
最近、
「詐欺を止めた事例」をたくさん見ています。
銀行員さん。
郵便局員さん。
コンビニ店員さん。
警備員さん。
家族。
そしてAI。
最初は、
「どうやって見抜いたんだろう」
と思って見ていました。
でも、
いろんな事例を見ていくうちに、
少し違うものが見えてきました。
詐欺師が本当に嫌がっているのは、
「見抜かれること」だけではないのかもしれません。
むしろ、
“誰かが入ってくること”
をすごく嫌がっている気がするんです。
ATMで電話しながら操作していた女性。
郵便局員さんが
「どうしました?」
と声をかける。
すると、
電話が切れる。
別の事例では、
銀行員さんが
「ご家族に確認しますね」
と言った瞬間に電話が切れた。
コンビニでは、
電子マネーを買おうとしていた男性に店員さんが
「3万円ですね?」
と確認した。
すると男性は事情を説明し始め、
詐欺が止まりました。
私は最初、
AIで詐欺判定できれば防げると思っていました。
危険。
安全。
詐欺。
非詐欺。
でも最近、
少し考えが変わってきました。
人は、
正しい情報だけで止まれるわけじゃない。
特に詐欺の最中は、
焦り、
不安、
孤立、
「取り返したい」
という感情の中にいます。
そこへ強く
「詐欺です」
と言われると、
逆に進んでしまうことすらある。
実際、
娘さんに
「それ詐欺だからやめなさい」
と言われても止まれなかった女性の記事もありました。
その女性は後に、
「そんなはずないと思ってしまった」
と話していました。
この言葉が、
ずっと残っています。
詐欺師は、
人を騙す前に、
まず「一人」にします。
電話を切らせない。
急がせる。
今すぐATMへ行かせる。
「誰にも言わないでください」
全部、
同じ方向です。
孤立です。
だから逆に、
止める方法も見えてくる。
誰かが入る。
会話が生まれる。
一人じゃなくなる。
それだけで、
止まることがある。
最近見た記事では、
60〜70代女性の約半数が
「人よりAIへ相談したい」
と答えていました。
理由は、
「気を使わず相談できるから」。
私はこれを見て、
AIって、
答えを出す存在というより、
“誰かへ戻る入口”
になれるのかもしれないと思いました。
「少し気になる点があります」
「今日は振り込まなくて大丈夫です」
「一人で決めないでください」
そんな言葉で、
人が少し止まれるなら、
意味がある気がしています。
詐欺師が本当に恐れているのは、
警察でも、
AIでも、
知識でもなく、
「誰かが入ってくること」
なのかもしれません。
迷ったら、一時間。
一人で決めないでください。