おはようございます。

今週、出向先から昨年の源泉徴収票が配布されたので早々に確定申告を済ませたのですが、e-Taxはマイナポータルとの連携も充実し年々便利になっています。

 

これがどうして国の他のシステムでできないのか不思議に思う一方で、作成途中に所得税と住民税の合計額が社会保険料とほぼ同額なのを改めて見ると、減税より社会保険料の負担減が優先という政策的主張も納得です(汗)。

 

とはいえ、私と近い年代やもう少し年上で現役世代に大病を患う事例はまま見かけるので、安易な引下げや利用実績に応じた保険料設定も危険な考えだと感じます。

 

その一方で、メタボなど自ら不健康な生活をしている人の保険料は高めでもいい気がする今日この頃です。

 

 

  8月24日(木曜日) サマルカンド⑤

 

さて、年を挟んでのウズベキスタン旅行記は、サマルカンドシャーヒ・ズィンダ廟群から再開します。

 

 

「天国への階段」を上った先に広がるこの青の世界、手前には左右にともに14世紀後半に建てられた霊廟が見られ、こちらは外観は壮麗な一方、

 

 

 

内部は向かって右のトゥグル・テキン廟、左のアミールゾダ廟ともに大変質素でした。これらは、いずれもティムールの部下の将軍の縁者を弔ったものとのことです。

 

 

それに対し、次の左右の霊廟については、

 

 

向かって右側に建つ、ティムールの妹を祀ったとされているシリンベク・アカ廟

 

 

さらに左側は廟群で最も美しいとされる、ティムールに愛された姪を祀るシャーディムルク・アカ廟といずれもティムールの血縁の女性の廟だそうです。

 

当然といえば当然ですが、ティムールも身内に対する霊廟には装飾を惜しまず、かつそれぞれ特色あるデザインを用いているのは微笑ましく感じました。

 

 

 

一方、外観を見ても、ムカルナス(写真1・2枚目)や壁面の青タイルが、それぞれ形状や絵柄が異なって大変素晴らしく、入って早々に感嘆続きでした。

 

この先は、左右を見ていると青タイルで装飾された廟とそうでない廟が見られ(同4枚目)、

 

 

後世破損したものを含め、当然ながら全ての廟が青タイルで彩られている訳ではないんだなと思いつつ、

 

 

次は誰のものか不明の八角形の廟を拝観。

 

質素なドームの内側(写真1枚目)やタイルが剥がれた墓標(同2枚目)を見ると、少なくともティムールの縁者ではないだろうなと推察します。

 

 

続いては、これまでと比べて開けた大通りに入り、

 

 

 

右手には小さな墓らしき遺構、左手には大きな廟を2つ見ることができます。これらは、ツアーガイドもあまり詳しく解説することはなく、さっさと進みますが、

 

 

左手手前の埋葬者が不明な廟も内部が壮麗で、おそらく高貴な方が祀られていたんだろうと想像した次第です。

 

 

 

また、よく「青の世界」と称えられるこの廟群は、右手の葬儀用モスク(写真2枚目)など順路の中盤には土色の建物が珍しくないものの、その中でも随所に見られる土色を背にした青タイルの装飾(同4枚目)は趣がありますし、

 

葬儀用モスクを過ぎた頃には再び、壮麗な青で染められた世界に戻ることができます。

 

そして、ここまで触れた廟群は14・15世紀にかけてティムールとその子孫によって整備されたものですが、

 

 

 

葬儀用モスクの隣に建つ、これまでと比べて内部がやや質素なクサム・イブン・アッバース廟は、11世紀創設のあのモンゴル帝国の来襲時の破壊からも免れた貴重な歴史的遺産なのです。

 

そのため、廊下や礼拝所は所謂「サマルカンド・ブルー」ではなく、他国でも見られるシンプルな造りの一方で、

 

中央の「巡礼者の部屋」は、さすがムハンマドの従兄であるクサム・イブン・アッバースを祀るだけのことはあり、色鮮天井部・壁の上部・下部がそれぞれ異なる意匠で彩られた青の空間は非常に神秘的で素晴らしかったです。

 

 

ちなみに、クサム・イブン・アッバースの墓石は透かし彫りの格子越し(写真3枚目)に見ることができます。

 

まあ、あんまりはっきり示されていないので、スルーする観光客が多かったのはさておきですが…(汗)。

 

 

11~15世紀にかけて整備されたこの廟には、重厚な木彫りの門を持つ伝統的な瞑想の部屋(写真2枚目)もあり、この廟群の名称の由来となっただけのことはありました。

 

 

この後、さらに奥に進むと廟群の終着点に到着

 

この一帯は天国への階段を上ってすぐのスポットとともに、シャーヒ・ズィンダ廟群の「青の世界」らしさを象徴する場所として近年知名度が高まり、

 

14世紀後半~15世紀初にティムールが建てた3つの廟の青タイルが大変壮麗なことから、雲一つない青空とともに心惹かれる空間でした。

 

 

また、これまで歩いてきたアーチ側(写真1・2枚目)の眺めも、こちらは一面青の世界とまではいえないものの、美しい光景というのは間違いないです。

 

この3つは、向かって右手(同3枚目)がティムールの妻クトゥルグ・アカのものとの説がある無名の廟

 

 

左手がティムールの妻の1人を祀るトゥマン・アカ廟、そして中央がフッジャ・アフマッド廟であり、この廟群で2番目に古いフッジャ・アフマッド廟の様式が、以降に設けられた他の廟の原型になったと言われています。

 

 

 

なお、この3つの廟は外観の壮麗さに対して、内部はそこまで豪華絢爛でもないので、そこに期待し過ぎると若干肩透かしを喰うかもしれません。

 

