こんばんは。

昨日の記事で書き漏らしていたのですが、3連休の初日に特急リバティで会津田島まで一気に訪れたことで、栃木県だけでなく東武鉄道も実はコンプリートしていました。

 

1都4県の広大な路線網は総営業キロ数463.3kmと私鉄では関西の近鉄(近畿日本鉄道)に次ぐ全国第2位を誇る上、群馬では複雑に入り組むなどもあって、大手私鉄としては意外と馴染みが薄い路線が多いかもしれません。

 

私も生活圏が被らないのもあって、普段使いするのは毎月北千住にパンケーキを食べに東武伊勢崎線に乗るくらいかもしれません。

 

次は関西の大手私鉄を攻略していくことになりますが、首都圏と同じく手間がかかりそうです。

 

 

【蔵とラーメンの街を満喫】

 

さて、本題の3連休の旅は喜多方から再開し、この街の見どころといえば何といっても蔵巡りです。

 

古くから酒や味噌などの醸造業や漆器業で栄えた喜多方は、明治期の大火で蔵の耐火性が評価されたのと、蔵を持ってこそ一人前という風土から、近代以降も蔵造りの商家・民家・貯蔵庫が多く築かれた歴史を持っています。

 

 

 

こちらは駅の北東のおたづき蔵通りですが、現役の酒造やカフェ・展示館にリノベーションした施設で、

 

中でも1717年創業の小原酒造は、酵母にモーツァルトの楽曲を聞かせて発酵させた音楽酒「蔵粋」で有名です。

酵母がどう変化するのかは知りませんが(苦笑)。

 

 

一方で、以前は食堂&バルとして営業していた古い店蔵(写真1枚目)が閉店しているなど、地方都市としての厳しさも随所に感じられ、こうした蔵を保存すること自体も大変だろうと思いました。

 

 

続いて、おたづき蔵通りから西に向かい、やはり古い蔵造りの建物が並ぶ通りに入ると、その一角に、

 

 

とりわけ門扉や2階の窓が立派な蔵座敷兼店蔵が見えてきますが、こちらは大正期に7年以上かけて整備され、現在は修復工事中の旧甲斐家蔵住宅です。

 

黒漆喰の外壁や高級木材を随所に用いるなど、建物としても歴史的価値が高いそうなので、内部を見られなかった点は残念ですが、外観だけでも他の蔵とは格別でした。

 

 

 

次に、古い酒造(写真1・2枚目)を北端とする街のメインロード「ふれあい通り」に入ると、

 

 

こちらも蔵造りが並ぶ街並みの中、この土日は昭和レトロを楽しむ「喜多方レトロ横丁」が開催され、七夕の短冊がかかった竹や多くの出店で賑わっていました。

 

 

 

店蔵と笹の組合せは、これはこれで趣がありますし、

 

 

 

蔵巡りという目的を忘れて、パチンコ台や学校の机・椅子など懐かしい品々を純粋に楽しめたので、このイベントにかち合ったのは幸運です。

 

 

 

他にも趣味全開のレトロカー(写真3・4枚目)は、車好きではない私でも見ていて楽しかったなど、思いの外この雰囲気を楽しみつつ、そろそろ夕食をとろうと、

 

ふれあい通り沿いのラーメン店「蔵美」を訪れました。

2023グルメ記事 #56

 

 

 

店内は普通の町中華といった印象を受け、メニュー(写真3枚目)はほぼラーメン1本勝負というわかりやすさ、そして壁のサイン(同4枚目)から、味に期待しつつ、

 

王道の喜多方ラーメン(しょうゆ)を注文。

正直、ご飯はミニで良かったかなと思いつつ(苦笑)、

 

 

柔らかいチャーシュー増しにしておいたのが、食べ応え的にはちょうどよく、ちぢれたコシのある太麺とともに美味しくいただきました。

 

ふれあい通り沿いという立地も魅力的ですし、悩まずシンプルに喜多方ラーメンを味わいたい方向けだと思います。

 

 

この後は、イベントで賑わうふれあい通りを南に抜けて、喜多方駅経由で会津若松駅に戻り、駅前のホテルで早朝からの旅の疲れを取り1日を終えたのでした。

 

 

【奇跡の復活を遂げた秘境路線】

 

 

 

続く2日目は、早朝の会津若松駅からJR只見線の始発車両に乗るところから始まります。

 

2022年10月、新潟・福島豪雨の被害から11年ぶりに全線運行を再開した只見線は、会津若松駅(福島県会津若松市)~小出駅(新潟県魚沼市)の路線距離135.2km・36駅を東西に結ぶローカル線です。

 

福島県の西部、所謂奥会津を通って新潟の米どころ・魚沼に至るこの路線は、2市5町に跨る長大な路線である一方、まとまった街は両端の会津若松・小出以外になく

 

 

会津若松を出て早々に、磐梯山を背にする田園風景を私たちに見せてくれます。また、車両はリニューアルされたものの当然のように動く鉄の箱でした(汗)。

 

そんな只見線ですが、豪雨被害後にJR東日本は復旧を渋る一方で、福島県と地元自治体は早期の運行再開を熱望

 

国の支援を含め復旧費用約90億円の2/3を負担し、福島県が鉄道施設を保有する上下分離方式を取るとともに、復旧後の年間運行経費約3億円も地元が負担するという積極的な姿勢が奏功し、無事復旧の運びとなったのです。

 

 

ここまでの地元の努力で復旧を果たした只見線は、観光路線としても魅力が豊かで、特に只見川沿いを走る中での橋梁からの眺望は抜群の美しさを誇ります。

 

 

時に山間部の集落や田畑を挟み、第一~第八までの只見川橋梁をゆっくりと進む鉄路は、

 

 

 

