はぁ、髪を短くすんのかよ
せっかく伸ばしてたのになあ
まあ耳周り出すくらいで良いかなあ

と思いながら床屋に向かうショウゴ。
帰宅途中にある床屋に入った。
中には若い女性理容師が2人だけいて、客はいなかった。
入るなり手前にいた理容師さんに椅子に案内された。
ショウゴ好みの可愛らしい理容師さんであったのでショウゴはテンションが上がった。


理容師「いらっしゃいませ。今日はカットコースで宜しいですか?」

ショウゴ「はい、カットでお願いします。」

アヤノ「今日担当するアヤノです。宜しくね。今日はどれくらい切る?」

ショウゴ「僕はショウゴです。宜しくお願いします。スポーツマンらしい爽やかな感じで短くして下さい。」

アヤノ「スポーツマンらしくとなると、今は結構長いからかなり切る事になるけど本当に良いの?」

ショウゴ「構いません。部活の先輩から気合い入れる為に髪を切ってこいと言われたんで。」

アヤノ「わかったわ。でも何故気合いを入れる為に髪を短くしないといけなくなったの?」

アヤノに聞かれて暗い顔するショウゴ。

ショウゴ「実は部活で来週から先輩の最後になる大会があるんです。僕もレギュラーに選ばれているんですけど、先週の練習試合やその前の大会で僕のミスが原因で負けてしまって。それで先輩から気合い入れてこいと言われ、髪を切ってこいと言われたんです。」

アヤノ「そうだったの。ミスを少しでも減らそうと気合いを入れる為に髪を切るなんて、青春て感じがして良いね!じゃあ坊主にしよっか!」

ショウゴ「え、いや、坊主はちょっと、心の準備が、」

あたふたするショウゴにアヤノがピシッと言う。

アヤノ「気合い入れるんでしょ!男の子でしょ!坊主で気合い入れなきゃ!リカちゃんもそう思うよね?」

もう1人の理容師に話しかけるアヤノ

リカ「そうね、自分のミスで試合に負けてるし先輩からも気合い入れろって言われてね。やっぱりここは男らしく坊主にする方が良いと思うのよ。」

アヤノ「大丈夫よ!きっと似合うから」

リカ「1度くらい坊主にするのも良いと思うわよ。」

逃げられない雰囲氣に戸惑うショウゴ。

ショウゴ「坊主はしたことないし恥ずかしいっすよ。」
アヤノ「坊主はそんなに嫌?わたし、坊主頭で部活を頑張るショウゴ君、とってもカッコ良くなると思うんだけどな」

リカ「先輩も丸刈りにしたショウゴ君を見たら気合い入ってると見直すと思うよ!坊主頭怖くないよ。」 

二人の理容師にジッと見つめられ観念したショウゴ。
ショウゴ「ボ、坊主にして下さい。」

アヤノはバリカンの準備を始めた。

続く