とはいえ、ここまでの廟群が壮麗過ぎただけで、天井や壁の装飾が残る部分は十分壮麗なんですけどね…(汗)。

 

 

 

この後のフリータイムは、中に入っていなかった廟の中を覗きがてら来た道を戻ったのですが、

 

 

 

外観はともかく、内部の装飾が控え目な廟がほとんどで、ガイドさんがかなり見どころを絞って案内してくれていたことに、改めて気付かされた次第です。

 

 

そして天国への階段を降りて地獄、ではなく現世に降り立つと、ウルグ・ベクが建てた入口(ダルヴァザハナ)を、内側(写真3枚目)から、

 

また外観(写真1枚目)から各々じっくり眺めて、最後にその手前の16世紀の浴場(同2枚目)も遠目に鑑賞してから、鮮やかな青の霊廟群を後にしたのでした。

 

この後は、ホテルに戻る途中に街中のレストランに入り、

 

 

夕食に定番のサラダと少々油っこいスープ

 

メインにトルコ料理のキョフテみたいなお肉(写真1枚目)をいただきました。

この辺は、デザートのパイ菓子(同2枚目)が甘すぎるのを含め、イスラム圏共通の食文化を感じます。

 

 

 

こうして日中の観光を終えた後は、ホテルで少し休憩してから夜のサマルカンドの街巡りに出発。

 

体感的な治安は、軍や警察を道すがらよく見かける(彼らを写真に収めないよう注意!)のと、大通り沿いなのもあってとてもよく、さらに夜は20℃台半ばまで気温が下がって涼しいので散歩には最適の印象です。

 

独裁又は政治的統制が強い国は、悪徳公務員とスリに注意すれば安心して旅できるのが魅力だと感じつつ、

 

 

まずは前日・この日と車窓から眺めたティムール像を間近でじっくり、様々な角度で見てみます。

 

この点、今も像の前には綺麗な花(写真3枚目)が添えられている点に、サマルカンドの人々がいかにティムールを誇りに思っているかがよく現れていました。

 

 

続いて、人の気配が少ないものの嫌な雰囲気のない公園(写真1枚目)を抜けて、

 

朝に訪れたグリ・アミールのライトアップを鑑賞。

イスラムの凹凸を活かしたシンメトリックの装飾は、光でより鮮明になるとより美しく、

 

特に正門の天井のムカルナス(写真)は、その幾何学的かつ複雑な意匠に思わず魅入られるほどです。

 

 

また、このグリ・アミールに隣接する公園では、時折カラフルにライトアップされる噴水(写真1枚目)や、こちらも朝に車窓から眺めたルハバット廟を見て、日中の落ち着いた佇まいとの差異を感じるのもまた一興といえます。

 

そして、旧市街の中心を走るレギスタン通りを進み、遠くからも音楽が聞こえる中、

 

 

サマルカンドの象徴であるレギスタン広場を再訪。

前日の夜は、カラフルなライトアップの終わり際をちらっと眺めるだけでしたが、

 

 

この日は、イスラムの文様装飾やウズベキスタンの歴史・文化をテーマとする、音楽を乗せたプロジェクションマッピングのショーをじっくり鑑賞できました♪

 

正直、内容は理解できたのは部分的でしたが(苦笑)、

 

 

 

古くからシルクロードの中継地点として、東西文化の交流の中で大きく発展し、

 

 

今も将来に向かって前向きに進む意志が強く感じられる点において、後ろ向きな話題ばかりに目が行きがちなわが国との違いがよく現れているように思えます。

 

ちなみに、終盤の「ウズベキスタン」を世界各国の言語で表現したところに、しっかり日本語(写真2枚目)も出ていたのには少しほっこりしました(笑)。

 

 

そんなプロジェクションマッピングのショーも、最後に一層華やかな音楽とムービーで締め括ると、

 

 

まるでクールダウンするかのように、しばらく3つのメドレセを異なる色のライトアップで彩ったのを経て、

 

 

昨日も見た、シンプルなライトアップとなります。

そもそも3つのメドレセとそのシンメトリックな空間自体がとても素晴らしいので、何をやっても美しく映えることは間違いないものの、

 

 

ゆっくり眺めるにはこちらの方が落ち着きますね。

 

例えるなら、橋本環奈さんや浜辺美波さんは何をやってもお綺麗ですが、ドラマや映画ではなく普段のカットの方が長く見て癒されるのと同じ感じでしょうか(笑)。

…そんな適当過ぎる感想はさておき、

 

レギスタン広場のショーとライトアップを堪能した後は、隣の公園に建つイスラム・カリモフ像を鑑賞。

 

 

レギスタン広場に向かって悠然と佇むその姿は、ソ連崩壊に伴う独立後、初代大統領として25年に渡って混乱期を乗り切った強力なリーダー像を体現しているようです。

 

カリモフ前大統領については、在任中の独裁や一部の行政機構の腐敗が批判されてきましたが、今もこうして彼の像が古都の中心に建っていることが国民の評価であり、それに他国があれこれ言うことではありません。

 

むしろ、世襲政治を行うことなく、急死とはいえ今の融和路線のミルジヨエフ大統領に円滑にバトンタッチできたことは、高く評価すべきように思えます。

 

さて、夜のサマルカンドの街巡りはもう少し続きますが、記事の容量の都合上、今回はここまでとします。

 

次回は夜のサマルカンドの街巡りを終えた後、実質的な旅の最終日の5日目、サマルカンドからタシケントに舞台を移して、首都の見どころを紹介する予定です。

ではでは。