以前、ベランダにイソヒヨドリがエサをもらいによく来ていた。

嬉しくて砕いたナッツをよくおいていたが、ある日を境に来なくなった。
いい人を見つけて、どこかで子育てをしているのかも知れない。

皿を起き、麻の実や粟などが入った小鳥の餌を置いておくと、今度は雀たちが来るようになった。
その姿は愛らしく、食べてる姿を見ているだけで嬉しくなる。

鳥も、動物も、花も木も、命に対しては美しいといつも感じている。
きっと、命とは本来こうなんだ。
歓びを起こさせる光を持っている。

こんなことを言うのは何だけど。
唯一、人間にはその命の美しさを感じたことはなかった。人間からは、光を感じない。
そしてそれは、あるまじきことなんだ。

地球では、他でもない、人間から光が放たれていなければ。
これまで生きてきて、光を感じた人間は一人だけ。

緑色の瞳をした人。
その人は自分のことを「人間じゃない」と言っていた。本気かどうかは知らない(笑)
農業をはじめ地球に存在する問題を解決するために実践的取り組みを続けている。

その人はあるとき、貧困国の人達について、他国の大資本に依存せず、自分たちで自給・自活する道について語っていた。

「俺はいつでも、弱い立場にいる人たちの味方でありたいと思ってる」

その言葉を口にしたときの、その人の目を見たとき、本気で言っていると感じた。
心の底からの決意と確信があった。そのときの目を、僕は美しいと思った。

自分の命も、あんなふうに美しくなれるだろうか。人間の命は。

あの目を、時々思い出す。
あの目が、今の僕の原点です。