Potter, Beatrix. The Tale of Peter Rabbit. 1902. Frederick Warne, 2009.

 

 誰もが子どもの頃に触れたことがある物語。主人公の子ウサギPeterがMcGregor氏の庭に入りこんで命からがら逃げ出す話である。

 

 単純な子ども向けの絵本ではあるが、ちょっとした工夫もされている。冒頭で以下のように、子ウサギたちの名前が紹介されている。

 

and their names were—

                       Flopsy,

                   Mopsy,

                Cotton-tail,

              and Peter. (7)

 

1匹ごとに行を変え、段々となるように配置することで、子ウサギたちが跳ね回っている様子が表現されているのである。

 

 また、実はかなり怖い話も含まれる。Peterの冒険が始まる前、母ウサギは父ウサギの悲劇の最後を伝えて、子ウサギたちの戒めとする。‘. . . don’t go into Mr. McGregor’s garden. / “Your Father had an accident there; he was put in a pie by Mrs. McGregor’ (11-12)。父ウサギがMcGregr氏の庭で事故に遭ったのだからその庭に入ってはけないと言うわけだが、要するに捕まってパイの材料になってしまったのである。

 

(2024/06/14読了)