おはようございます。
昨今の円安基調が海外旅行には厳しい、と日本のニュースではよく取り上げられているようですが、1週間近くヨーロッパに滞在していると正直慣れてきました。
確かに物価と円安で滞在費自体は上がっていますが、アメリカと比べると物価上昇はそれほどでもないため、弱者男性でもヨーロッパのカジュアルなお店くらいは過度な負担なく利用できるのが大きいと思います。
むしろ、観光名所の入場料より生活コストの上昇が顕著な現状を見ると、本当に大変なのは海外留学とか海外赴任の人だろうなあとつくづく感じる次第です。
いずれにせよ、旅行中に過度に節約するのも変なので、帰国までほどよくお金をかけようと思います(笑)。
「水の都」ヴェネツィア上陸
さて、本題のイタリア・スロベニア周遊旅行ダイジェストは5日目の午後にメストレ駅を出発したところから再開したいと思います。
メストレ駅から1駅・約10分の移動は、これまでと異なり内陸と島を結ぶ海に囲まれた線路を駆け抜け、
次第に近づくヴェネツィアの街に期待と興奮を抱きつつ、玄関口のサンタ・ルチア駅に到着。
写真2枚目の駅舎正面から出たその先に広がる、
大運河(キャナル・グランデ)と水上を走る大小の船、さらに対岸の風景は、まさに水の都を訪れる人々を迎えるに相応しいものでした。
そして私は、サンタ・ルチア駅から徒歩圏内のホテルにチェックインして荷物を整理すると、早速駅とスカルツォ橋(写真3枚目)近くの船着き場からヴェネツィアを代表する交通機関のヴァポレット(水上バス)に乗車します。
最初の乗船は、混雑を避けるため大運河とは逆に海側に出ていくルートを辿りましたが、
これはこれで穏やかな海の様子やフェリーターミナル(写真3枚目)、
さらに観光的にはややマイナーなジュデッカ島を沿岸に望むことができ、ガイドブックでは目にしない風景を楽しむことができました。
そしてこちらは海側から望むサン・マルコ広場(写真1枚目)とサンタ・マリア・デッラ・サルーテ教会(同2枚目)であり、誰もが知る人気の風景ですね。
この後は、ヴァポレットと徒歩を交えつつ市内の観光名所を巡ったのですが、以下は前回までと同じくダイジェストでご案内していきます。
【S.G.マッジョーレ教会】
サン・マルコ広場の対岸のサン・ジョルジョ・マッジョーレ島に建つ16世紀末着工の教会です。
ヴィチェンツァで取り上げたアンドレア・パッラーディオのヴェネツィアにおける代表作ですが、日本のマンガが好きな方には「ジョジョの奇妙な冒険」で主人公たちが船で訪れた場所として印象的かもしれませんね。
この教会は、ティントレットの祭壇画(写真4枚目)や建物自体も見応えがありますが、最大の魅力は対岸からも目立つ鐘楼に上って景観を楽しめる点です。
鐘楼からは、先ほど沿岸を眺めたジュデッカ島の全景(写真2枚目)や、
サンマルコ広場、サンタ・マリア・デッラ・サルーテ教会をはじめとするヴェネツィア本島の旧市街を、360°のパノラマで望むことができ、着いて早々にずっと見たかったヴェネツィアの全景を堪能してとても満足でした。
【サン・ザッカリア教会】
本島で最初に訪れた15世紀建築の教会です。
ヴェネツィアン・ルネッサンス様式のファサード(写真1枚目)と、素晴らしい絵画で埋め着くされた内部(同2枚目:ジョヴァンニ・ベッリーニ作「玉座の聖母と諸聖人」)の見応えは中々のものといえます。
続いてはお洒落な雰囲気のスキアヴォーニ河岸(写真1・3枚目)から路地(同2枚目)に入り、
【アルセナーレ】
ヴェネツィア共和国の海軍力を支えた造船所であり、今もイタリア海軍の現役の施設であるアルセナーレの外観を鑑賞します。
