今週から秋のGI戦線の開幕を告げるスプリンターズステークスが中山競馬場で行われるが、その前に9月25日に船橋競馬場で交流ダート重賞の日本テレビ盃が、翌26日にマリーンカップが行われる。どちらも11月3日実施のJBCデーにつながるので、触れておきたい。
●日本テレビ盃(JpnII) ※9/25
このレースは、船橋競馬場のダート1800mで行われる3歳以上の地方・中央交流ダート重賞競走である。グレード格付けはJpnIIである。11月3日にJBCが行われることから、「Road to JBC 日本テレビ盃」と表記されることがあり、略して「日テレ盃」と呼ばれることもある。レース名はその名の通り、東京都港区汐留に本社がある日本テレビからきており、優勝杯も提供している。
日本テレビ盃が創設されたのは、1953年に民間放送局としては初めて地方競馬の中継を船橋競馬場で日本テレビが放送したのがきっかけで、その翌年にアルファベットの略称である「NTV盃」として創設された。当初は8月開催で、稀に秋開催となることがあったが、1979年に9月下旬ないし10月上旬開催で固定化され、以降は東京大賞典などの年末に備えた大レースへ向け、そのステップとして使われることがある。1998年に地方・中央交流重賞へ格上げされ、現在の1800mになった。2002年以降、JBCクラシックのステップ競走に指定されると共に統一グレードJpnIIへ格上げされ、今に至る。本レースは、交流ダート化以降の地方所属馬による優勝も多く出ており、大井競馬場所属からは1回(2021年のサルサディオーネ)、地元の船橋競馬場所属馬からはなんと6回(2000年サプライズパワー、2002年マキバスナイパー、2004年と2007年のナイキアディライト、2010年フリオーソ、昨年2022年のフィールドセンス)も出ている。
出走枠は、フルゲート14頭に対し、JRAから4頭、南関東以外からの地方所属馬から3頭、残りは全て南関東競馬所属で固められるが、登録状況により多少の変更がある。南関東所属馬は、フリオーソレジェンドカップの上位2着以内と、スパーキングサマーカップ及びサンタアニタトロフィーの優勝馬に本レースへの優先出走権が与えられる。
またこのレースの勝ち馬には、地方・中央競馬所属関係なくJBCクラシックへの優先出走権が与えられる。さらに、掲示板内の5着以内に乗った南関東所属競馬のうち、上位2頭には浦和記念への優先出走権が与えられる。
本年は以下の13頭が出走する。
1-1 ソルトゴールド(愛知、大畑慧吾)
2-2 ウィリアムバローズ(JRA、坂井瑠星)
3-3 ホウオウトゥルース(船橋、岡村健司)
4-4 ウシュバテソーロ(JRA、川田将雅)
4-5 キャッスルトップ(船橋、仲野光馬)
5-6 コラルノクターン(船橋、木間塚龍馬)
5-7 デルマソトガケ(JRA、クリストフ・ルメール)
6-8 ゴールドハイアー(船橋、石崎駿)
6-9 ナニワサテオキ(船橋、森泰斗)
7-10 マイネルヘリテージ(金沢、松戸政也)
7-11 ギガキング(船橋、吉原寛人)
8-12 シンコーマーチャン(愛知、加藤聡一)
8-13 メイショウハリオ(JRA、浜中俊)
○ハイレベルの交流重賞を制するのは…?
