おはようございます。

先週日曜日の東京都知事選挙以降、恒例となっている野党支持者たちが東京都民を誹謗中傷する発言を繰り返すのを見ると、本当に勝つ気があるのかとつくづく呆れます。

 

本来、自分たちの間違いや既存支持層以外に支持を得る方法を模索すべきところ、「自分たちの正義を理解できないアホが悪い」と上から目線で開き直る態度は、次の国政・地方選挙に向けて適切な戦略とは到底いえません

 

こういった他責思考はリベラルやフェミニスト・不逞外国人等のノイジー・マイノリティに広く見られ、結局現状の打破や改善に目を向けようとしない訳です。

 

我々も、こういった連中を他山の石に自らを省みつつ、公私ともに未来志向で生きていきたいものですね。

 

 

  1月5日(金曜日)ポツダム②

 

さて、本題のドイツ周遊旅行記8日目のポツダム・サンスーシ宮殿散策から再開します。

 

 

前回、最後に紹介したフリードリヒ大王の生活の場だった執務室兼寝室(写真)に続いて訪れたのは、

 

フリードリヒ・ロココ様式を象徴する、白塗りの壁及び天井に蔦のモチーフを中心に用いた金色の植物文様装飾に囲まれた音楽演奏室です。

 

 

天井だけでなく壁面にも彩られた金色の装飾の中には、この居室が音楽演奏室であることを示す楽器のモチーフ(写真2枚目)も見ることができ、

 

  

その中央には大王が愛用したとされるフルートを収めるケースを載せた鍵盤楽器(写真1枚目)が配されています。

 

生前、政務と戦争に精力を費やした大王とその家族が、おそらくここで一時の心の安らぎを得たのでしょうが、明暗2種の木片による市松模様の寄木細工の床はともかく、この黄金装飾の中で安らげるのは大物ですね(苦笑)。

 

次にこちらは絵画が飾られたサロンで、

 

 

黄金装飾は縁など控え目にしつつ、優雅で精緻な白のダマスク織(写真1枚目)や陶磁器(同3枚目)からは各国から様々な文化を取り入れるプロイセンの豊かさが窺え、
 

 

小規模ながら強国の宮殿に相応しいものでした。

 

さらに東翼の端には円形の間が設けられ、非公開の西翼の端とシンメトリックを成すこの場所は、

 

 

 

中央の楕円の間とともに古代神殿の趣を漂わせており、金色の円形ドーム(写真1枚目)が見事です。

 

 

そして円形の間から東翼を折り返した隣には、王族が過ごす小さな居室が続いており、

 

 

 

これまでヨーロッパの宮殿をいくつも見てきた経験からすると、寝室・サロンとも修復中の真っ白な天井(写真1枚目)を含めて適度に華美過ぎない印象を受けます。

 

 

こちらは、上掲の1つ前の居室と装飾自体は共通しつつ、色合いは赤を基調とした居室ですが、配色だけでかなり印象が変わるものですね。

そんな居室群の最後を飾るのは、一際独特の趣を見せる、

 

黄色の壁紙とリアルな花の装飾が目を惹く「花の間」です。

宮殿の外観の色合いと一致したこの居室は、

 

 

 

中華風の鶴の絵(写真2枚目)や花の意匠のシャンデリア(同3枚目)など、

 

 

東西文化のそれぞれの粋を磨き上げたような、

 

 

雑多な中でも統一的な美を持つ空間は、強く印象に残るものだったと思います。

 

ちなみに、この居室にも寝室(写真3枚目中央)が設けられていますが、このビビットな空間でゆっくり寝られる神経はある意味凄いと思えました…(汗)。

 

 

以上、最後は大王をモチーフとした現代画(写真1枚目)で締め括るサンスーシ宮殿散策でしたが、他の王宮・離宮と比べると非常にコンパクトなので、限られた時間でも豪華な居室群を楽しめるのは魅力的ですね。

 

 

 

この後は、前回触れたノイエ・カマーン(写真1枚目)を通り過ぎてサンスーシ庭園を西に進み、

 

 

途中で段々状になったオランジュリーを下から鑑賞。

 

何気なく佇むこの建物ですが、規模的にはサンスーシ宮殿と大差なく、名前のとおり温室のためにこれだけの建物を設けるのはやはり庶民では想像できないレベルですね…。

 

さらに公園の中央を東西に貫く並木道に入ると、その正面にはドーム状の建物が見えますが(写真中央)、

 

 

遠近感に騙されて歩くのに思いの外時間をかけた先に建つこの宮殿建築は、フリードリヒ大王がフランスとの七年戦争に勝利した記念と更なる国威発揚のために1769年に完成させた新宮殿です。

 

 

12の居室と小規模なサンスーシ宮殿と比べて、この新宮殿は200を上回る居室を持つ大規模なもので、フランスのヴェルサイユ宮殿を模したものとされています。

 

