おはようございます。

今週はプロ野球の交流戦終了後の中休みが入り、今日からリーグ戦が再開されます。

 

我らが中日ドラゴンズは交流戦で借金4と浮上の契機を掴むことはできませんでしたが(涙)、まだ現時点で65試合と折り返しさえ迎えていないことから、選手たちのやる気次第では十分盛り返しは可能です。

 

現時点で噂されていたトレードの実施はなかったものの、ローテーションの再編や一部選手の入替えを行っており、地元での首位・広島東洋カープ戦から上手く勢いに乗り、セ・リーグに波乱を巻き起こしてほしいと思います。

 

まずは次の区切りのオールスター戦に向け、それまでに借金返済を果たしてほしいところですね。
 

 

  1月4日(木曜日)ベルリン⑥

 

 

さて、本題のドイツ周遊旅行記は7日目のベルリン市内散策の夕暮れ時、前日に続いて世界遺産の博物館島を訪れたところから再開します。

 

この日は、古代ギリシャからローマ期の彫刻や工芸品をメインに展示する旧博物館を訪問。

 

展示品に合わせたのではないでしょうが18本の列柱が並ぶ新古典主義の趣で、19世紀のプロイセン王室付の建築家K.F.シンゲルの代表作とされる建物の正面から入ると、

 

 

外観と比べるとシンプルな内装に加え、「ロの字+円形広間(ロトンダ)」で構成される、迷うことのないフロアとなっています。
 
1階は古代ギリシャをテーマとした展示で、
 
 
 
豪華絢爛ではないものの、最も古いものでB.C.10世紀と約3,000年前という歴史ある壁面装飾や調度品が並んでおり、主に石と青銅製のものです。
 
中でもハイライトといえる作品は「ベルリンの女神」と呼ばれる優雅に佇む石像(写真1枚目)と、手を高く上げて広げる躍動的な青銅像「祈る少年」(同2枚目)の2作品であり、非常に対照的に感じられます。
 
 
また、表裏で赤絵と黒絵が対称的な「Drinking Cup of the Potter Sosias」もその文化的価値が評価され、この博物館の古代ギリシャ展示の至宝とされています。
 
 
 
そして、1階の展示の後半に入ると装飾や石像の技術の著しい進歩が見られ、例えば石像(写真2~4枚目)では全体に彫りの細やかさが高まり
 
 
陶器の絵柄の複雑化(写真1枚目)や、宝飾品の精緻化(同3枚目)が明らかに見て取れます。
 
 
一方、中央のロトンダは壁に沿って彫像が並ぶ吹き抜けの神殿風の佇まいとなっており、やや暗めで静謐な雰囲気の下、ぐるっと12体の彫像を回るのも面白かったです。
 
 
 
続いて2階は、古代ローマ以前のエトルリア人の文化から共和政・帝政のローマのコレクションの展示です。
 
 
まずエトルリア文化については、古代ギリシャと共通点も多いですが、見どころの「エトルリア人の戦士」(写真3枚目)はギリシャだけでなく後のローマとも異なる素朴な趣を感じました。
 
 
 
続いて第3室からは古代ローマの展示に入り、ヨーロッパ旅行では見慣れた彫像(写真1・4枚目)や壁面装飾(同2・3枚目)が整然と並ぶ中、
 
お手玉をする人」(Knucklebone Player)はモチーフの面白さが目を惹き、
 
 
 
また筋骨隆々なたくましい男性像からは、実際はそんなことはないのでしょうが、古代ローマには肥満やヒョロガリが存在しないかのようにも思えました。
 
 
他に大理石の像ばかりの中では珍しい青銅の天使像(写真1枚目)や、シンプルながら上品さのある調度品(同2枚目)の展示も興味深いですが、やはり古代ローマの装飾芸術としてはモザイク画(同3枚目)は欠かせません

 
 
特に絵画のコレクションが豊富で、写真4枚目の「喜劇の仮面(古代の奴隷)」は、見た目から笑いを誘うデザインだけでなく、それが1,800年以上を経て残っている奇跡そのものがとても面白かったです。
 
そして常設展の締めの第7室は、ローマの皇帝やその関係者の表情豊かな顔の頭像が並び、世界史の教科書で見たことのある人々も多く見られますが、
 
 
特にクレオパトラ9世とカエサルの像は、その優美さと無骨さの対極的な佇まい、さらに2人の関係を示唆した絶妙な展示の距離感が興味深く感じました。
 
ちなみに、この像でもカエサルのハゲっぷりは見事なもので(写真2枚目)、「カエサル=ハゲ」はあらゆる作品に共通する鉄壁のモチーフなのですね(笑)。
 
 
 
他にも石像とは思えない衣服部分の装飾(写真1枚目)や、女神に擬したリウィア皇妃像(同4枚目。アウグストゥスの妻)といった作品も目を惹き、
 
 
 
最後に企画展では第7室の等身大の像と対極的なミニチュア像の展示が行われていましたが、
 
 
これもこれで細やかな意匠が見事でした。
 
 
 