日本テレビ盃は、JBCクラシック指定競走になっていることもあって、各地から強豪な所属馬が集う。そのため難解になりやすく、時には波乱を呼ぶことがあるが、基本的にはJRA勢優勢と考えていいかもしれない。主な優勝馬には、フリオーソ・スマートファルコン・アグネスデジタルなどがいる。
主役となるのは、サウジカップとドバイワールドカップをともに2着へ入ったウシュバテソーロだ。既に年内の引退を決めており、前哨戦のここを勝って、BCクラシックと東京大賞典を集大成にしたいもの。デルマソトガケも同じくサウジカップ・ドバイワールドカップをまずまずの成績で秋初戦を迎える。昨年はここを回避し、ケンタッキーダービーからBCクラシック直行、2着という成績を残した実力馬だ。この2頭を軸に、東海ステークス覇者ウィリアムバローズ、フリオーソレジェンドカップ覇者ナニワサテオキと2着ギガキングなどを組み立てたい。
レース紹介|日本テレビ盃 2024年|ダートグレード競走特設サイト (keiba.go.jp)
データ分析|日本テレビ盃 2024年|ダートグレード競走特設サイト (keiba.go.jp)
出馬表|地方競馬情報サイト (keiba.go.jp)
日本テレビ盃(Jpn2) 出馬表 | 2024年9月25日 船橋11R 地方競馬レース情報 - netkeiba
◯マリーンカップ(JpnIII) ※9/26
このレースは、船橋競馬場のダート1800mで争われる3歳牝馬限定の重賞競走である。レース名は、船橋競馬場が海に近いことから、その海の名よりとっている。ハートビートナイター競馬の第11レース、20時5分発走で実施。サッポロビールが優勝杯を提供しており、今年からJBCレディスクラシックの前哨戦となることから、「Road to JBC サッポロビール盃 マリーンカップ」のレース名と表記されることがある。(※サッポロビールの本社は、東京都渋谷区恵比寿の恵比寿ガーデンプレイスにあるが、船橋市内にサッポロビールの千葉工場があり、同じ船橋市内にある中山競馬場には、サッポロビール千葉工場の看板が設置されている。)
もともとは準重賞として同レースが行われていたのを1997年に交流ダート重賞へ格上げしたもの。準重賞では1700mだったが、昇格と同時に1600mの距離に変更した。2011年の東日本大震災で開催取りやめになった以外、第1回から2023年まで実施距離は変更されていなかったが、今年からJBCレディスクラシックの前哨戦に位置付けられたため、ダート1800mの距離に変更した。
地方所属馬の優勝は、浦和所属馬が1回(1998年エフテーサッチ)、大井所属馬が1回(2020年サルサディオーネ)、川崎所属馬が2回(2004年ベルモントビーチと2019年ラーゴブルー)、地元の船橋競馬場所属馬は3回(2000年ヤマノリアル、2003年ラヴァリーフラッグ、2007年トーセンジョウオー)ある。
出走枠は、フルゲート14頭に対し、JRAから4頭、南関東以外の地方所属馬が3頭、他は全て南関東所属まで固められる。なお、本レースへの優先出走権付与はないものの、浦和桜花賞・東京プリンセス賞・関東オークス・スパーキングレディーカップなどといった重賞もしくは前哨戦であるアレキサンドライトカップでの実績が欲しい。
このレースの勝ち馬には、日本テレビ盃と同じくJRA・地方所属馬問わずJBCレディスクラシックへの優先出走権が与えられる。今年は以下の6頭で行われる。
1-1 クラヴィコード(JRA、笹川翼)
2-2 アンモシエラ(JRA、坂井瑠星)
3-3 アンデスビエント(JRA、田口貫太)
4-4 フォルトリアン(大井、矢野貴之)
5-5 ザオ(船橋、吉原寛人)
6-6 テンカジョウ(JRA、国分優作)
◯6頭立てと侮るごと勿れ
今年のマリーンカップは6頭立てと少ないが、東京ダービー3着馬のアンモシエラを筆頭に関東オークス覇者アンデスビエント、インディアトロフィーを制覇したクラヴィコード、2勝クラスを勝ち上がり昇級初戦のテンカジョウ、また地方所属馬はアレキサンドライトカップ覇者ザオと3着馬フォルトリアンの2頭が参戦する。たった6頭立てと侮るごとなかれ、JBCレディスクラシックへの優先出走権が与えられるのは…?
レース紹介|マリーンカップ 2024年|ダートグレード競走特設サイト (keiba.go.jp)
出馬表|地方競馬情報サイト (keiba.go.jp)
マリーンカップ(Jpn3) 出馬表 | 2024年9月26日 船橋11R 地方競馬レース情報 - netkeiba