☆花柳小菊☆…神楽坂の芸妓の半玉から女優の道へ | shoの映画部屋

☆花柳小菊☆…神楽坂の芸妓の半玉から女優の道へ

花柳小菊…

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この人をリアルタイムで御覧になった方は少数ではないかと思います。
かく言う私も東映専属になり時代劇で千恵蔵・右太衛門の相手役として出演していた頃しか観ていない。

母からは『この人は芸者さんだったのよ』と聞かせれた記憶がある

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映画では両御大や錦之助が廓(クルワ)で悪者と一触即発の場面に 煙管を持ち
『野暮な事はしなせんせ、ここは芸奴と楽しむ処…さぁさそんな物騒な事は…』と言いながら、独特の鼻に抜けるこもった声で登場する。
この人がスクリーンに現れるとパアッと明るくなった。
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東京は京橋生まれ。
神楽坂の芸者となるべく小菊の名で半玉となる。

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類いまれな美貌を映画関係者は、放って置かなかった。
マキノ正博にスカウトされ、弟のマキノ満男のいる日活映画「恋愛人名簿」に1935年1月に主演。
華々しい映画デビューだった。
妓籍はそのままに日活と契約。
1937年山本有三原作
『真実一路』で片山明彦(風の又三郎で大泉晃と出演)の姉役に抜擢されて女優として注目浴びると共に人気を博した。

阪東妻三郎と共演した
『恋山彦』で時代劇初出演、続いてさらに『忠臣蔵』『王政復古』等出演。

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(右、阪東妻三郎)

1941年新派に加入、暫し映画出演が少なくなるが、
中川信夫監督の「虞美人草」で江川宇礼雄の妹役で好演した。

戦後東宝を経て1956年東映専属となり準主役から脇にまわったが東映時代劇では女優第一人者として若手の丘 さとみ、桜町弘子等を牽引した。

1963年『真田風雲録』を最後に退社した。

夫は俳優の(故)中村竹弥。
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主な出演作品

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1935年
日活「恋愛人名簿」
1937年
日活「街の旋風」
1939年
日活「王政復古 担龍篇 双虎篇」
1941年
東宝「虞美人草」
1946年
東宝「民衆の敵」
1948年
大映「千姫御殿」
1951年
松竹「愛情の旋風」
1954年
新芸術プロ「ひよどり草紙」
1956年
東映「多羅尾伴内シリーズ 戦慄の七仮面」

1956年
東映「鍔鳴浪人」
以後 東映専属となり
1963年「真田風雲録」まで数多くの作品に出演

出演本数約150本。
他に舞台・テレビドラマに多数出演した。

近況は聞かないが健在である。