十数億年~20億年前、藻類の働きでこの地球に酸素が満ちてきたころ。
はるか上空では紫外線によって酸素分子(O2)が二つの酸素原子(O)にわかれ、それが三つ再結合。オゾン(O3)が誕生した。
オゾンはこの地球を膜のように覆い、層を形成。これにより有害紫外線から地表は守られ、多くの生物が海から地上へ進出するに至る。
海の生物が地上へ進出する過程で粘膜を皮脂膜へ変化させる。
人間の皮脂膜は、皮脂腺から出る皮脂と、汗を微生物が代謝。混ぜ合わさったものが材料になる。ウンコのようなもの(笑)
微生物が絶妙なバランスで皮膚に存在し、元気にウンコして塗ったくってくれるおかげで・・・我々人間は正常な肌を保っている
しかもこの最高で最強の防護膜がタダなのだから素晴らしい。
石鹸やシャンプー、ボディーソープといった洗剤は、皮脂も微生物さんたちもきれいさっぱり洗い落としてしまう。
たまにならまだしも、毎日続けていれば微生物のバランスも崩れ、代謝も調子が狂う。
極度に乾燥したり、ガンガン皮脂を供給して脂っこくなったりと、症状の出方はいろいろ。
対策として世の中には数えきれないほどのスキンケア商品が売られているけども、そもそもなぜそれが必要になったのか。そこが問題のように思う。
遠い、遠いご先祖様たちの時代からずっと、微生物や細菌と共に生きてきた。
スキンケアが正常な皮膚の維持に必要不可欠なら、じゃあその前は?
近代科学はほんの数百年の歴史でしかない。
現代人にとっては当たり前でも、人類の歴史から見れば非常識。
スキンケアなんていう上等なものがなかった頃のご先祖様たちはみな、肌荒れに嘆き苦しんでいたのだろうか。
皮膚病や肌トラブルといったものは、共に生きていた微生物を「悪」として排除し始めてから始まったように思う。
住処を追われた微生物たちは揃って島流し。
長きに渡るウィンウィンな契約は、人間によって一方的に破られた
これがもしも動物だったらどうだろう?
山で暮らす動物たちは皮脂膜が無ければ水をはじかない。はじかなければ体温を奪われる。細菌にも侵されたちまち死が迫ってくる。
アヒルは肛門からでる脂を羽に塗ることで水に浮くことができる。
これを取り去ってしまえば浮くことはできず、体温維持もままならない。命の危機が待っている。
人間には服もエアコンもある。薬もある。とりあえず死ぬことはないから気にもしないだろうけど、他の動物たちにとっては大変危険なこと。
「ばっちいから皮脂も菌もキレイさっぱり落としましょう」なんて、人間の世界にだけ通用する道理。
僕は頭のてっぺんからつま先まで洗剤を使わなくなって約3年になるけど、使っていたころよりもすこぶる快適です(*´ω`)
ここまで来るのに大変だったけど、今まで視界に入らなかった多くのものに目を向け、考えるきっかけをもらったように思います。
人は人だけで生きてるわけじゃない。1人で生きてるわけでもない。
目に見える多くの命、目に見えない膨大な命に生かされ、いまを生きられている。