 
以上、旧博物館の展示を一通り鑑賞して閉館時間近くに退出すると、外はすっかり暗くなり、隣接するベルリン大聖堂(同2枚目)やフンボルト・フォーラム(同3・4枚目)が煌びやかにライトアップされています。
 
 
そしてこの後は、前日に外観のみ眺めたフンボルト・フォーラムに入場しましたが、内部は旧王宮の趣を取り入れた現代風のデザインとなっており、
 
 
地上5階・地下1階に様々な博物館やギャラリーが入っている複合文化施設です。
 
 
とはいえ、博物館島で購入したミュージアムパス・ベルリンで入場した現代アートの展示(写真1枚目)は特に興味を惹かれることはなく、
 
 
どちらかといえば旧王宮だった当時の姿に復元され、かつクリスマスマーケットで煌びやかに彩られた中庭の方が、個人的に興味を惹かれました。
 
さらにもう一つ、かつて旧東ドイツ政府の人民議会が置かれた共和国宮殿の名残を感じるのが、
 
ホールの一角に展示されたこの透明の箱です。
 
1976年から共和国宮殿で開催された人民議会は、名目上は旧東ドイツの最高国政機関でしたが、実態は旧東ドイツ指導部の提案をただ確認するだけの形骸的なものでした。
 
 
それに対してこの投票箱は、ベルリンの壁崩壊後の1990年3月の初めての自由選挙によって選出された人民議会での投票に使用され、この箱の透明さは、民主主義における議会決定の公正性を象徴していました。
 
特に1990年8月23日、ドイツ連邦共和国基本法の妥当領域に旧東ドイツが加盟する、すなわち西ドイツ主体の統一を巡る投票でも用いられたのは象徴的な出来事です。
 
そんな民主主義のプロセスを体現したような投票箱ですが、旧東ドイツの下でこの箱が使われていたら、また別の意味(投票の監視)を持った気がしますね(苦笑)。
 
 
この後は、ベルリン市内に複数店舗を展開するウィーン風のカフェ「アインシュタイン」を訪れます。
 
20世紀を代表する理論物理学者のA.アインシュタイン博士がベルリン大学(現フンボルト大学)教授を務めたことに由来したかどうかはわかりませんが、
 
 
やや手狭ながらクラシックなヨーロッパのカフェといった佇まいとなっており、その中で、
 
 
ショコラケーキとマフィンを、お店自慢のウィンナーコーヒーとともにいただきました。
 
サイズは大き目、甘さはやや強めとこちらもヨーロッパらしさ満点ですが、シンプルながら王道を行く味は丸一日の散策で疲れた体を癒すにはちょうどよかったです。
 
 
 
カフェ休憩後、この日の締め括りに訪れたのはシュプレー川の河岸にて怪しげな青い光を放って佇む、
 
隠す気のない秘密基地風のDDR博物館でした。
 
DDR(Deutsche Demokratische Republik)、すなわち旧東ドイツの生活や文化等を紹介するこの民営の博物館は、営業時間が午後9時までとやたら長いので、夜の時間を文化的に楽しむにはちょうどよいです。
 
 
東ドイツの誕生の起源となったドイツとベルリンの分割の歴史から始まり、パネルや立体模型を通じて、
 
 
ベルリンの壁の境界の殺伐とした風景(写真1枚目)や先ほど訪れたフンボルト・フォーラムの前身の共和国宮殿(同2枚目)など今は亡き東ベルリンの面影を感じます。
 
続いては東ドイツの人々の暮らしに移り、国産のバイクや車の現物が目を惹きますが、中でもトラバント(写真2枚目)は、レトロさが満点です。
 
 
 
他にも生活用品などの現物を見ていると、東ドイツが旧共産圏の中でも屈指の工業国だったことを感じました。
(ただし西ドイツとの差は歴然でしたが…。)
 
 
 
他にも思想強めなポスター(写真2・3枚目)にもレトロさを感じながら、

 
当時の仕事と道具の紹介の中で、東ドイツでも国民的スポーツだったサッカーなどスポーツ関連の展示に注目。
 
 
 
オリンピックのメダル獲得数からはかつては西ドイツを大きく凌駕するスポーツ大国だった事実(写真1・2枚目左。右は西ドイツ(BRD))、ドーピングの解説(同3枚目)からはその裏の闇を現わしているようです(汗)。
 
次に東ドイツの政治色の強い展示を見ていくと、
 
 
いかにもといった感じの共産主義・ロシアの匂いが見た目から漂う品々はともかく、
 
 
 
とりあえず何にでも政治や思想を漂わせるのは、ある意味で凄いと思います(苦笑)。
 
 
特に、マルクスやレーニンの写真を背にする執務席の再現については、某将軍様の写真を飾る民族学校を連想し、やはり根底は共通して「共産主義はヤバイ」ことを日本人的には感じた次第です。
 
 
さて、DDR博物館の散策はもう少し続きますが、記事の容量の都合上、今回はここまでとします。
次回は予定よりも遅れましたが7日目を終えて
 

 
今度こそ8日目のポツダム散策に入る予定です。
ではでは。