLで韻を踏んでいますね!(※頭で韻踏んでいるので頭韻alliterationと言います。反対は脚韻。)
 
<構成>
1.点と点はつながる ←前回①
2.愛と敗北 ←今回②
3.死
4.卒業生へのメッセージ
 
前回の記事にも書いたように、この話は暗唱大会の課題文だったので全て暗唱できるのですが、スピーチ[演説]を暗唱すると良いことがたくさんあります!
 
メリットを2つだけ紹介します。
 
<スピーチ[演説]暗唱のメリット>
1.自然な英語表現が身に付く
2.人生の教訓になる
 
暗唱した英語表現は英会話でそのまま使えます!音で(体で)覚えているので、頭の中で文を組み立てることなく、まるでそれが一単語かのように瞬時に出てきます。こういった英語表現のストックを増やすことが英会話上達につながります!
 
また、スピーチ[演説]の英文は構成・表現など1つ1つが精密に練り上げられたものなので、そういった表現を使えるとかなりカッコいいですよ!
 
さらに、スピーチには必ず伝えたいこと[教訓]がありますよね。一度聞いて感動しても時間が経てば忘れてしまうもの。しかし、暗唱しておけば口ずさむ度に思い出すことができます!笑 そして何かに悩んでいるとき、その言葉がヒントを与えてくれたりするのです。
 
これから2つめの話を聞く[読む]ことになりますが、ここで言っていることは人生において本当に大切な教訓です。特に将来のことが不安な若者には大きな励みになる言葉ではないでしょうか。自分は何度この言葉に助けられか分かりません。
 
以下の学習手順を参考にしてみてください。
 
<学習手順>
1.動画を観る
2.精読(単語・文法・文構造・内容・発音等をチェック)
3.オーバーラッピング(テキストを見ながら、音声に合わせて音読)
4.シャドーイング(テキストを見ずに、音声より少し遅れて音読)
5.暗唱
 
▼英語字幕付
※2(5分35秒~)から:https://youtu.be/UF8uR6Z6KLc?t=5m35s
 
▼日本語字幕付 ※下の和訳とは対応していません
※2(5分20秒~)から:https://youtu.be/RWsFs6yTiGQ?t=5m20s
 
2.愛と敗北
My second story is about love and loss.
 
2つ目の話は愛と敗北です。

 

I was lucky — I found what I loved to do early in life. Woz and I started Apple in my parents’ garage when I was 20. We worked hard, and in 10 years Apple had grown from just the two of us in a garage into a $2 billion company with over 4000 employees. We had just released our finest creation — the Macintosh — a year earlier, and I had just turned 30. And then I got fired.

 

私は若い頃に大好きなことに出合えて幸運でした。共同創業者のウォズニアックとともに私の両親の家のガレージでアップルを創業したのは二十歳のときでした。それから一生懸命に働き、10年後には売上高20億ドル、社員数4000人を超える会社に成長したのです。そして我々の最良の商品、マッキントッシュを発売したちょうど1年後、30歳になったときに、私は会社から解雇されたのです。

 

How can you get fired from a company you started? Well, as Apple grew we hired someone who I thought was very talented to run the company with me, and for the first year or so things went well. But then our visions of the future began to diverge and eventually we had a falling out. When we did, our Board of Directors sided with him. So at 30 I was out. And very publicly out. What had been the focus of my entire adult life was gone, and it was devastating.

 

自分で立ち上げた会社から、クビを言い渡されるなんて。実は会社が成長するのにあわせ、一緒に経営できる有能な人材を外部から招いたのです。最初の1年はうまくいっていたのですが、やがてお互いの将来展望に食い違いがでてきたのです。そして最後には決定的な亀裂が生まれてしまった。そのとき、取締役会は彼に味方したのです。それで30歳のとき、私は追い出されたのです。それは周知の事実となりました。私の人生をかけて築いたものが、突然、手中から消えてしまったのです。これは本当にしんどい出来事でした。

 

I really didn’t know what to do for a few months. I felt that I had let the previous generation of entrepreneurs down – that I had dropped the baton as it was being passed to me. I met with David Packard and Bob Noyce and tried to apologize for screwing up so badly. I was a very public failure, and I even thought about running away from the valley.

