おはようございます。
昨夜、ヴェネツィアを出発して5ヶ月ぶりのドイツ・フランクフルトに到着しましたが、これだけ短い間の再訪だと特に中央駅界隈の様子も変わりないものですね。
そして今晩にはフランクフルト国際空港から帰国の途に就く予定であり、7泊9日ながらイタリア・スロベニア周遊旅行の主題自体はすでに完結しました。
とはいえせっかくのフランクフルト滞在なので、ただフライトチェックインまでの時間を無為に過ごすのではなく、最後の力を振り絞って観光を満喫するつもりです。
フランクフルトには今年の年末年始にまた訪れますが、行きたいところは先送りせず楽しみたいと思います。
サン・マルコ広場の歴史的建築巡り
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さて、本題のイタリア・スロベニア周遊旅行ダイジェストは6日目の午前から再開します。
朝食後にサン・マルコ広場を訪れ、まずは予約していたドゥカーレ宮殿を入場見学したところで、
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次に入場したのはサン・マルコ寺院。
その名のとおり、聖人マルコ(ヴェネツィアの守護聖人でもあります。)の遺体を祀るために9世紀に建てられた寺院であり、ロマネスク・ビザンチン様式の傑作です。
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当時のヴェネツィアは東ローマ帝国の影響下にあったこともあり、モザイク画やドームのデザインはカトリック寺院ながら東方正教会の影響を強く受けており、
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その名残は外観・回廊から内部まで広く見られます。
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そして、東方正教会のイコノスタシスを連想させる聖像壁(写真1枚目)や、十字状に設けられた5つのドーム(同2枚目)など、大規模かつ壮麗なものに事欠くことはありませんが、とりわけサン・マルコ寺院の至宝と呼ばれるのが、
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10世紀から400年近い月日をかけて完成したとされる、金色の背障「パラ・ドーロ」です。
あまりに眩い金銀細工と数千個の貴石をふんだんに使ったこの背障は、その巨大さもあって思わず魅入られる素晴らしさであり、入場料に追加料金(大人1名5ユーロ)を支払っても訪れる価値は十分ありといえます。
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加えて、鮮やかかつ精緻な床の模様(写真4枚目)など、寺院内は入場から退場まで360°どこに目をやっても見どころがあり、ドゥカーレ宮殿と並ぶサン・マルコ寺院散策における必見の名所でしょう。
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そしてこの後は、サン・マルコ広場近くのレストランで海鮮メインのランチをいただいてから、
今度は旧政庁とナポレオンの翼廊が繋がる角の回廊に入口があるコッレール博物館に入場しました。
こちらは考古学博物館を含む博物館フロア、
国立マルチャーナ図書館の展示区画に加え、
ルネッサンス期の作品を中心とする絵画館と様々な展示が混在するため、見学していてわかりにくい印象でした。
ただ、その中で面白かった展示として、
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名画をオマージュした珍妙な特設展示(笑)と、
ハプスブルク家の統治下で整備された皇帝一家の逗留時の華やかな居室があります。特に後者は、
大食堂(写真1枚目)や舞踏の間(同2枚目)など、見ごたえある居室が並んでおり、個人的には順路の最後にこの居室を見学できたのが最も満足できたポイントです。
こうして、7日目午前に予約していた鐘楼以外のサン・マルコ広場の主要な見どころを巡った後は、小雨が降る中ですが以下の旧市街の歴史的建築を鑑賞しました。
【フェニーチェ劇場】
ヴェネツィア共和国末期の18世紀末に建築され、ヴェネツィアでは最も格式が高いとされる劇場です。
これまで何度も火災に遭いながらその度に再建されたこの劇場の名は、入口上部の不死鳥(フェニーチェ)の装飾(写真2枚目)に由来していますが、その沿革も不死鳥のようなのは単なる偶然なのでしょうか…(汗)。