単線故の途中の停車(写真2~4枚目:河沼郡三島町の会津宮下駅)も、風情を楽しむ点ではご愛敬です。

 

 

会津宮下駅を出ると、間もなく只見川のダム設備(写真1・2枚目)や第三只見川橋梁からの眺望(同3枚目)が車窓から望めますが、

 

 

 

当然ながら鉄道が走る橋梁は車窓からは見えない訳で、

 

 

第四只見川橋梁を渡る際、すぐ近くに数10分、車両と橋梁を撮影できる駅があれば観光スポット的には最高なのにと思ったりもしました。

ただ、今こうして復旧しているだけでも十分奇跡ですし、

 

 

水面に反射して映る道路橋(写真1枚目)や、只見川沿いののどかな風景はとても癒しになります。

 

 

 

そして旅路は続き、会津川口駅(大沼郡金山町)で再び一時停車。ちなみに、11年間不通だったのがこの会津川口~只見の区間で、

 

 

直後の車窓からも見える第六只見川橋梁の架け直し(写真3枚目右)をもって、復旧が果たされたのです。

 

 

 

この後も引き続き、只見川にはダムや鉄道・道路橋をいくつも見ることができますが、1つでも崩落や故障するとその復旧は大変だろうなと思う立地ばかりで、

 

 

昨今の豪雨被害を見るにつけ、もう「次に被災した時は復旧はないのではないか」と考えてしまいます(汗)。

 

 

 

そんな只見線と橋梁からの眺望を楽しむ旅も、福島県区間のほぼ西端の只見駅で一段落。駅のホームに掲げられた四季の只見線の風景(写真4枚目)や、

 

 

「おかえり只見線」と書かれた大きな横断幕(写真1枚目)から、地元の人々にいかに只見線が愛されているかが伝わるようでした。

 

 

 

そして最後は、新潟県魚沼市の東部に入っていきますが、この辺りは引き続き風光明媚ではあるものの、次第に自然から人の手の入った水田が広がる風景に移り、

 

 

日本有数の米どころらしさがよく伝わります。

ちなみに、車内は只見を出た頃には満員に近くなり、只見線の観光スポットとしての魅力を改めて感じたところで、終点の小出駅に到着し只見線の旅を終えたのでした。

 

計4時間半のロングランでしたが、最後まで飽きることなく車窓の風景を楽しめますし、次の災害リスクを考えると、ぜひ興味のある方には早めに訪れることをお勧めします。

 

なお、これで福島県を出たので、今回の駅メモ巡りの実績を見ると185/188駅と残るはわずかに3駅。

 

この3駅は福島駅から山形に向かう奥羽本線の福島県区間なので、今後、山形新幹線に乗って山形県を攻略する時に併せて福島県をコンプリートする予定です。

 

 

【ネーミングが独特の第三セクター】

 

 

 

小出駅では、そのままJR上越線に乗り換えて南魚沼市の中心駅の六日町駅(写真3・4枚目)で下車し、

 

 

今度は第三セクターの北越急行ほくほく線に、

 

  

駅のホームで、昼食に前日の夜に会津若松駅で買っておいたソースカツのわっぱめしを食べてから、ゆっくりと乗り込みました。

 

北越急行ほくほく線は、単体としては六日町駅~犀潟駅の路線距離59.5km・12駅ですが、実態はJR信越本線の直江津駅~犀潟駅及びJR上越線の六日町駅~越後湯沢駅と一体的に運行されており、

 

 

乗った感想としては、新潟県南部の山々を貫くトンネルと水田地帯をひたすら繰り返したというものです。

 

元々、北陸新幹線の長野~金沢間開通までは、北陸への最短経路が越後湯沢で特急に乗り換え、ほくほく線経由で信越本線・北陸本線に至るルートで、北越急行はそのJR特急の通過料で多大な収益を上げていました。

 

しかし、北陸新幹線開通後はその収益を一気に失い、赤字に転落した訳ですが、事前から想定内の要素だったため、今は積み重ねた内部留保を取り崩しつつ、細々と営業を続けている路線となっています。

 

 

六日町駅から終点の直江津駅までは約1時間10分・1,260円とJR単独で上越線・信越本線を乗り継ぐ(約1時間50分・2,310円)よりはずっとお得ですが、そもそもこのルートに需要自体が多くないというのが悩みどころです。

 

まあ、当面は過去の貯金で乗り切れるというのは、他の地方ローカル線より幸せかもしれませんけどね。

 

 

そして、直江津駅からは「奇抜な鉄道会社名全国No.1」と個人的に思っているえちごトキめき鉄道妙高はねうまラインに乗り換えます。

 

 

北陸新幹線の開業とともに、JR信越本線・北陸本線の新潟県内区間を運行する第三セクターとして2015年3月に開業した通称「トキてつ」は、何よりもそのネーミングセンスが他の追随を許さないものでした(笑)。

 

そのインパクトは、以降どんな三セクも奇抜に感じなくなるほどで、旧信越本線区間を「妙高はねうまライン」、旧北陸本線区間を「日本海ひすいライン」とするセンスもまた、当時の新潟県庁の関係者の常識を疑うレベルです。

 

とはいっても、「妙高はねうまライン」の運行区間自体は、妙高高原駅~直江津駅の路線距離37.7km・10駅

 

妙高高原駅ではしなの鉄道北しなの線と接続し、「信越」を結ぶ信越本線の要としての役割を今も果たしています。

 

 

今回は、一度妙高高原駅まで行ってから、折り返しで観光の目的地の高田駅で下車したのですが、学生や観光客など結構賑わっていた印象を受けました。

 

さて、そんな好き放題「トキてつ」をディスったところで、今回はここまでとして、次回は上越市の旧城下町エリアである高田駅周辺の散策から再開します。

ではでは。