おはようございます。

現在の出向の一区切りまであと1ヶ月半を切り、少しずつ仕事の締め括りを意識する段階になってきましたが、今回はギリギリまで業務が立て込む見込みです。

 

そのため、離島赴任や帰任といった区切りごとに行ってきた「卒業旅行」的な海外旅行(笑)を6月に組み込むのは難しいものの、今の虎ノ門・霞ヶ関界隈ならではの経験を残る期間でやり遂げたいと考えています。

 

詳細は次回の記事で触れる予定なので、それまでに最初のトライアルを実践するつもりです。

 

 

  4月28日(日曜日) リュブリャナ②

 

 

さて、本題のイタリア・スロベニア周遊旅行記はスロベニアの首都リュブリャナで迎える2日目の朝からです。

 

リュブリャナで泊まったのは街の大通り沿いの4つ星ホテルでしたが、

 

モーニングプレート(写真右)と軽食ビュッフェの組合せで、中々充実した内容でした。

 

 

締めはクレープとコーヒー(写真2枚目)で一服した後は、しばし休憩してからホテルを出発。

 

 

街の中心を走るスロヴェンスカ通りは、週末の朝というのもあって人影は少なく、中央郵便局(写真3枚目)など20世紀初期の建築が並ぶ街並みを眺めます。

 

そして、スロヴェンスカ通りの西側は官庁街・文化区画となっており、

 

 

その中心に建つのは、無機質な外観と彫刻尽くしのファサード(写真3枚目)が特徴的な国会議事堂です。

 

スロベニアを代表する建築家であるヨジェ・プレチュニクが設計したこの建物は、その計画時の図案がスロベニアで発行する10セント硬貨の裏面に彫り込まれており、近現代のスロベニアを代表するものの1つといえます。

 

 

ちなみに、その向かいには共和国広場が広がっており、周囲には社会主義時代っぽい古めの建物が複数見られました(参考:写真3枚目右のビルには日本大使館が入居)。

 

 

 

また、国会議事堂が現代的な外観の一方でその他の官庁や文化施設は近代の佇まいを残しており、例えば写真1・2枚目は翌日に訪れた国立博物館兼自然史博物館

 

 

そしてとりわけ装飾が美しいこの建物はオペラ座です。

19世紀末に建てられたこのオペラ座は、オーストリア統治下だった時代の面影が感じられます。

 

 

そんな20世紀初期の近代建築群を散歩しながら眺めた後は、国立美術館(写真1枚目)から西に向かって鉄道を跨ぐ橋を渡って、

 

 

17世紀にイエズス会が造ったティヴォリ公園を訪問。

 

ヨジェ・プレチュニクが再整備した中央の遊歩道(写真3枚目)を進んだ奥には、

 

 

瀟洒な外観のティヴォリ城が佇んでいました。

手前の噴水を含むシンメトリックな外観が美しく、街の中心部にこういった広大な公園が広がる都市デザインは、リュブリャナが緑豊かで住みやすい印象を受けます。

 

 

続いては、スロヴェンスカ通りに戻り、通り沿いのズヴェズダ公園(写真1枚目)や三位一体教会(同2枚目)をブラブラしますが、この公園の周囲には、

 

スロベニア・フィルハーモニア(写真1枚目)やリュブリャナ国立大学の本部(同2枚目)など、歴史ある文教施設が建ち並んでいます。

 

その創設はスロベニア・フィルハーモニアは18世紀初期、スロベニア国立大学は19世紀初期とオーストリア統治下以来の歴史を誇り、

 

 

 

特にリュブリャナ国立大学はズヴェズダ公園の南に複数のキャンパスを擁する国内最大の総合大学です。さらに、そんなリュブリャナ国立大学の建物群で最も有名なのが、

 

ヨジェ・プレチュニクが設計した国立大学図書館であり、周囲の並木も含め趣ある外観でした。

 

 

これらのプレチュニクの設計した建築群は、2021年に「リュブリャナのヨジェ・プレチニック作品群=人を中心とした都市計画 -」としてユネスコの世界文化遺産に登録されていますが、リュブリャナを語る上でプレチュニクの作品が欠かせないのは現地を訪れてさらに納得です。

 

 

さらに、大学の南側のフランス革命広場(写真1枚目)界隈は、小規模ながら13世紀にはすでに形作られた長い歴史を持っており、現在はその周辺がサマー・フェスティバルの会場(同2枚目:ステージ)となっています。

 

 
 

そんな歴史ある広場から、教会(写真1・2枚目)や市立博物館(同3枚目)の外観を眺めたり、狭い路地の道(同4枚目)を通って、

 

 

リュブリャニツァ川の河岸に出ます。

リュブリャナの街の名の由来にもなったこの川沿いには、テラスカフェや青空市場などが並び、

 

 

この時はまだ少し早かったので落ち着いた雰囲気でしたが、1~2時間後には多くの人々が行き交っていました

 

 

ちなみに、その中には「Tokyo Piknik」と称しつつラーメンを謳う不思議なお店もあり、テーブルの家紋(写真2枚目)に一瞬目を惹かれた次第です(苦笑)。

 

 

そして、リュブリャニツァ川に沿って北に向かっていると次第に人々の賑わいが増していき、そのピークが写真の観光案内所が建つリュブリャナの心臓部である、

 