ちなみに内部は、公演時以外はガイドツアーに限り入場可能なため、今回は見送りました。
【サント・ステファノ教会】
14世紀に再建されたゴシック様式の教会です。
教会内部の船底のような天井とティントレットの晩年の作品「最後の晩餐」が有名ですが、写真撮影が一切禁止のため外観のみの紹介となります。
ちなみに、このタイミングで雨が激しくなったのでサント・ステファノ教会近くのカフェで一時休憩をとり、ご当地スイーツの濃厚なティラミスを堪能しました。
【アカデミア橋】
前日、ヴァポレットから見上げた木製の橋です。
対岸にはヴェネツィア派の絵画の殿堂とされるアカデミア美術館がありますが(写真)、特に見たい作品がなかったので今回は入場を見送っています。
そしてアカデミア橋の船着き場からすっかり見慣れた大運河をヴァポレットで北上して、
サンタ・ルチア駅前で下車。自分が泊っているホテルを含め宿泊施設やレストランが並ぶ通りを北東に進み、カンナレッジオ地区に入ります。
【ゲットー・ヌオーヴォ広場】
1516年に共和国政府がユダヤ人を強制移住させた地区の中心に設けられた広場です。
この地区の名称「ゲットー」がそのままユダヤ人の隔離居住地域の異名となったのは、ゲットーという単語の知名度に対して知られていない事実ですが、
華やかなイメージの強いヴェネツィア島にあって、ここだけはどこか飾り気もなく物寂しい印象を受けたのは、私の先入観ゆえではないと思います。
ちなみに、シナゴーグも隠れ家のようにこの広場界隈に点在していますが、特に一般公開はしておらず、商店を含め写真撮影は好まれないので注意が必要です。
こうしてヴァポレットに乗りつつ旧市街を散策した後は、夕食にヴェネツィア名物のイカ墨パスタ(写真3枚目)などを堪能してから、一旦ホテルに戻ります。
そして日が暮れるまで休憩してから、ヴェネツィア滞在の最後の夜を楽しむためヴァポレットに乗船。
これまで何度も見た大運河と異なり、
周囲の明かりは主要な邸宅(写真2・3枚目)を除いてあまり多くないことから、当初はどこかしっとりとした印象を受けますが、
リアルト橋(写真3枚目)はむしろ、橋の欄干沿いに非常に多くの観光客が並ぶ大混雑ぶりです(汗)。
その理由は、何といっても橋の南側から大運河を望む絶景であり、非常に見ていて幻想的なものでした…。
こうしてリアルト橋からの眺めを満喫した後は、再びヴァポレットに乗って大運河を下り、日中とはまた異なる印象を受ける建物や橋を楽しく観賞して、
ようやく目当てのサン・マルコ広場に到着です。
すでに入場観光は終わり、一部のレストランやカフェは店じまいを始めていたため、外観を眺めるのみですが、
薄明かりのライトアップがよく似合う、非常に上品な佇まいは期待を上回る美しさで、
わざわざサンタ・ルチア駅前から再訪するだけの価値は十分あるといえるものでした。その上で、この広場でヴェネツィアらしさを特に体験できたのが、
水位が上がり水浸しになった広場の中心部で、建物のライトアップが反射して幻想的な雰囲気を醸し出すと同時に、
長靴等がないと歩くのに難儀してしまい、道端でビニールや長靴を売る現地人の逞しさも感じました(苦笑)。
以上、最後に再びリアルト橋の上から大運河の夜景(写真3枚目)を鑑賞してホテルに戻り、丸1日をヴェネツィアで過ごした6日目を終えたのでした。
ヴェネツィア滞在最終日となった7日目は、前日から一転して朝から晴天に恵まれ、
前日と同じくヴァポレットで大運河を下っていても、河岸の建物が青空の下でより輝いて見えました。
そんな輝きは、これで見納めとなるサン・マルコ広場の歴史的建築群も同様であり、
その周辺の眺めを含め、この3日間で最も素晴らしかったと心から思います。
その上で、最初に訪れたのは鐘楼。高さ96.8mの赤レンガ色で天を衝くように建つこの鐘楼は9世紀末~16世紀初にかけて建てられたとのことです。
1階からエレベータで鐘のあるフロアに上ると、その回廊から360°に開かれた景観は、
まさにヴェネツィア滞在の最終日に相応しい、これまで訪れてきた建物や歩いた街を一望できる珠玉のものでした。
その美しい街並みだけでなく北側の奥には本土の山々、
対岸のサン・ジョルジョ・マッジョーレ島やその奥に広がるヴェネツィア湾など、古代から綿々と続く水の都としての姿を網羅できる点で、必見の場所といえます。
さて、ヴェネツィア散策も残りあと少しといったところですが、記事の構成の都合から今回はここまでとします。
次回はヴェネツィアの旅行ダイジェストを終えると同時に、フランクフルトでの短期滞在にも言及する予定です。
ではでは。