そして、新宮殿の西には宮殿と統一された装いの建物群がアーチのように並んでいますが、

 

 

こちらはポツダム大学の第1キャンパスとして現在は使用されており、こうした歴史的建築を大学のキャンパスとするのは本当に贅沢な話ですね(感嘆)。

 

 

そんな関連施設を含め赤茶色に統一された新宮殿には、傍らのビジターセンター(写真1枚目)で時刻指定の入場チケットを入手してから、

 

 

2フロアから成る居室群のガイドツアーに参加します。

指定された時刻に集合後、最初に訪れたのは、

 

早速ハイライトの1つである「人工洞窟の間」です。

宮殿に入ってすぐの大広間であるこの居室は、

 

 

内陸のポツダムにあって、貝殻や伝説上の怪物、砂利など水辺の洞窟を模して造られており、遠目に見ると落ち着いた雰囲気ながら、個々の彫刻や壁面・天井の装飾を見るとおどろおどろしさを感じました。

 

 

 

通常、宮殿の正面ホールというと瀟洒・優雅・豪華・荘厳といった言葉が似合うものですが、この人工洞窟(ドイツ語でグロッテン)はそうではなく

 

 

この贅沢さとおどろおどろしさが併存する佇まいは非常に珍しく、これまで訪れた宮殿の中でも異色でした。

 

次にこちらは大理石のギャラリー

グロッテンのインパクトが強かったため、豪華絢爛ながらあまり印象に残らないのはある意味凄いと思いつつ、

 

 

続いてティムールの間に入ります。

 

中央アジアの英雄・ティムールの名を冠したこの居室では、ティムールの侵攻と神話のモチーフを重ねた大きな絵画(写真2枚目)が目を惹き、国家・民族が違っても歴史上の英雄を称える大王の器の大きさを感じました。

 

そしてこちらは「赤いダマスクの間」。

その名のとおり、これまでと一気に色調が変わり赤と白・金の組合せが映えるこの居室は、

 

 

赤いダマスク織の壁紙が大変見事で、

 

 

 

優雅な装飾の鏡や暖炉(写真2・3枚目)といった調度品とともにこの居室を美しく彩っていました。

 

 

次にベッド(写真1枚目右・2枚目)が配されたこじんまりとした居室に入りますが、王子のものだそうです。

 

 

次の打ちひも(Galloon)の間は、壁面の金装飾にその由来しますが、壁に配された置時計(写真1枚目)や陶磁器(同2枚目)も見応え十分でした。

 

そして一際金装飾が鮮やかなこの居室は、新宮殿に複数あるコンサートホールの1つであり、

 

 

豪華なシャンデリア(写真1枚目上)や壁面を彩る絵画・装飾に囲まれた中で、果たして本当に音楽の演奏・鑑賞に集中できるのかが若干気になります(苦笑)。

 

 

それに対して、サンスーシ宮殿の花の間と共通点の多いサロンは、前後の居室とは一際印象が異なる趣で、

 

 

天井・壁・床に至るまで可愛らしい花が描かれた模様は、どこか異世界のように感じられます。

 

 

 

この後は、こちらも植物模様の壁紙が目を惹く小廊下(写真1枚目)を進み、北側の階段(同2・3枚目)を上り、

 

2階の居室群の散策に入ります。

 

 

2階の最初の方は、最初のグロッテンから驚かされた1階と比べてあまり印象に残った居室はなく

 

 

花模様の小部屋(写真1・2枚目)や何故か大量に並ぶティーセット(同3枚目)、

 

 

 

青いタイルに覆われたバスタブ(写真1枚目)や、修復中の居室(同4枚目)などを淡々と通り過ぎました。

 

 

これもある意味目が肥えた贅沢な話と思いつつ(苦笑)、
 

写真の「狩りの間」から再び豪華絢爛さが際立ちます。

プロイセン王国の繁栄を象徴するようなこの居室群は、

 

 

 

かつての居室(写真1枚目右のモノクロ写真)を金銀の装飾などで精緻に再現しており、机上の調度品(同4枚目)も精巧さが目を惹きました

 

 

その隣は緑のダマスク織の壁紙が鮮やかな「緑のダマスクの間」で、1階の赤のダマスクの間とはまた異なる豪華さの中の落ち着いた佇まいが美しく、

 

 

壁紙の色だけでこれだけ居室の印象が変わることに、自分は賃貸住まいですが自宅の壁紙の色も意外と大切なんだなと奇妙な感想を抱いた次第です(苦笑)。

 

さて、新宮殿のガイドツアーはもう少し続きますが、記事の容量の都合から今回はここまでとします。

次回は新宮殿の残る居室の紹介に続き、

 

ポツダムを代表する、我々日本人にとっても歴史上大きな意味を持つもう1つの宮殿を取り上げる予定です。

ではでは。