山のてっぺんで仙骨をしまって立禅をしていると

すべてが愛おしい。
陽の光も 鳥の唄声も 虫の音も 大地の感触も
すべてが愛おしい。
共に創造しよう。みなにその歓びをもたらそう。共に。
歓びの中に在ろう。
愛の中に生きよう。

自分自身がそう思っていたのだけれど、なにか少し違う風に感じた。

誰かと一緒に思っている。
思いを共有している。同調(シンクロ)している。

そう考えていると、突然邪気が話しかけてきた。

【シリウスはお前をまもり、みちびく】

【シリウスが何なのかわからないだろうが、今はわからないままでいい。いずれわかる。】

と言われた。
以前にも同じようなことを言われ、「なぜ俺をまもる?」と聞くと

【魂において兄弟だからだ】
とだけ。

去年だったか。
シリウスの干渉について考えていて「干渉してくるにしても、なにか自己紹介とかなんかあるだろうに」と文句言っていたら。

数日後
道を歩いていてあるお宅の花壇が見えた。花が植えられ、そばに品種の名前が書かれた札が土に刺さっていて、文字が目に飛び込んできた。

「シリウス」
そう書かれていた。

えっ!名刺ってこれ?そんだけ?!
いやいや!そーゆーことじゃなくて!
なんなの。
シリウスって、ど天然なの?!

とひとりで突っ込みを入れていた。

いまだによくわからないけど。
なにかあるらしい。