三本橋とプレシェーレノフ広場です。

三本橋は、こちらもプレチュニクが手掛けた作品で、

 

 

新市街と旧市街を結ぶ3本の橋が一体化した独特のデザインとなっています。

 

かつては1本のみのシンプルな橋でしたが、1930年代の改修時にプレチュニクが交通混雑の改善のために歩行者用に2本の橋を新たに設けて現在の姿となり、まさにリュブリャナにおける「人を中心とした都市計画」のシンボルです。

 

また、三本橋の新市街側はプレシェーレノフ広場と呼ばれ、終日スロヴェンスカ通りや旧市街などから行き交う人々が絶えない賑わいを見せていました。

 

なお、広場の名であるプレシェーレノフは19世紀のスロベニアの詩人であり、彼の詩の一節が国歌の歌詞に採用されているほか、彼自身の姿がスロベニアで発行する2ユーロ硬貨の絵柄にもなっています。

 

 

そして、プレシェーレノフの像(写真1枚目)と並ぶこの広場のシンボルが、

 

1646~1660年に建てられ、イタリアの影響を受けたカラフルな外観が目を惹くフランシスコ会教会です。

 


 

内部は1736年に造られた祭壇(写真2枚目)や、

 

 

天井画(写真1枚目)などに華やかながら落ち着いた雰囲気を持ち、観光地でありながら地元密着の教会という印象を受けた次第です。
 

 

それと、プレシェーレノフ広場からリュブリャニツァ川を挟んで向こうには瀟洒な石壁の建物が連なっていますが、こちらは中央市場で、こちらもプレチュニクの設計であり、現在は建物の一部にカフェ等が入っていました。

 

この後は、新市街側の河岸に沿って東に進み、リュブリャニツァ川に架かる2つの橋を渡りがてら見学。

 

1つ目は、中央市場の間に架かる肉屋の橋です。

別にどこかの肉屋さんが架けた訳ではなく、市場の肉屋が集まる区画の近くだったことに由来するこの橋は、

 

 

2010年に完成して以降、カップルが欄干に「愛の誓い」の願いを込めて付けた南京錠がずらりと並び、地元では恋愛スポットとして知られています。

 

続いてもう1つは竜の橋と呼ばれており、

 

 

欄干の四隅に竜の像が設けられていることに由来します。

 

リュブリャナの街のシンボルがドラゴンであり、市の紋章や旗にも用いられていますが、リュブリャナで竜といえば何といってもこの橋でしょう。

 

 

20世紀初期に造られて以来、この四隅に佇む竜は100年以上この街を見守り続けているとされ、今では三本橋と並ぶリュブリャナの橋の代名詞となっているのです。

 

 

この後は、竜の橋を渡って旧市街側のヴォドゥニコフ広場(写真2枚目)に向かい、

 

 

広場の東側に建つリュブリャナ大聖堂の外観を一周しつつ鑑賞しました。

 

 

 

ただ、一般に開放している上掲のフランシスコ会教会と比べると、観光目的の入場はツアーに限定され、かつこの時はミサ中だったので、特徴的な門扉(写真3・4枚目)をじっくり眺めたくらいしか思い出はありません。

 

そしてクレコフ広場の奥・小山の麓にあるケーブルカー乗り場(同3枚目)から、
 

 

 

ガラス張りのケーブルカー(写真3枚目)に乗って、3分に満たない間ゆっくりと山を上りました。

 

 

登頂後に山の上のケーブルカー乗り場を出ると、

 

そこはすでにリュブリャナ城の敷地であり、この城は1144年の築城以来、長くハプスブルク家などリュブリャナの統治者が君臨してきました。

 

 

ただ、現在の姿は写真の15世紀末に奉納されたゴシック様式の礼拝堂を除き、16世紀の大地震後に改築されたもので、さらに近代に政庁が市街地に移って以降は刑務所として使われた時代もあります。

 

 

 

その後、オーストリア統治下末期の1905年に城と敷地がリュブリャナ市に買い取られ、現在は博物館・展望スポット・カフェやレストラン・結婚式場などの複合文化施設として市民に親しまれているそうです。

 

 

他にも六角形の屋根の塔など、歴史を感じる趣のある建物に実際に入場することもできますが、何といってもこのリュブリャナ城の魅力といえば、

 

 

城壁から望むリュブリャナの街並みです。

(写真2枚目中央:竜の橋

 

赤茶色の屋根を基調に、高さ・雰囲気とも上手く調和する形で現代の建物が各所に見られるこの眺望は、

 

 

この小山を含む緑も相まって、30万人弱が住む街の賑わいと近代以来の伝統・のどかさなど様々な感想を抱きました。

(写真2枚目中央:リュブリャナ国立大学図書館

 

 

また、こじんまりとした街のため1つ1つの歴史的建築(写真1枚目:フランシスコ会教会と三本橋)がよく見える立地も大変素晴らしく、

 

オーストリア時代の面影を含めゆっくり満喫しました。

 

 

さて、まだリュブリャナ城の散策途中ですが記事の容量の都合上、今回はここまでとします。

次回はお昼までのリュブリャナ市内散策に続いて、

 

 

午後のイドリヤ訪問をメインに取り上げる予定です。

ではでは。