ニノの問いに…
斗真は 自分の携帯に転送したメールをみせた。
陰湿なメッセージと、写真の添付。
オレと楠が ホームセンターで買い物してる写真と、マンションの駐車場に入っていく車の写真だった。
「…いい顔して笑ってんな〜 楠さん。」
「…だな。」
ホームセンターで…
猫のおもちゃを選んでる時のやつだ。
一体誰が…
「…でもさ、コレ、ばらまかれても 楠さん未婚だったんたし、不倫にはならないじゃん。週末2人で仲良くデートしてるだけなんだから、なんのダメージにもなんないじゃない? 翔さんと楠さんが 付き合うのは、そう遠くない未来だしさ。楠さんが 結婚してないことと同時に 2人の交際をオープンにしちゃえばいいんじゃない?」
ニノの言葉を受けて、斗真が真剣な顔して聞いてくる。
「…翔くん、楓のこと…本気なんだよね?」
…初めて見たぞ、、おまえのそんな顔。
「…ああ。けど、、」
「そっか〜〜 まあ、、翔くんなら 安心だわ。優しいし、カッコイイし…将来有望だし…完璧だもんな〜〜」
優しく笑う斗真に、言っておいた方が…
いいよな…
笑顔に隠された心の中が、、穏やかじゃない気がするのは、オレの気のせいだろうか…?
「…さっき、、振られたけどな。」
「えっ?」
「…やっぱ 抑えきれなくなっちゃったか〜」
ニノが ニヤニヤ笑いながら、続ける。
「んー。でもそれってさ…一応 まだ結婚してるって設定だからじゃないの?」
「…そう思いたいけどさ、、少しでもオレのことが気になってるんだとしたら、実は結婚してないって…言わないか?」
「…んー。それは、、ん〜 」
「…翔くん、、俺が 明日楓と話すから。今後のことも含めて。このメールは 今のところ 俺らしか見てないから。」
「…ん。わかった。…悪い、、オレ、先に帰るわ。体調があまりよくなくてさ。明日休みたくねーし。」
「うん。大丈夫? 家まで送ろうか?」
「いや…大丈夫だよ。」
「…んー。じゃあ、オレも…」
言いかけ、オレと一緒に立ち上がりかけたニノを 斗真が捕まえた。
「まだ ニノには 話あるんだな〜」
「もうイヤな予感しかしないのよ?」
ニノが 斗真に 捕まえられてるのを横目に、
店をでた。
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自宅に着くと サクラとみなみは、すやすや眠っていた。
起こさないように、指先で 静かに 2人の頭を撫でる。
…… 可愛い
帰ってすぐに、2人を見に来てる自分に気付く。
2人の寝顔を見ながら、楠のことを…
想っていた。
楠が 結婚してないのを、もっと喜んでいいはず。
ニノが言うように…
もう誰にも遠慮する必要ないのだから。
けど…
オレが 気持ちを伝えた時、
楠は…とても苦しそうな顔してた…
迷惑なんだ…って、思った。
そりゃ、旦那がいるんだから当たり前だと自分を納得させてたけど…
いないんだよな…
つーことはさ、、
つまり、、
嫌なわけだよ…オレのことが。
あー
…
…
…
今更
信じられないくらい
落ち込んできた
オレ、なんでそんなに嫌われてんだ?
それに…
前の職場で、、何があったんだろう…
楠の心には、今も誰がいるんだろう…
サクラとみなみは まあるくなって眠っていた。
お互いがお互いを抱 (いだ)くようにして…