これは、髪を洗うことに命をかけた男の真実の軌跡である。

男は、闘っていた。

湯シャンだけはやがて皮脂で髪が重くなってくる。
皮脂は取りたい。でもシャンプーは以ての外。石鹸も使いたくない・・・!

男はガスールという粘土で髪を洗うことを覚えた。髪に塗って上からラップで頭を覆う30分のヘアパック。

すっきりした!これだ!!!
ガスール+ラップパックはとてもすっきりする上、7日〜10日はすっきり感が持続する。理想的だ。

男は非常に満足していた。しかし、やがて欲が湧いてくる。人間というものの性である。

「ガスール良いんだけど、なかなか高えな。もっと安価な手はないの?」

巷には小麦粉シャンプーなるものがあるらしい。
小麦粉を溶かして髪に塗って流すだけ。皮脂も取れてすっきりするという。

男の家には小麦粉がなく、米粉で試すことにしたのであったのだが・・・

「米粉はダマになりにくいんだと。なら、湯で溶かんでもいいわ。面倒くさいしシャワーのぬるま湯(人肌)で余裕やろ(*´ω`*)」

男の、最期の笑顔であった。
男は、あまりにも無精すぎたのである。

10分後・・・ヒヨコ

鏡の前に立ち尽くす男。
目の前に、頭をダマだらけにした奇怪な生き物がこちらを見ている。見ている・・・。
それが自分の姿だと、無精を極めし者が行き着く成れの果てなのだと、悟った男は、泣いた・・・。

見た目には溶けているように見えても、実際には細かい細かいダマになっていたのである。
もはやなす術無し。男は石鹸で洗い直すのであった。

・・・
いやあ、みなさん。
無精はいけません無精ハ。
物事は丁寧に。丁寧に行わなければネ

ハハハ・・・