おはようございます。
先週金曜日、JR北陸新幹線が元旦の能登半島地震をものともせず、金沢~敦賀間の延伸が実現しました。
この後の京都・大阪に至る全線開通にはまだまだ問題が多そうですが、まずはこの機に首都圏在住のより多くの方に福井を知ってもらい、来てもらえれば何よりです。
逆に、関西方面からは敦賀で特急サンダーバードから乗換必須となる点で若干、手間が生じ今後の距離感が危ぶまれるところですが、この点は長年の福井と関西の繋がりを活かした対策が望まれます。
あと、旧JR北陸本線の福井県区間を引き受ける第三セクター「ハピラインふくい」にもぜひ頑張ってほしいです。
見どころのない季節外れの富良野
さて、本題の今週末の北海道(道央)旅行は、いつもどおり午前5時には自宅の最寄駅を出発し、午前6時15分頃に羽田空港(写真1枚目)に到着します。
そして、優先レーン(同2枚目)でスムーズに手荷物検査を通過すると
今回は久しぶりにサクララウンジに入り、待機中の飛行機(写真4枚目)を眺めつつ、搭乗開始までの時間をゆっくりと過ごしました。
この後、ほぼ定刻で搭乗が始まり、1時間30分を少し超える程度の空の旅を経て、約2年半ぶりに旭川空港に到着します。
前回は、道北旅行の帰りだったので往路としての利用は今回が初めてですが、こじんまりとした空港なので、
1階から3階まで、公開スペースをすぐに一通り巡ることができ、その際、
朝はお店が全く営業しておらずガラガラのフードコートを見て、せめてチェーンの喫茶店くらい入っていれば朝も利活用の頻度も変わってくるのにと感じました。
そして、思ったより混雑していたふらのバスの「ラベンダー号(写真1枚目)」に乗って約1時間15分、この区間は美瑛町・富良野市を含む風光明媚なエリアとして有名ですが、
一面の見渡す限り雪が積もった風景は、パッチワークやラベンダーのようなカラフルさとは最も無縁な単色の世界であり、花の見どころの時期以外に富良野・美瑛には行くべきじゃないと当然の感想を抱いた次第です(汗)。
途中、この後に乗るJR富良野線の線路(写真1枚目)や各自治体の広告(同2枚目)などに時折目線を移し、
正午前にはJR富良野駅前のロータリーで下車。
約25年ぶりに見た富良野駅の駅舎(写真2・3枚目)は、御年50歳らしくボロさ、もとい昭和の名残を感じる一方で、自分の記憶にはほとんど残っていませんでした。
「愛される」とわざわざ駅名に付けている点は、事実というより願望だよなと適当にスルーしつつ(苦笑)、
晴れてこそいるものの、道路の脇に積もる雪が北国らしい駅前の大通りを真っすぐ歩いていきます。
ただ、富良野では時間の都合上、ランチを食べるだけと初めから決めていたので、
一見すると、怪しげな佇まいの木組みの建物が目を惹く人気カレー店「唯我独尊」に直行。
2024グルメ記事 #21
今年で50周年を迎える1974年開店のこのカレー店は、北海道産の食材をふんだんに使ったご当地グルメの「富良野カレー」の礎を築いたことで知られ、
この日も待合所こそ人はいませんでしたが、駐車場の車内に入店待ちのお客さんが5組ほどいました。
そして、暖房もない待合所で30分弱を過ごしてから、
手狭で雑多な雰囲気ながら、どこか味わいのある店内に案内されます。メニュー(写真3枚目)は若干のアラカルトとドリンクを覗きほぼカレーというのは、強気さと拘りの両方を感じたところで、
今回は定番の自家製ソーセージ付カレーをいただきました♪
カットされた大きなソーセージにコーン、ポテトというシンプルな組合せに、欧風カレーソースがよく合うそつのない美味しさは、半世紀に至って地元だけでなく観光客に愛されるのも納得のレベルです。
値段は1,290円と観光地&知名度込みである点は否定できないものの、富良野のご当地の味を予約なし(予約不可)で気軽に訪れられる点で魅力的だと思います。
富良野から札幌に至る鉄道の旅
ランチ後は、駅前の土産物店(写真2枚目)を覗いて、冬には銀世界に埋まるラベンダーの風情を感じたり、駅舎の前の駅名標(写真4枚目)を見て実感を潰します。
そしてこのJR富良野駅は、これから乗るJR富良野線の終点駅であると同時に、北海道滝川市の滝川駅から北海道根室市の根室駅までを結ぶ長大なJR根室本線も走り、三方向に鉄路が伸びる古くからの交通の要衝です。
ただ、JR根室本線の富良野以南の区間(富良野~新得間)は2022年度の営業係数がJR北海道管内最悪の2,786であり、しかも2016年8月の台風10号で被災して以降、現在も新得~東鹿越間が運休し代行バスが走る状況が続き、