軍事施設のため内部の見学はできませんが、外観は軍人や軍の車両が映り込まない限りで撮影自由となっており、
かつての「アドリア海の女王」の栄華を支えた重厚かつ美しいファサードと時計塔からは、在りし日のヴェネツィア海軍の威容を感じた次第です。
入り組んだ路地とヴェネツィアの中心
この後も入り組んだ路地を地図とスマホを頼りにブラブラ歩きつつ、絵画館としても有名な同信組合の施設(写真3枚目右)の外観や、
小運河を進むゴンドラや小舟(写真2枚目)を眺めて、冒険気分で旧市街の中を散策。
複雑で時折道を間違いそうになりますが、それもヨーロッパの旧市街ならではの面白さといえます。
そしてメインではない北東の隅から、混雑をかいくぐりつつようやく辿り着いたのが、
【サン・マルコ広場】
ヴェネツィアの象徴ともいうべきこの広場です。
広場の1つ1つの建物が国宝級の価値を持っており、
その中核を成すサン・マルコ寺院は、9世紀の創建以来ヴェネツィアの人々の信仰の拠り所であり続け、
大運河に面するドゥカーレ宮殿は、ヴェネツィア共和国のあらゆる権力が集まる場所でした。
それ以外にも15世紀末に建てられた時計塔(写真1枚目)や新旧の政庁・ナポレオンの翼廊(同2・3枚目)など見どころは尽きることなく、まさにヴェネツィアを訪れた時には必須の訪問スポットといえるでしょう。
他にも1720年オープンの老舗カフェ「カフェ・フローリアン(写真1~3枚目)」にも惹かれるこの広場を一通り眺めたところで、再びヴァポレットに乗船。
【大運河とリアルト橋】
夕暮れ前の大運河をゆっくりと、河岸の華やかな邸宅・商館に注目しながら堪能します。
(写真3枚目:15世紀建築のダリオ宮)
そして木製のアカデミア橋(写真2枚目)をくぐり、半分ほど大運河の航路を進んだところで、
16世紀に建造され、長らく大運河に架かる唯一の橋だった石造りのリアルト橋の近くで下船しました。
橋としても、大運河を見下ろすスポットとしても人気のこの場所では、その趣ある景色を堪能した後に、
16世紀初めに建てられたドイツ商館を訪ね、中に入っている免税店で土産物を購入したり、
近くのセルフサービスのカフェテリアで、夕食にラザニアとカンノーリを賞味♪
こういったカジュアルな夕食も楽でよいものです。
以上、この後は小雨が降ってきたこともあり、観光はここまでにしてヴァポレットでサンタ・ルチア駅に戻り、5日目の旅程を終えたのでした。
共和国の権力の中枢
ヴェネツィア滞在2日目となる6日目は、朝早くに駅前からヴァポレットに乗って大運河を南下。
前日と同じく河岸の瀟洒な邸宅を眺めつつ、
運行の関係でリアルト橋の船着き場で下車し、時間に余裕があったので徒歩で路地を進みます。
そして午前から昼下がりにかけて、このサン・マルコ広場の歴史的建築群を順次、入場観光しました。
その中でまずはドゥカーレ宮殿に入場。
ヴェネツィア共和国の総督官邸にして司法・立法・行政の全ての機関が集まる権力の中枢だっただけに、内部はヴェネツィアの富を体現する豪華絢爛ぶりで、写真3枚目の黄金階段に始まり、
写真順に4階の元老院の間、3階の大評議の間をはじめ金箔を施した化粧漆喰と華麗な絵画が随所に見られ、圧巻の一言です(汗)。
他にも司法機関としての居室や、
他にも武器庫(写真1・2枚目)や併設された牢獄(同3・4枚目)など実用的な施設もあり、実に複合的かつ多彩な建物だと思った次第です。
この後もサン・マルコ広場界隈の散策は続きますが、時間の都合上今回はここまでとします。
ではでは。