おはようございます。

令和5年度もいよいよ今週で終わりますが、出向先は年度単位の人事異動がないので、過去2年と同じく新人を迎える部署とその担当以外は平常運転です。

 

とはいえ私も出向から2年半、年度単位では4月で4年度目に入る訳で、出向元で仕事をしていた時期がもう思い出せないくらいになりました(苦笑)。

 

とはいえ、別に転職してはいないので自分が出向元に復帰する時にどのようなポストに就くのか、また出向元が出向先での成果をどう評価するか気になるのは人間の性ですし、そこで裏切られた時は大きく意欲を削がれるでしょう。

 

若年層の転職や退職が取り沙汰される中、我が身を振り返るとミドル層のモチベーション向上も重要ですね。

 

 

  1月1日(月曜日) ミュンヘン②

 

さて、本題の年末年始のドイツ周遊旅行記は、元旦の午後のミュンヘン市内散策の途中から再開します。

 

レジデンツとバイエルン州立歌劇場が面するマックス・ヨーゼフ広場からさらに北上し、今度はいずれも街の主要な通りの五叉路となっているオデオン広場に到着。

 

この広場には、17世紀後半創建のクリーム色の外観が可愛らしいテアティナー教会(写真)や、

 

バイエルン軍の記念堂であるFeldherrnhalle、日本語でいうと「将軍堂」といった、メジャーな観光名所ではありませんが趣がある建物が面しています。

 

その中で私たちは、特に下調べもなくテアティナー教会に入場しましたが、

 

内部は外観と全く異なる水漆喰で塗られた白一色の荘厳な雰囲気で、この内外のコントラストに加え、

 

 

祭壇やチャペルの細やかな装飾も相まって、思いの外見ごたえのある教会でした。

 

 

 

さらにこの後は、マリエン広場に戻る道すがら、通りに面した美しい近代建築を眺めて過ごし、バイエルンの王都は伊達じゃないと思いつつ、

 

先ほどはちょうどミサの最中だったため、拝観を後回しにしたフラウエン教会に入場します。

 

この日訪れたこれまでの教会と比べると、過度な装飾がなくシンプルながら神秘的な白い列柱が並ぶ聖堂内は、観光名所でありながらミュンヘンの人々の心の拠り所としての親しみやすさも感じられ、

 

 

どこか癒される穏やかな印象を受けました。

 

また、2列に並んだ22本の白い柱は、遠目には窓が見えない壁のような錯覚を覚え、この教会に忍び込んだ悪魔が窓の存在に気付かなかったという故事があるそうです。

 

 

そんな興味深い建築技法も取り入れた、2つの丸屋根の塔がシンボリックな教会を一通り見て回り、

 

 

 

再びマリエン広場に戻ると、その地下からUバーンに乗ってミュンヘン中央駅前のホテルに一時戻ります。

 

というか、普段だったらまだ3つのピナコテーク、レジデンツ、バイエルン州立歌劇場、ニンフェンブルク城と市内で行くところはいくらでもあるのですが、全部休みだとさすがに過ごしようがなくなります…(苦笑)。
 

そして夕食は、駅前のスタンドで購入したピザのカット2種類という、昼がマックだったのも相まって、自分がアメリカ人になったと錯覚しそうなラインナップです。

 

 

 

 

この後はホテルでしばらく休憩し、外が真っ暗になった頃合いを見て再び外出します。

 

Uバーンでカールスプラッツまで移動し、クリスマスから続く広場の中心のマーケット(写真4枚目)や、

 

白亜のカールス門(写真1枚目)、さらに門の先のノイハウザー通り(同2枚目)と日中と変わらない人出の中、煌びやかな風景を眺めるのはとても楽しく、

 

 

 

クリスマスの雰囲気も味わえたのはよい思い出です。

こうしたほのかな明かりがむしろムードある旧市街の中で、最大の見どころとなったのは、

 

やはり新市庁舎が面するマリエン広場でした。

 

 

 

新市庁舎と旧市庁舎(写真2枚目)を中心に、日中とはまた趣が異なる近代風の街並みはやはり格別で、

 

 

 

2024年初日の観光を締め括るに相応しいと思います。

こうして午前は移動、午後は新年の静かなミュンヘン市街を散策し、ホテルに帰ったのでした。

 

 

  1月2日(火曜日)
ミュンヘン②・ヴィース・シュパンガウ①

 

 

続く5日目は、日本人向け現地ツアーに参加するため早朝にホテルを出て、ミュンヘン中央駅で集合。

 

40人前後の大所帯に日本人の海外旅行の増加を実感しつつ、大型のツアーバスに乗車します。

 

 

そして、ミュンヘン市街及び郊外を走る間はまだ外も暗く、加えて早朝のため仮眠をとって過ごしたのですが、外が明るくなった頃には、

 

車窓にはドイツ最高峰ツークシュピッツェを遠方に望む田園風景が広がっていました。

 

 

 

標高は2,962mと富士山ほどではなく、また単独峰ではなく連峰の1つ(Zugspitze自体がドイツ語で「連峰」を意味しています。)のため際立った感はないものの、白く染まる連峰もまた美しく感じます

 

 

 