 

1カ月くらいはぼうぜんとしていました。私にバトンを託した先輩の起業家たちを失望させてしまったと落ち込みました。デビッド・パッカードやボブ・ノイスに会い、台無しにしてしまったことをわびました。公然たる大失敗だったので、このまま逃げ出してしまおうかとさえ思いました。

 

But something slowly began to dawn on me — I still loved what I did. The turn of events at Apple had not changed that one bit. I had been rejected, but I was still in love. And so I decided to start over.

 

しかし、ゆっくりと何か希望がわいてきたのです。自分が打ち込んできたことが、やはり大好きだったのです。アップルでのつらい出来事があっても、この一点だけは変わらなかった。会社を追われはしましたが、もう一度挑戦しようと思えるようになったのです。

 

I didn’t see it then, but it turned out that getting fired from Apple was the best thing that could have ever happened to me. The heaviness of being successful was replaced by the lightness of being a beginner again, less sure about everything. It freed me to enter one of the most creative periods of my life.

 

そのときは気づきませんでしたが、アップルから追い出されたことは、人生でもっとも幸運な出来事だったのです。将来に対する確証は持てなくなりましたが、会社を発展させるという重圧は、もう一度挑戦者になるという身軽さにとってかわりました。アップルを離れたことで、私は人生でもっとも創造的な時期を迎えることができたのです。

 

During the next five years, I started a company named NeXT, another company named Pixar, and fell in love with an amazing woman who would become my wife. Pixar went on to create the world’s first computer animated feature film, Toy Story, and is now the most successful animation studio in the world. In a remarkable turn of events, Apple bought NeXT, I returned to Apple, and the technology we developed at NeXT is at the heart of Apple’s current renaissance. And Laurene and I have a wonderful family together.

 

その後の5年間に、NeXTという会社を起業し、ピクサーも立ち上げました。そして妻になるすばらしい女性と巡り合えたのです。ピクサーは世界初のコンピューターを使ったアニメーション映画「トイ・ストーリー」を製作することになり、今では世界でもっとも成功したアニメ製作会社になりました。そして、思いがけないことに、アップルがNeXTを買収し、私はアップルに舞い戻ることになりました。いまや、NeXTで開発した技術はアップルで進むルネサンスの中核となっています。そして、ロレーンとともに最高の家族も築けたのです。

 

I’m pretty sure none of this would have happened if I hadn’t been fired from Apple. It was awful tasting medicine, but I guess the patient needed it. Sometimes life is going to hit you in the head with a brick. Don’t lose faith. I’m convinced that the only thing that kept me going was that I loved what I did.

 

アップルを追われなかったら、今の私は無かったでしょう。非常に苦い薬でしたが、私にはそういうつらい経験が必要だったのでしょう。最悪のできごとに見舞われても、信念を失わないこと。自分の仕事を愛してやまなかったからこそ、前進し続けられたのです。

 

You’ve got to find what you love. And that is as true for work as it is for your lovers. Your work is going to fill a large part of your life, and the only way to be truly satisfied is to do what you believe is great work. And the only way to do great work is to love what you do. If you haven’t found it yet, keep looking. And don’t settle. As with all matters of the heart, you’ll know when you find it. And, like any great relationship, it just gets better and better as the years roll on. So keep looking. Don’t settle.

 

 

皆さんも大好きなことを見つけてください。仕事でも恋愛でも同じです。仕事は人生の一大事です。やりがいを感じることができるただ一つの方法は、すばらしい仕事だと心底思えることをやることです。そして偉大なことをやり抜くただ一つの道は、仕事を愛することでしょう。好きなことがまだ見つからないなら、探し続けてください。決して立ち止まってはいけない。本当にやりたいことが見つかった時には、不思議と自分でもすぐに分かるはずです。すばらしい恋愛と同じように、時間がたつごとによくなっていくものです。だから、探し続けてください。絶対に、立ち尽くしてはいけません。