近頃、うなぎは価格が高騰し手に入りづらくなっている。特に今年は昨年より値上がりしているそうだ。
今市場に流れているうなぎの9割以上が養殖だというが、これは天然の稚魚である「シラスウナギ」から育てているという。しかし、その稚魚自体がとれなくなっていることが値上がりの理由のようだ。

そもそも謎が多いが故に増加させるのが困難だといううなぎだが、日本は2010年からうなぎの完全養殖に成功している。卵を人工的にふ化させ成魚を育て、成魚が産卵した卵をもとに再度ふ化させることを完全養殖というらしい。

もともと、うなぎの産卵場所や時期はわからなかったそうだが、2009年に産卵場所を発見。西マリアナ海嶺の南端だったという。
さらにその後、産卵の時期や環境、移動の流れも突き止められたそう。しかしながら、うなぎが日本から産卵場所に向かうルートはわからないままだという。

ただ、完全養殖のうなぎは価格がとても高い。現在高騰中の天然シラスウナギは1匹あたり500~600円だというが、完全養殖の場合は昨年だと1匹あたり1800円とのこと。これが3分の1程度の値段になれば天然ものと同じくらい、より下がればもっと安く完全養殖のうなぎが食べられる可能性もある。

そんな中うなぎに関する新しい発見があったという。
うなぎはオスに比べてメスの方が美味とされているのだが、養殖すると9割くらいオスになってしまうそうなのだ。養殖の環境次第で性別が分かれるというが、どのような条件かは詳しくわかっていないとのこと。

しかし、愛知県にある水産試験場では、養殖うなぎを約9割メスにすることに成功したというのだ。うなぎのエサに、女性ホルモンと構造が似た「大豆イソフラボン」を加えることで実現したという。同県は、地元漁協などとともにこの養殖技術について特許を取得したそうだ。

近い将来、大きくて美味しいうなぎを安く食べられる日が来るのかもしれない。