こんばんは。

先週末、中日ドラゴンズが前巨人の中田翔選手の獲得を決めましたが、中日の野手に決定的に欠ける勝負強さと「勝ち」の経験という面では良い補強だと思います。

 

一方で、同じ一塁を守るダヤン・ビシエド選手との併用方針や中田選手の気の強い性格を気にするファンも少なくないようで、同じくクセのある中島宏之選手と併せて、ベンチの空気がどう変わるかが興味深いです。

 

まあ、2年連続最下位で失うものは何もない訳ですし、今までどおりの方針・メンバーでも不振が続くだけなので、どんな形でも変化は必要だと思います。

 

それに、今年の移籍組の成績を見ても、生え抜きの中堅の開花に期待するより期待できるのは確かですからね…。

 

 

【京都北部で唯一の国宝建築】

 

 

さて、本題の先週末の岐阜・京都旅行は2日目(日曜日)、朝食を済ませた後にホテルをチェックアウトし、綾部駅前から地方交通の「あやバス」に乗車します。
 

このバスは、鉄道路線がJR山陰本線のみと貧弱な綾部市にあって、綾部駅南口をハブに市内の各所に向かう複数路線を運行しており、

 

 

私が乗った上林線は、綾部市街から隣の山家駅を経由して北東の田園・山間部に向かっていきました。

 

 

 

約35分後、ターミナルといっても店舗もない大町バスターミナル(写真1・2枚目)でミニバスの於見市野瀬線に乗り換えて、保養・娯楽施設のあやべ温泉(同3・4枚目)にて下車します。

 

この後は、約40分近く小雨が降る中で山道を進み、

 

 

最近話題のクマが出没しそうな中、実際には生き物を全く見ることもなく、

 

山中に建つ朱塗りが鮮やかな楼門(写真2枚目)の前に、息を切らしながらようやく到着しました。

 

この観光客が訪れることもなさそうな標高582mの君尾山の山腹には、寺伝では599年にあの聖徳太子が開創したとされる古刹・光明寺の境内が広がり、

 

この二王門は、鎌倉時代の13世紀半ばに再建されたものが現存しています。

 

歴史的には役小角の修業場、真言密教の道場としての中興を経て平安中期~室町期において丹波の有力寺院として隆盛を迎えた後、16世紀の大火や江戸時代の山上の23坊の焼失などで寺勢が衰退

 

そのため、二王門以外は江戸時代以降の再建と歴史的に見るべきものは少ないものの、

 

 

この二王門は、上下二層に屋根を持つ格式が高い二重門中国・宋代の建築様式(木鼻)、さらにこの地で盛んだった二王信仰を示す手前を板の間を取り入れることで、日本・宋・土着の文化が巧みに融合しているのが興味深いです。

 

加えて、門と同じく鮮やかな赤が見事な二王像(金剛力士像)も威厳があり、重要文化財らしさ満点でした。

 

 

この時、ランチに駅弁の「厚切り黒豚角煮めし」を食べたのですが、小雨が降っていたので国宝の門で雨宿りしながらいただくという、ある意味贅沢な体験をしたのは今となってはよい思い出です。

 

なお、もちろん雨宿りの御礼に二王様に賽銭を奉納するのは忘れませんでしたよ(言い訳)。

 

 

【日本三景に向かう和の特急】

 

 

この後は、紅葉の終わり際がまた綺麗なショートカットの山道を下り(苦笑)、

 

 

 

さらに耕作放棄地が広がる田舎道を通って、全く大きくもなければターミナル感もない大町バスターミナルに約1時間かけてやっとのことで到着します。

 

そして、朝以来の綾部駅に戻ってきたのは午後1時半

この後は、9月に舞鶴から京都に戻った時に使った割と古い車両が多い特急はしだてに乗る予定でしたが、

 

 

幸運にもやって来たのは、有名工業デザイナーの水戸岡鋭治さんが手掛けた「丹後の海」号だったのです。

 

2015年に旧特急車両を改装して誕生したこの列車は、外装と座席は「海の京都」の藍

(注:京都の海は琵琶湖だろ、と言ってはいけません

 

 

内側は天然の木を可能な範囲で利用した趣ある造りで、

 

 

壁面に掛かる小さな絵(写真2枚目)もまた素敵でした。

そんな特急はしだては、その名のとおり、

 

車窓から再建した天守が見える旧城下町の福知山から、そのまま京都丹後鉄道に入り天橋立を目指します。

 

(ButuCC - 投稿者自身による著作物, CC 表示-継承 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=39086536による)

 

ここで京都丹後鉄道について少し紹介すると、その名のとおり京都市北部の丹後地方において、細々とローカル線を運行する民間の鉄道会社です。

 

前身は旧国鉄の宮津線(西舞鶴~豊岡)と旧鉄建公団の遺産の宮福線(福知山~宮津)という、この時点で終わっている感が満載の会社(失礼)ですが、

 

 

現在は旧丹後国以来の丹後地方の中心であり、譜代大名が歴代治めた宮津藩の藩庁が置かれた宮津を中心に、終点の頭文字を取り宮福線・宮舞線・宮豊線(=【福】知山・西【舞】鶴・【豊】岡)の3路線を運行しています。

