ヤクルトレディをはじめたのは、家を買う資金を貯めるためでした。
そのころ私たち夫婦は、小さなアパートの2階に住んでいて
育ち盛りの男の子ふたりを育てるには限界があったのです。

「一軒家がほしいーーー!」
そんな思いでマンションのモデルルームを見にいったり
新聞のチラシをくまなくチェックしたり。
調べるにつれわかったことは、どう考えても貯金が足りない!
というか、そのころ(今でもだけど^^;)
ウチには貯金なんてもの、なかったのです。わはは。

そこで急遽「頭金を貯めなくちゃ!」ということになり
私のできそうな仕事を捜しましたが、当時次男はまだ1歳。
保育園は高いし、仕事が決まってなければ入れない。
託児所つきの職場(しかも月5000円)というのに惹かれ
ヤクルトレディになることにしたのでした。

抵抗はぜんぜんなかったです。
営業は昔やってたし、むしろ異様に張り切ってたかも(笑)
ノルマとか、数字に燃えるタイプ。

ヤクルトレディをやっていた人は知っているけど
あれは完全買い取り制で、一種の個人事業主なんですね。
仕入れの数も、自分で考えなくちゃいけない。
余ったら自分が買って持って帰るしかない。
で、担当エリアも当たり外れがありまして
私は見事に「はずれ」だったんです(笑)

最初は燃えていた私も、だんだんやる気をなくしてしまいました。
新規開拓も回ったし、エリア外でもがんがん行ったり。
それでもなかなか数字が上がらない。
家の冷蔵庫にはヤクルトが増えていく(爆)。
(でもヤクルト製品はおいしいですよね。今でも愛飲中)

そんなある日、家で本を読んでました。
確か山本文緒の「あなたには帰る家がある」だったかな?
そうしたら、なんだかうずうずしてきて…
(いや、ヘンな意味じゃなくて^^;)
『私のいる場所はここじゃない』って言葉がひらりと降ってきて。
子どものころから本が好きで好きで、
いつかもの書きになりたい!って思ってたこと、思い出して。
書く仕事がしたい!切実に感じたのです。
そのときの空気、今でもハッキリ覚えてます。
すぐにその気持ちを忘れないよう、ノートに書き留めたぐらい。

次の日、仕事をサボって本屋さんに立ち寄って(不良ヤクルトレディ)
求人雑誌を眺めていたんです。
そしたら… 目に飛び込んできたのです。
「雑誌の編集アルバイト/主婦可/時給1000円」
という広告がっ。

それが、私の転機の始まりでした。
子どもが3人もいると、あれこれ用事が多い。
今年は特にいろんなことが重なっている。

PTAの文化教養委員。
地域委員。
次男の野球チーム。

この3つのことで、あちこちに顔を出し、役目を果たさなければならないのだ。

あるときは地域の運動会の壮行会の打ち合わせ。
あるときは試合の見学やお茶当番。
あるときは学校行事の当番。
あるときはコーラス大会の練習(私が歌を歌うなんて考えられない・笑)

これらを、仕事をこなしつつ、家事や子どもや夫の面倒を見ながら
スケジュールを調整する。

当然、予定が重なることもしょっちゅう。
いつもどこかには
「すいませんー!用事で欠席させてもらいますっ」
と頭を下げて回らなくちゃいけない。

あまりにバタバタしすぎてメモするのを忘れ
会議に出られず、迷惑をかけてしまったこともある。

野球を休むのはご法度だけど、どうしてもというときは
直接監督に電話しないといけないことを知らず
初めて休ませたら電話がかかってきて冷や汗をかいたりも……

そんなとき、いつも思う。

なんで私がっ!
こんなに忙しいってこと、わかってほしい!
もーイヤッ。
すべてを投げ出せたら、どんなにラクだろう。

でも、これは偶然起きていることじゃないはず。
きっと私自身が選択して、引き寄せていることなのだ。

この世に起きていることは必然・必要・ベストである

と言ったのは船井幸雄さん。
そこで考えてみる。

私は今、何を学ぶべきか??

うーーーーん、わからん(おいおい)

でも、もしかして。
ともすれば家庭のことも子どものことも忘れて
仕事一筋に心が飛んでいってしまいそうになる私を
「現実」に引き止めておいてくれているのかもしれない、
と思ったり。

ちゃんと地に足をつけて毎日を大切にしないといけないよ
……と戒められているような気がする。

今はそれぐらいしかわからないけど、
きっと必要だから起きているんだよね。
いつかその意味に気づいて
「あーー、そっか!そういうことだったのね」
って思える日が来るはず。

この先になにがあるのか、ワクワクしながら
逃げないでやってみようと思う今日このごろ。









私が取材し、記事を書いた雑誌の発売日数日後。
取材先である福岡のMさんからメールが届いた。

…転載…
読みながら、一言一言、写真のひとつひとつが
嬉しくてありがたくて、涙が込み上げました。
…………

ものすごーーーーく、うれしかった。
思わず、掲載誌をめくって自分が書いた記事を読み返した。

うん。いいページだ。
ちゃんとそう思えた。
よかった!

今までの私は、自分の記事を読むのが恥ずかしかった。
取材不足や表現不足で編集者に書き直されたところも多く
満足することが少なかったから。
どこかで逃げてたのかもしれない。
原稿を書くのが辛くてしんどくて「これでいいや」とツメが甘いまま
入稿してしまっていた自分がいたから。

そんな自分に気づいていて、「ちゃんとしなくちゃ」と意識し続けて
なんとかここまで来られた。

思えば、この私がライターになれたこと、
大好きな雑誌で署名入りの記事が書けること、
そのこと自体が奇跡みたいなもんだ。
創刊期から携っているようなバリバリの先輩ライターさんたちにまじって
私の名前が載っている。

あらためてその事実に気づき、涙がでるほどうれしかった。
今更だけど。

私のいつもの思考パターンは“自分いじめ”が多い。無意識のうちに。
「まだ本を出版できてないぞ」
「テーマはいつになったら決まるの?」
「失敗ばっかりじゃん」
「まだまだ取材のやり方が甘い!」

目標を作ることは大切。
だけど、目標って未来にしかないんだよね。
ひとつの目標を達成したら、また次の目標が出てきちゃう。
つまり、「今、ここ」は目標を達成できていない自分が常にいて…
そうすると、永遠に満足することはないわけで。

ちゃんと「今・ここ」にいる自分を大切にしなきゃ。
ってことで…
ちゃんとライターになれて、
憧れの雑誌でお仕事できることに心から感謝。

私はこんなに幸せなんだーー!
ハッピーだぞーーーー!
うはは。