10月18日、内閣府宇宙政策委員会は、アメリカの国際宇宙探査へ参画することを発表。今年9月にはJAXAが、アメリカが手掛ける月の有人着陸プロジェクト「アルテミス」に協力するという発表をしていたが、どうやら国として正式に参画することが決定されたようだ。

 

「アルテミス」はアポロ計画ぶりとなるNASAの有人月面着陸プロジェクトで、構想としては三段階に分けられている。2020年7月に無人による月の周回飛行(「アルテミス1」)を行い、次に2022年を目安に有人による月の周回飛行(「アルテミス2」)を実施。そして2024年には、史上初となる女性宇宙飛行士の月面着陸(「アルテミス3」)の実現を目指すという。

 

また、この他として小型宇宙ステーションを月の周回軌道上に建設する計画も同時進行していくそうだ。アメリカはこの小型宇宙ステーション建設を含めて日本政府へ協力を要請していたようで、今回はそれに応じる形になったようだ。日本は小型宇宙ステーションに設置する生命維持装置や空調機器、バッテリーなどの提供を検討しているとした他、H3ロケットによる宇宙ステーションへの補給計画や新型補給機なども提案。しかし、建設自体に関してはコスト面から支援を実施しない可能性もあるという。

 

NASAとJAXAはもとも協力的な関係性を築いてはいたが、今回のプロジェクトによりさらに技術・情報の密な共有が行われると考えられる。アメリカは月面探査で得たデータを元に火星をはじめとする深宇宙(地球の大気圏より外側の宇宙空間)の探査も展開を計画しているそうだ。そこでも引き続く形で日本が協力・連携していけるかもしれない。もしそうなれば、日本人宇宙飛行士の活躍もじゅうぶんに期待できるだろう。

 

「アルテミス」への参画は、コスト面を検討しつつどこまで協力できるか。そのラインを探っていくとしている。どの程度の協力体制かはまだ不明だが、日本の宇宙開発技術を最前線へと押し上げる一つの大きな契機となるかもしれない。