そんな経営不振・長期運休に加えて1日5本の運行(写真1枚目)という実用性の低さから、今月末には富良野~新得間の廃線が決まっています。
そのため、駅前や土産物店では根室本線のメモリアルグッズが販売されたり(同2・3枚目)、JR北海道も3月30日・31日には臨時の特急列車(同4枚目赤字)を走らせる粋な計らいを計画しているところで、
駅舎内の電光掲示板の1900年からの124年の歴史への感謝を感じる表示にも、目が惹かれました。
この後、駅の改札を通過してホームに入ると、「北海道のへそ」を自称する富良野のモニュメント(写真3枚目)やラベンダーの街のPR、
さらには廃線予定区間の沿線風景のポスターなどを見ることができ、一般の観光客だけでなく富良野~新得間の最後を見送ろうとする鉄道ファン仕様にもなっています。
加えて、ホームに根室本線の乗降車の整理コーン(写真2枚目)が設けられている点には、相続目当ての遺族のように廃線の間際にだけ押し寄せる鉄道ファンの多さがよりリアルに感じられたところです(苦笑)。
そんな中、私が乗ったのは新型車両ながら列を成さない鉄の箱のJR富良野線(写真3・4枚目)。
(Kawasemi556 - 地図: 投稿者自身による著作物使用データ: 国土交通省 国土数値情報(行政区域(N03)・鉄道(N02)・湖沼(W09)), CC 表示-継承 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=129281913による)
北海道旭川市の旭川駅と富良野市の富良野駅を結ぶ、路線距離54.8 km・計18駅のJR北海道管内ではかなり短い方のこの路線は、旭川や美瑛、富良野という有名観光地を沿線に持つ北海道を代表する観光路線である一方、
近年は周辺地域が旭川のベッドタウンとして発展しており、旭川方面への通勤・通学路線としての一面も持ち合わせているローカル線です。
とはいえ、ラベンダー畑もパッチワークに彩られた丘もことごとく雪に埋まる冬の利用客は寂しいもので、富良野駅を出た時点ではほどよい空き具合となっており、年間の営業係数は483と経営のプラスにはなっていません…。
まあ、駅から観光地が近い好立地のため観光シーズンには活躍することから、赤字ながら直ちに廃線の可能性は低い路線だと思います(適当)。
ちなみに、途中の千代ヶ岡駅(旭川市)は旭川空港の最寄駅ではあるのですが、空港から約4kmの距離にあるので空港の利用客はまず使わなさそうですね(苦笑)。
そして富良野駅から約1時間15分、旭川市内に入ってからは地元民の利用で車内が混雑する中、約2年半前の道北旅行以来となる旭川駅に到着しました。
まあ、約2年半ぶりとはいえ大きな駅舎とイオンモール直結の利便性の高さも、駅周辺に観光すべきスポットが何もない点も何ら変わることはなく、
駅舎内のアート作品(写真1枚目)を眺めたり、イオンモールのスーパーで飲料を購入したりしてから、札幌方面に向かう特急カムイ(同3・4枚目)に乗車します。
(Kawasemi556 - 地図: 投稿者自身による著作物使用データ: 国土交通省 国土数値情報(行政区域(N03)・鉄道(N02)・湖沼(W09)), CC 表示-継承 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=129280754による)
特急カムイの走るJR函館本線は、北海道函館市の函館駅から長万部・小樽・札幌を経由して旭川市の旭川駅に至る、道内の上位3都市を結ぶJR北海道の中核路線です。
中でも、今回走った旭川~札幌間は通勤・観光の両方で道内屈指の集客力を誇り、特急の車内もそれなりに混雑していたように思います。
ただ、そんな中核路線でも単体で黒字を計上できておらず、支線を含めて458.4km・計90駅の長大路線ということもあり、一部区間は深刻な不振となっています。
具体的には、通称「山線」と呼ばれる長万部~小樽間の営業係数は817と芳しくなく、さらにJR北海道新幹線の開業後には並行在来線として当該区間を廃線予定です。
第三セクター化ではなくいきなりの廃線、というのは沿線の旅客需要の低さと自治体の財政力の弱さが背景にありますが、厳しい北海道の鉄道事情が窺えます。
以上、そんなJR北海道の先行きの暗さを中核路線からさえも感じつつ、約1時間半かけて札幌駅に到着。
まずは混雑する前に早めの夕食を取ろうと思い、駅ビル内の商業施設のステラプレイスの6階レストラン街に入っている「十勝豚丼 いっぴん」に入りました。
2024グルメ記事 #22