こんばんは。

さて、当ブログは今回で2013年12月の初回記事投稿から、通算1,500回目の節目を達成しました!

 

通算1,000回目が2020年2月20日のため、ほぼ3年で500回掲載したということは、1年当たり170回弱、1カ月に換算すると約14回というペースに相当します。

 

個人的には、内容の濃淡・多寡の差こそあれ、人生の備忘録としてこれだけ書くネタが日々あった点に、改めてただ生きるだけでも色々な出来事が起きると実感しました。

 

改めて、この場を借りて読者の皆様に御礼申し上げるとともに、長い雌伏を経てドバイ旅行から再開できた海外旅行記を軸に、グルメ、スイーツや国内旅行、野球観戦など充実した内容にしていきたいと思います。

 

そして願わくば、中日ドラゴンズの優勝など1つでも多くの(私にとって)明るい話題と、ドアラ先生・つば九郎師匠のようなエッジの効いた小ネタをお届けしたいです。

 

後者は炎上しない範囲にしつつも(笑)、次の区切りの10周年(今年の12月下旬)も無事迎えられるよう、常日頃の生活から充実させていきたいと考えています。

 

 

【ゲリラが戦い抜いた過酷な戦場】

 

 

さて、ベトナム滞在の最終日となった土曜日(25日)は、ホテルで朝食を済ませると、前夜と同じく予約していた現地ツアーの送迎車に乗車。

 

終日混雑するホーチミンシティの中心部から、北西に向かって約100km移動し、

 

のどかな田畑やゴムの木の植林地の風景が続く、同じ市内とは思えないクチで下車しました。

 

クチは、ベトナム戦争において南ベトナム解放民族戦線(ベトコン)の司令部が置かれ、米軍及び南ベトナム軍とのゲリラ戦の最前線となった歴史があり、

 

 

現在は、抗仏運動時の1940年代後半から約25年かけて作られた地下基地「クチ・トンネル」の展示施設が、森の中に設けられています。

 

まずは、日本語放送の案内ビデオを鑑賞してから、

 

クチの軍事的位置付けや地下トンネルの構造について説明を受けますが、三層構造・全長250km(上の地図の赤いエリアに伸びる黒い線がトンネル)の長大・精緻な構造には、長年の抗争を戦ったベトナム人の勇敢さを実感します。

 

 

 

ビデオ鑑賞後は、森林の中に設けられた罠(写真1枚目)や巧妙に設けられたトンネルの入口(同2~4枚目)を順次訪れ、解説を聞きました。

 

その中では、実際に使われたトンネルに入って隠れる体験もでき、不謹慎ですが子供心に楽しかったです。

 

 

こちらは、何気ない岩のようですが実はトンネルの通気口が設けられています(写真2枚目)。

 

日本の炭鉱ではガス爆発や窒息による事故が昭和末期まで続いたことを考えると、施設設計と隠密性の両面でよく考えられているといえるでしょう。

 

 

 

また、ゲリラ部隊や現地民の様子を再現した人形(写真1枚目)や、鹵獲した戦車の展示(同2枚目)、

 

 

 

戦車や爆弾の部品を再利用して武器・装備品を作る様子(写真1枚目)を見ていると、物量で劣るが故に使えるものは何でも活用した経緯がよく窺えます。

 

また、森やトンネルの中に設けられた多種多様な罠(同2・3枚目)からは、よく手持ちの道具でこんなものを造れたと思いますし、地下水をチームで掘る様子(同4枚目)はゲリラと現地民の紐帯の深さが現れていました。

 

そんなクチ・トンネルが設けられた一帯は、戦場の最前線のためもちろん安全な訳がなく

 

順路に沿って、爆弾が落ちて窪地になった空間も各所に見られ、彼らはまさに命がけの抵抗を続けていたのです。

 

 

そして、散策の後半では実際にトンネルの第一層に入って歩く体験もしましたが、その狭さから身を屈んで進む必要があり、40m余りでしたがかなり疲れました…。

 

途中の小部屋は少し広いとはいえ、こんなところで日々を過ごす精神力が凄いですし、第二層以下は這って進むレベルの狭さとのことで、猶更驚きです。

 

 

他にも、射撃場(写真1枚目)での実弾射撃や、ゲリラの食事体験(同3枚目)などアクティビティが豊富なので、ベトコンの生活から戦闘まで幅広く体感できる点は、この施設の大きな魅力だと感じました。

 

 

【かつての権力の象徴は統一の象徴へ】

 

 

午前中をクチで過ごし、送迎車でホーチミンシティの中心部に戻った後は、昼食にベトナム名物のバインミーを食べてお腹を潤わせてから、

 

かつての南ベトナム政権の大統領官邸で、今は当時のまま博物館として一般公開されている統一会堂を訪問。

 

地上5階・地下1階のこの建物の中には、大小100以上の部屋が設けられており、その中には、

 

 

閣議室(写真1枚目)や大会議場(同3枚目)、
 

 

 

大統領応接室(写真1・2枚目)といった官邸としての機能に加え、大統領の寝室(同3・4枚目)のようなプライベート空間(公邸)も含まれています。

 

 

