仙骨をしまって、下丹田の真ん中に力が入るのを実感しながら歩いていると、身体のうしろ側というか、筋肉の裏側を使っているような感覚をおぼえる。




仙骨をしまうが実感できないまま「太ももの後面やお尻を使って動く」は意識しづらいところがあるのだけれど、きちんと仙骨をしまうと、自ずとそうなる。自ずとそのようになることに気付いた。

同時にわかったのは、仙骨をしまうと一般的に普通とされている行進歩きは難しくなる。足を前に出すのがやり辛く、違和感をがある。

だから、仙骨をしまった状態で歩こうとすると、肚で前へ出るようになる。自ずとそのようになる。日本人本来の歩き方とされるみぞおち歩きはこのようにして生まれたのだろう。

すべては仙骨をしまうと自ずとそうなるようになっているようだ。すごい。

明治期の記録によれば、当時の良家に招かれた外国人家庭教師(おそらく、日本人の身体操作を破壊する諜報・工作員)は、まずとにかく「ひざを伸ばすように」としつこく教育したらしい。
家庭教師は日本人にひざを伸ばさせることに非常に苦労したと聞いたことがある。

仙骨をしまうとそのことにも合点がいった。
なにせ、ひざをしっかり伸ばすと仙骨をしまえなくなるからだ。このことも実感できた。

日本人が日常的に仙骨をしまって動いていたなら、ひざも常時曲げていたはず。だからこれを壊したのだろう。

仙骨をしまうにはひざを曲げざるを得ず。
仙骨をしまえば自ずとみぞおち歩きが採用され、裏側の筋肉が使われるようになる。

日本人はすごい!