「で、なによ?」



ぜってー、なんか頼まれんじゃないかって…
わかってた。

しかも めんどくさいやつ。



じゃなきゃ、会社の話をこんなペラペラと話すやつじゃないってことは、、知ってんのよ。




「まあまあ、そう 警戒しないでさ。ほら〜飲も飲も。」




「…明日早いから、もう帰るからさ。……早く言えって。」





「…実は 今度さ、社内で交流会があるんだよ。ま、簡単に言えば、大人数の合コンパーティーみたいなもん。通常だとあんまり他の部署と関わらないからさ、皆んな出会い 求めてんだろうね。」




「……それって、定期的にあんの?」




「えっ? ああ、年に数回。幹事役が収集かけてく感じだけど…」





…ゆり、、行ってたのかな…


オレと会う前…とか………




「えっ? ニノ? なんで、突然不機嫌?」




「…ん?…いや。。だから、その合コンがなんだよ?」




「…今度の金曜日にあるんだよ。秘書課の連中も くるだろうしさ。」




「ん? で、オレに何をしろと?」




「…俺の友達ってことで、参加しない?ばったり会って 連れてきたっていえば、なんとかなるよ、多分。」 




「ヤダ。」




「え〜、だって 俺が秘書課の子を探るより、ニノの方が 相手も 油断するって。絶対。」 





「…合コンなんて行ったら、ゆりが嫌がるだろうから、ヤダ。」




「はぁ〜〜〜 さっき 聞いた時は驚いたけどさ。菜月さんに随分 入れ込んでんだな〜。ま、あの子 可愛いもんな。」




さっき話の流れで ゆりと付き合ってることを話してた。




「…可愛いもんな?  ゆりに、変な気 おこすなよ?」





「あ〜はいはい。わかってますよ。翔くんが、ニノの焼きもちは、尋常じゃないからって言ってた意味がわかったよ。…でもさ、菜月さん 楓に助けてもらったんだろ? 屋上に閉じ込められた時。だからさ、恩返しだと思ってさ。頼むよ? 楓が 何かされたら…翔くんだって、」




「…翔さんの為じゃないだろ?」




「えっ?」




「…いつ諦めた? 今は、、違うんだろ?」




「……何が?」




「あのさ、、わかってんのよ? おまえが楠さんのこと、好きだったってことはさ。」  




「////////// えっ?  マジで? … なんで?」




「…はぁ、、言っとくけど 翔さんも 気付いてたと思うよ。だからわざわざ 振られたって話したんじゃないかな? じゃなきゃ、あのタイミングで 話す話じゃないじゃん。心中穏やかじゃないおまえのこと、察したんだよ。翔さんて、そういう人じゃん。」 




「…マジか、、」 




「で? 今は…いや、、まさか 今も?」




「…いや、、楓が高校の2年の時 かな…告白しようとしたらさ、、雰囲気でわかったのか…俺は…家族みたいな存在だから…って、さりげなく言われた。」




「それは♡ キツイ言葉だねぇ〜」




「おまえ、喜んでるだろ!」




「いやいやいや〜 そんなことないよ? 辛かっただろうな〜って♡ それから、ずっとアニキ役?」




「うん。そう。…とっくに諦めてる。けど、可愛い妹だから、心配なだけだよ。…翔くんなら、楓も幸せになれるんじゃないかな、、って 思うし。」





「……合コン行く 条件いっこ、いい? のむ? のまない?」





「はいはい。のみますよ。」




「…楠さん、前の会社で何があった?翔さんに、言ってないことあるよね? 」




「…それは、、個人情報過ぎるからさ…」




「言う?言わない? …言わないなら、行かないけどね。だいたい ゆりに…心配させたくないし。」




「はぁ、わかったよ。…絶対誰にも言うなよ? 翔くんにも。」





「ん。」





「…付き合って、婚約してた彼氏が 突然 社長令嬢と結婚したらしい。で、楓とも別れたくないとか言ってきたみたいで…」




「…さいてーだな。そいつ。」




「…他にも なんかあるみたいだったけど、、それ以上は いくら聞いても何も言わなかった。」





「…そっか。…だからなんか冷めたとこあるんだ。…ホントは 真っ直ぐないい子なんだろうな…」




「…」




「…オレも楠さんのこと心配してんのよ? じゃあとりあえず 秘書課の人間のデータ、明日中に頂戴。」




「…ありがとう。ニノ。」




「…まず、そのメールを送ってきた奴を調べるのと、そもそものイジメがあったかどうか…だな。」




「うん。なんか頼りになるな〜ニノ〜」




「…翔さんには、いっぱいお世話になってるからね。」





安斎の時も…
自分のことのように、助けてくれた…




だから この問題は オレが解決してやりたい。




翔さんは 楠さんのことだけ 考えてればいい。



ってゆーか、、振られたんだっけ。



ま。あの感じじゃ…
すんなり諦めるわけ、ないよな。




諦められないから、、結婚してるってわかってても  告白したんだろうから…




翔さんの 揺らがないあの気持ち


楠さんに ちゃんと…





届けばいい。