まあ、大統領官邸という格式を考えれば、その国の贅沢の粋を集めるのは当然ですし、その豪華な造りに特段批判を挟むつもりはありませんが、さすがに趣味で映画館(写真2枚目)を設けるのはやり過ぎな感がありました(汗)。

 

 
 

それを差し引いても、単に西欧の猿真似でなくベトナムの伝統や中国文化を取り入れたデザインは、中々見応えがあったというのが正直な感想です。

 

個々の居室は旅行記本編で詳しく取り上げますが、同じ旧共産主義政権が建てた宮殿であるルーマニア・ブカレストの国民の館と比べると、変な無機質さをそこまで感じさせない点で、興味深い建物でした。

 

 

 

一方、屋上にはいつでも使えるヘリポート(写真1枚目)、地下には通信施設を備えた軍事施設(同2・3枚目)が設けられている点は、建国以来戦争とともにあった南ベトナムらしさが如実に現れているように思えます。

 

ちなみに、地上階のキッチン(同4枚目)の調理用具はそのほとんどが日本から輸入されたものだそうです。

さすがのジャパンクオリティですね(適当)。

 

また、統一会堂の庭には2台の戦車が展示(写真1枚目)されていますが、1975年4月30日のベトナム戦争終結時に、サイゴン市内に進撃した北ベトナム軍の同型戦車がレ・ロイ通りから直進して建物のフェンスを破り突入

 

その際の映像は、「一つの国が消滅する瞬間」として全世界に配信されて歴史に刻まれ、当該戦車は長い分裂の時代に終止符を打った象徴となっているのです。

 

 

このように、南ベトナムの歴史とその終焉を今に残す統一会堂ですが、この建物が完成した1966年以前には、洋風の宮殿(ノロドム宮殿)が建っており、

 

 

ノロドム宮殿から現在の統一会堂に至る歩みは、敷地内の博物館の展示に詳しく触れられています。

 

個人的には、内装はともかく外観は無機質な今の共産主義建築より、ノロドム宮殿の方が好みですね。

 

 

【市内散策の締めは鮮やかな協会】

 

 

 

以上、約1時間半かけて統一会堂を見学した後は、外観が華やかなデパート(写真1枚目)や各国の領事館(同2枚目:フランス、同3枚目:中国)が並ぶ通りを進み、

 

また、もはや見慣れた無数のバイクの間を巧妙に抜け、

 

近年SNSで話題の、ピンク色一色の外観が華やかなカトリック教会「タンディン教会」を訪れます。

 

建立は仏領時代の1876年、ロマネスク・ゴシック・ルネッサンスの技法を複合的に取り入れており、その大きさは市内ではサイゴン大教会に次ぐ規模です。

 

 

 

残念ながらこの時は、一般人の敷地内への入場は禁止されていましたが、サイゴン大教会が修復中だったのもあって、外観を見るだけでもよい思い出になりました。

 

 

 

こうして、ホーチミンシティ中心部の主な見所を回り終えたところで、最後に徒歩&タクシーで瀟洒な近代建築群を再び見て回り、それからホテルに再度帰還します。

 

そして、1階のカフェで日系ホテルならではの抹茶スイーツをいただきつつ、ゆっくり休憩してから、

 

 

すっかり暗くなった午後8時過ぎにホテルを出発しました。

 

混雑してもタクシーで約30分の移動中にも「すき家」を見つける(写真1枚目)など、最後まで日本企業の多さを実感しつつ、タンソンニャット国際空港に到着。

 

ちょっと古めかしい造りのこの国際線ターミナル、実は日本のODAで建てられ、2007年から稼働しています。

 

また、かつてはサイゴン国際空港と呼ばれ、ベトナム戦争中は米軍及び南ベトナム軍の空軍基地だったそうで、その名残は、今も空港コードにサイゴンの略称の「SGN」を用いている点に現れています。

 

 

そして、現地とはいえ帰国便もANAなので、スムーズに優先チェックインを進めると、スターアライアンス加盟航空会社共通のビジネスラウンジに入り、

 

 

夕食にご当地麺のフォー(写真2枚目中央)を食べるなど、搭乗開始までの時間をのんびり過ごしました。

 

 

そして現地時間午後11時過ぎ、約48時間と短めの滞在ながら、充実した時間を過ごしたホーチミンシティを出発

 

約5時間のフライトをほとんど寝て過ごして、

 

翌日の早朝には羽田空港に到着し、2泊4日の短くも充実したベトナム旅行を終えたのでした。

 

なお、同行した従妹も色々な意味で旅を楽しめたようで、それは何よりですし、彼女はまた3月に友人と卒業旅行本番のヨーロッパ旅行に行くとのことで、ぜひ学生最後の時間を存分に満喫してほしいものです。

 

ちなみに、検疫や入国審査、スーツケースの受取、税関はスムーズに進んだのですが、

 

最後に東京都の誰も見向きもしないクソイベントとキャッチフレーズを見て、一気に冷めた気分になったのは、個人的には悪い思い出でした(怒)。

 

こういう場所には、東京の風景とかキティちゃんみたいな誰でもわかるモチーフで十分で、Sushi Techとか言われても新手のハイテク寿司屋としか思えないんですよね。

 

従妹も「何これ?」と失笑していましたし、外国人や帰国者のニーズをもっと理解してほしいところです。

ではでは。