ソファを背に ゲームをしている。

オレの定位置。



あなたは いつもそんなオレを
少し離れた場所からみてる。



キッチンで料理してたり
リビングでパソコンしてたり






けどたまに…



ピタリとオレに寄りかかって
なにをするでもなく


くっついてくる時がある。




今日が それ。



さっきからずっと くっついてる。




くっつかれてる側の腕が動かしづらくなるから、ゲームがやりづらい。



正直、、このままじゃ高得点は 狙えない。






けど、、、


あなたが そうしてくる時は


そうしたい理由(ワケ)があるから


されるがままに なっている。





「…んー?」




「…」




「…」




「…邪魔?」



「ん?……いや。」



「いや?…って、、嫌ってこと?」




「んーん。」




オレの言葉に安心したのか、より密着してくる。右側は あなたの支配下にあるといっていい。


あなたが 動けばこっちも動く。





「んっ、、」




ダメだ…     



ミスった、、


右手をあまり使わなくていいゲームに切り替えよう。高得点狙う系じゃなくて…



そうそう、アレがいい。





こちらがゲームを切り替えたと同時に、あなたがテレビをつけた。




…嵐にしやがれ、、オレの隣でみるのね。。




笑顔と共に、あなたが テレビに集中しだす。


翔ちゃんの髪色可愛いとか、翔潤 髪色で遊びだしてるとか。もっぱら 気になるのはその2人みたいだ。でも そのお陰で、寄りかかられてる右側の負担が軽くなる。




……もっかい、ゲームあっちにしようかな。



なんて考えてたら、




「……ワガママかな。」



「ん?」




テレビに 目を向けたまま、独り言みたいに言う。





「ん?……ワガママって、あなたが?」



「……急に寂しくなるんだよ。」



「…」



「VSも 嵐にしやがれも、、週2のレギュラー番組があって。それぞれ嵐さんの個人の仕事も今まで通りあるし、、インスタとかSNSで 最新の様子を教えてくれたりしてるのに…ね。なんでだろう。。……ニノちゃんのさ。。くっつく人 隣にいなくなっちゃったら……」




その後の言葉を飲み込んでるあなたの顔が辛い。




ゲームを放って
右側のあなたを抱き寄せ 首元に顔を埋める。




「……おんなじよ。あなたと。」




一瞬、、


あなたの体が ビクンってしたのがわかった。



それから 何も言わずに 
ふわっと包まれるみたいに抱きしめられた。






「………ごめんね。こんなこと言ってちゃダメだよね。それに………カズくんは、私なんかより ずっと」




その先の言葉を 唇で止めた。



それを言われたら、、
堰を切ったように でてきちゃうから。
あなたの前だと。




今はまだ、、
そうはしたくないんだ。



まだまだやる事があるから。
5人で。





あなたもそれをすぐに感じとってくれたみたいで、唇を離しても もうその話はしなかった。その代わりに さっきとは違って、ぎゅうぎゅうに抱きしめてくる。



あなたの特殊な慰め方には 毎度毎度 癒される。




そんなあなたの 頭を撫でながら



「…言っていいのよ、あなたは。我慢するのは オレだけで十分なんだから。」




と言えば




「…私だって 『ケツのケツ』までは 泣かないんだから。」




って、、オレの言葉を真似て強がる。




「んっとに? もう うるうるしちゃってるよ?」




「……カズくんが バランスボールに上手に乗れたのが嬉しいからだよ。」




って、テレビを指差し、めちゃめちゃ下手くそな嘘をつく。だからそれに 乗ってあげることにした。




「クククッ…。簡単よ。オレの体幹 人生最大値だからね、今。こんなん朝飯前よ?」



その言葉に いきなり立ち上がり 隣の部屋に向かった あなた。






……え。



…まさかね。




…そのまさか だった。



隣の部屋にあったバランスボールを持ってきて、一緒にやろうとかいいだす。



「……今から? 」



「今から。」



「……ゲーム、いいとこなのよ?」



「やろう♡」




そのハートマークには…敵わない。
いつも。。





仕方なく 『バランスボールに何秒乗れるか対決』して、見事 優勝したら、やっと



「お風呂入ってくるね。……あとから」 




って。何かいいかけてやめて、、ソワソワしていなくなる。




…ん?


なんていいかけた?





ま。。

やっと ゆっくりゲームでも…





あとから? ………//////////











やっぱり ゲームは後回しにして。




あなたが待ってるであろう
バスルームに向かった/////







あ〜





ゲームは 明日まで お預けだわ。











END