そんなアルペン街道、さらに途中からはロマンティック街道に入って単線の線路や小さな集落(写真1・2枚目)を眺めつつ約2時間半を過ごした後、

 

バイエルン南部のリゾート地であるシュタインガーデンのさらに片田舎のヴィース地区に到着します。

 

 

周りは見渡す限りの牧草地の小さな丘であるこの地に、駐車場や歩道が不自然に整備されている理由は、

 

丘の上に建つ落ち着いた雰囲気の教会にあり、この一見どこの田舎にもありそうな佇まいのヴィース教会が、

 

 

 

ユネスコの世界文化遺産にも登録されている、近世ドイツの教会建築の最高傑作の一つなのです。

 

そして、外観からはそんな歴史的・芸術的な遺産の印象は感じられない中、扉を開けて前室(写真4枚目)、さらにその先の扉の向こうに入ると、

 

眼前には、壮麗や優美という言葉では語り尽くせないほどに豪華絢爛かつ荘厳な世界が広がっていました。

 

 

 

18世紀半ば、地元の修道院がヨハン・バプティストとドミニクス・ツィンマーマンの2人の建築家に依頼して設計・建築させたこの教会は、ドイツどころか欧州随一のロココ様式の装飾として高く評価されています。

 

白亜の壁に天井画・壁面・祭壇とどこを見てもその煌びやかさに魅了されるこの作品は、作者たるツィンマーマンもその完成後、この教会を離れることなく近傍のすぐ近くに居を移して余生を過ごしほどだそうです。

 

 

そんな作者さえ惹かれた荘厳な教会ですが、中でも「天から降ってきた宝石」と最も高く評価されるのが、

 

天上の世界を精緻かつ壮麗に描いた天井画です。

沢山の天使が舞い、青空を背景とするこの作品は、

 

 

救世主を待つ空席の玉座(写真1枚目)と開かれる時を待つ天国への門(同2枚目)を両端に置き、

 

さらに中央には虹の玉座に復活したキリストとその下の大天使ミカエル

 

 

 

さらに天国の門の鍵を持つ聖ペテロ(写真2枚目中央下)ら聖書の主要な存在で彩られていました。

 

そんな首を痛めるまでずっと見上げていたくなる壮麗な天井画のほか、この教会のハイライトといえば、

 

その中央奥に設けられた豪華な祭壇が挙げられます。

白亜の中でも殊更に金や赤・青など極彩色の装飾が目を惹くこの祭壇は、

 

キリストの血を赤・天の恵みを青で示すもので、

 

 

 

チャペル(写真3枚目)やパイプオルガン(同4枚目)と比べても、特に作者たるヨハン・バプティストとドミニクス・ツィンマーマンの拘りが見て取れました。

 

 

また、祭壇の細部に着目するとキリストの犠牲と神性を現す最上段の子羊(写真1枚目中央上)、イルカに乗った少年像(同2枚目)、奇跡のキリスト像(同3枚目)など随所に聖書の一節を体現しています。

 

 

そんな豪華絢爛さと神聖さを併せ持つ聖堂は、交通アクセスが良くないにもかかわらず、観光シーズンには多くの参拝客が押し寄せるほどで、

 

近世ヨーロッパのロココ建築の傑作として世界文化遺産に登録され、上述の周辺に広がる牧草地や落ち着いた外観とのコントラストもあって、ロマンティック街道界隈の定番の観光地としてとても人気です。

 

 

私もぜひ一度、生で見てみたい教会だったので、この機にツアーで立ち寄ることができてよい思い出になりました。

 

 

 

この後は、再びバスに乗ること約30分、ロマンティック街道の終着点の街・フュッセンのさらに郊外の小さな集落であるシュパンガウに向かいますが、

 

集落に入る手前の牧草地の向こうの山々の間に、何やら白亜の立派な建物が見えてきます。

 

 

このどこかの兵庫県姫路市で約7年前に見た(笑)のとよく似ている建物こそ、このツアーの最大のハイライトであり、日本でもドイツを代表する観光名所として有名な、

 

 

白鳥城」ことノイシュバンシュタイン城です。

バスを麓の街で降りると、そこからもノイシュバンシュタイン城がよく見えるのは勿論、

 

 

ノイシュバンシュタイン城と同じくバイエルン王家所縁の名城・ホーエンシュパンガウ城も丘の上に望むことができ、まさに城下町の様相です。

 

 

このシュパンガウでは、ツアーバスを降りた後にトイレ休憩を挟み、ノイシュバンシュタイン城に向かう馬車(写真2枚目)ではなく

 

 

 

専用のシャトルバス(写真1枚目)に乗車。

終点のお城の前に直行するのではなく、途中の三叉路で下車(写真3枚目)して少し寄り道します。

 

そして、ツアーガイドに案内されて整備された山中の歩道を少し上った先には、

 

 

渡った先は間もなくオーストリアというマリエン橋が谷に架かっており、その北側には、

 

誰もが知る、自然の中に優雅に佇むノイシュバンシュタイン城の光景が広がっていたのです。

 

 

そんなノイシュバンシュタイン城の歴史と魅力は、様々なアングルからの眺望と併せて、次回ゆっくりと紹介することとして、今回はここまでとさせていただきます。

ではでは。