いつもそうだった


繋いでいたはずの手は
いつの間にか虚しくその対象を失って


握り返してくれてた ヒトは
ひと握りの対価とともに オレから離れてく



ああ……キミも


今までのヒトと同じ



オレよりも




もっと幸せにしてくれる誰かを




求め消えていく









ふと、、、



微かに香る匂いに気付く




オレの身体を包む腕




オレの鼻先にあたる柔らかなモノ





オレは、、抱かれて…た。




あなたに




ココロも身体も




ふんわりと優しく




抱きしめ、守られていたんだ




そのことに




今までずっと気づかなかった





寂しくなかった?
オレが気付かなくて。





と、問えば



ふふっ
寂しくなかったよ。
カズくんのこと、ずっと抱きしめてたから




って なんでもないことみたいに言った





でもそれは…あなたの嘘。



優しい優しい嘘。




あなたが 泣いてたの、知ってる
あなたが 悲しんでいたの、知ってる


それでも 放っておいたのは…



あなたが いつかオレから離れてくのが
怖かったから



他のヒトみたいに
綺麗に微笑みながら 消えてくあなたを
見たくはなかったから






でももう離さない

あなたが オレから離れなかったように





ただ そばにいるよ




ずっと




ずっと




この命 尽きるまで













だから 



さよならは言わないよ






光のなか



微笑むあなたにそう呟いた












END