最近は、若者からお年寄りまで登山を楽しむ人が多いように思う。景色などを楽しみたいという理由で登山をしている人もたくさんいるが、なかには健康や体力づくりのために行っている人もいるようだ。

登山は運動強度が適度に強い一方で、運動時間が長いといういわゆる「有酸素運動」だ。そのため、登山を継続すれば身体の様々な部分に良い影響を与えるということになる。

まず、体脂肪を減量する効果がある。ウォーキングと登山による体脂肪の減量効果を比較した実験によると、ダイエットのみを行ったグループ・ウォーキングを続けたグループ・登山を続けたグループで、次のような違いが出たという。
実験は、やや肥満気味の中高年男性を10名ずつに分けた3つのグループが作られ、1か月間行われたそう。Aグループは食事面でのダイエットのみ、Bグループはダイエットと毎日1時間の平地ウォーキング、Cグループはダイエットと週1回の登山(5時間ほど)を行ったという。

結果、BグループとCグループの体脂肪が同じくらい減り、両グループとも肥満領域から外れることができたそうだ。一方で、Aグループは体脂肪率が変わらなかったとのこと。
週1回の登山で毎日1時間のウォーキングと同等に体脂肪を減らせるのなら、登山好きには嬉しい話ではないだろうか。平日は忙しいという人にも週末の登山はぴったりだろう。
この実験の期間は1か月だったが、継続期間がより長いほど身体に良い効果があるという。

例えば、佐賀県には金立山という低山があり、週に1回、天候に関わらず半日程度の「軽登山」を続けている団体がいるそうだ。「軽登山」とは、歩きやすい低山で行う3~4時間ほどの山歩きのことだそう。

団体に所属している方の生活習慣病についてアンケートを行ったところ、有病率は同年代の一般人の値より大きく低いことが分かったという。また、脚筋力と敏捷性(光反応時間)について体力測定を行うと、男女ともに同年代の標準値と比較して優れていることも判明したそう。
これらの結果から、軽登山を長期間続けると、健康面・体力面の両方において大きく効果が得られるということが分かる。つまり、若さを維持する効果があるとも言えるのだ。

健康や体力維持に大きな効果をもたらす「軽登山」。月に数回から取り組んでみてはいかがだろうか。