 

そして、この路線はかつて京都府及び沿線各市町村の出資による第三セクター「北近畿タンゴ鉄道」が1988年から運行していましたが、2009年には全国の三セク鉄道の中で最大の累積赤字額を抱える低迷ぶりでした。

 

まあ、丹後はともかく何の関係もない音楽のタンゴと引っ掛ける時点で、失敗は約束されていましたね(笑)。

 

そんな状況を打開するため、北近畿タンゴ鉄道は大手旅行会社であり長距離バスなど交通事業も営むWILLER社に鉄道運行事業を譲渡し、自らはインフラ施設の保有のみを行う上下分離運営という思い切った手に出ます。

 

京都府や沿線各市が追加出資したところで焼け石に水としか思えない中では致し方なしでしょうが、この結果、30年弱で北近畿タンゴ鉄道の鉄道運行は終わりました

 

その後、鉄道運行を引き継いだWILLERは、新たな子会社としてWILLER TRAINSを立ち上げ、2015年から路線名を新たに京都丹後鉄道と改称しました。

 

 

 

京都丹後鉄道となって以降は、上述の「丹後の海」のほか塗装や設備を更新した乗って楽しい列車(写真1・2枚目)の運行や、人気アニメとのコラボ(同3・4枚目)、沿線交通との連携事業などを積極的に展開。

 

特にMaaS関連では、スマホからのQRコード決済やVISAのタッチ決済にも対応した乗降車など先進的な取組が多く見られており、実際の収支はともかく(苦笑)、上下分離したことが大きな変革をもたらしたといえます。

 

それ以上に、個人的にはよくWILLERはこの採算の取れない路線を引き受けたのが正直な感想ですね。

 

なお、WILLERから路線・設備利用料を受け取ることで細々と事業を続ける北近畿タンゴ鉄道の直近の2022年度決算は3,275万円の赤字だったそうです(苦笑)。

 

 

そんな上下分離されたローカル線の宮福線では、北丹波と丹後の間の山間部をトンネルを出入りしつつ進み、途中では酒吞童子の伝説で有名な大江山を遠方に望みました。

 

ちなみに、駅メモ巡り的には1971年に運行休止したローカル線の北丹鉄道が何故か廃線として攻略対象のため、忘れずにこの宮福線からゲットしないといけません。

 

福知山駅~河守駅の路線距離12.4km・8駅で福知山市内のみを走る小さな路線ですが、かつては銅・クロムの生産で栄えた河守鉱山の貨物輸送で栄えたそうです。

 

その後、1969年に河守鉱山が閉山したことで収支の見通しが立たなくなって最終的に廃線に至りました。

 

 

なお当時、国鉄路線は宮津~河守間(宮守線)しか運行しておらず、このままだと福知山~宮津間の鉄道が断絶してしまうとして国鉄末期には福知山~河守(大江)間の路線を新たに整備するという暴挙(汗)に出ています。

 

その暴挙の果てが今の宮福線であり、どんな赤字路線も許された時代の最後の名残といえるかもしれませんね。

 

 

そして鉄道は、駅前からは全く城下町に見えない宮津駅(写真1枚目)に着いたところで進行方向を逆にし、ここまでの山から海(同2枚目)に景色を変えつつ

 

 

ようやく目的地の天橋立駅に到着しました。

ちなみにこの駅舎、2015年に白砂青松をデザインコンセプトにリニューアルされたためとても綺麗で、

 

 

日本三景の玄関口に相応しく、ゆっくり過ごせる観光名所らしい佇まいとなっています。

 

 

【天橋立散策はティータイムから】

 

 

そしてまずは、天橋立を望む老舗旅館が手掛けた人気カフェ「Café et Patisserie Genmyoan」を、スイーツ分補給のため訪れました。

2023スイーツ記事 #104

 

駅から徒歩3分と好立地にあるこのカフェは、外観が普通の一軒家にどことなく和を感じる佇まい、

 

内装については手前のショップ(写真1枚目)とカフェ(同2枚目)とも木のぬくもりが感じられる洋風の癒しのあるデザインとなっていました。

 

 

 

そして、このカフェでは丹後産の食材をふんだんに使った焼き菓子(写真2枚目)などのスイーツ、さらにサンドイッチなど軽食のパン類も豊富に楽しめるのが好評で、

 

今回はフランス産クリームチーズを使ったチーズケーキアイスコーヒーを付けていただきました。

 

和の彩が素敵なプレートに乗ったケーキは、滑らかな食感と濃厚なチーズの味わいが上質で、ドリンク込みで1,000円余りというお値段は、観光地としてのブランドや立地を勘案するとお得に感じられます。

 

 

そんなゆったりティータイムを過ごした後は、土産物屋や飲食店が並ぶ通り(写真2枚目)を進み、

 

いよいよ日本三景の一つ・天橋立散策に臨む訳ですが、記事の構成の都合上、今回はここまでとします。

 

次回は陸と空のそれぞれから天橋立を堪能してから、京都府の残る駅をゲットしつつ帰路に就く模様を紹介して、この旅行ダイジェストを締め括る予定です。

ではでは。