こんばんは。

私は今、タージ・マハルで有名なインドの古都・アグラのホテルに滞在中で、明日は終日アグラを観光する予定です。

 

一昨日の夜にデリーに到着後、昨日はジャイプールの街、そして今日はアグラまでの道すがら観光スポットを巡ってきましたが、この2日間、同じアジアでもこれまで訪れた中華系の国々とこうも違うのか、と驚きを隠せずにいます。

 

そんなインドの凄さと魅力を、今回から始まるダイジェストでは象徴的なシーンのみ紹介して、詳細は3月中旬以降に連載開始を予定しているインド旅行記本編でお伝えしたいと思います。

 

さて、現地からお届けするダイジェストの第1回は、上述した昨日及び今日(2・3日目)の内容を紹介します。

早速現れたインドらしいカオスな風景、そしてヒンドゥー・イスラムと多彩かつ神秘的なインド文化の魅力をぜひご堪能ください♪

(写真はジャイプール・アンベール城のマハラジャ門

 

 

1 長い移動とピンク・シティの旧市街

 

 

日本からの長旅の疲れを癒した2日目の朝少し早めの朝7時半にホテルを出発。写真のとおり濃い朝もやの中、約6時間にわたるデリー・ジャイプール間の約260kmの移動が始まります。

 

 

その道中は、やたらゴテゴテ装飾したトラック(写真1枚目)や、互いにクラクションを鳴らし合う追い抜き合戦(汗)、そして料金所での大渋滞(同2枚目)など、開発途上国らしい賑やかなもので、しかも道路事情も悪くバス内は結構揺れました

 

この道のりは、高速道路を中心に走りましたが、一般道を走りましたが、車窓から見たその景色もなかなか面白く

 

 

道路のゴミを漁るのが犬猫ではなく牛というあたりが、早速インドらしいと驚きを隠せませんでした(汗)。

 

ちなみに、今日までの間に車窓から見た動物は、犬・猫・牛・豚・猿・羊・馬と大変バリエーション豊かで、人がたくさん住む街中にこれだけ動物が自然かつ気ままに暮らす様子を見るのは、海外旅行46カ国目にして初めての経験です。

 

 

 

 

途中、昼食を挟んでジャイプールに着いたのは午後1時過ぎとなり、到着後は早速見どころの旧市街散策に入りますが、この旧市街は、ほとんどの建物の外壁がピンク又は赤錆色で統一されているのが特徴です。

 

これは、1876年に当時インドを支配していたイギリスの王子がジャイプールを訪れた際、地元の王や庶民が街をピンク一色に染めて歓迎して以来の伝統で、そこから「ピンクシティ」という渾名が生まれたそうです。

 

そんなピンクシティの色彩の一部を成しているのが、最初の観光スポットである「風の宮殿」です。

 

 

この建物は、1799年ジャイプールの宮廷に入った女性のために建てられたもので、その無数の窓で彩られた優美なファサードは一見の価値ありです。

 

 

続いて訪れたのは、今もジャイプールの元マハラジャ(旧藩王)一族が居住するシティ・パレスです。

 

こちらは、旧藩王一族が住む月の宮殿(チャンドラ・マハル。写真右上の白い宮殿)などを除く一部見学可能となっており、

 

18世紀初めに建てられたジャイプールらしい宮殿のピンク色の外観や、宮殿内のイスラム文化を取り入れた鮮やかな草花模様の壁・柱などは見事な美しさです。

 

 

まあ、何より驚いたのは宮殿に昔から住み着いている猿の群れが、屋根の上を列を成して進む様子でした。

 

犬や猫が宮殿に住み着く例は、ヨーロッパでも聞いたことがありますが、猿というのはさすがインドですね(汗)。

 

ちなみに、こちらのイスラム文化が取り入れられた建物内では、数々の旧藩王家所縁のインド織物を見ることができますが、こちらも目を見張る美しさで、一見の価値ありです。

注:織物の展示は写真撮影禁止

 

 

2つの宮殿の壮麗さを存分に満喫した後、旧市街散策の締めに訪れたのは、シティ・パレスと同時期の18世紀初めに当時の藩王によって整備された「ジャンタル・マンタル」です。

 

 

こちらは、当時では世界的にも非常に精度の高い天文観測所として知られ、大小様々な形の日時計(写真2枚目の日時計は、時刻を20分単位まで表示)や、

 

 

(詳しくはわかりませんが)星占いのための施設(写真1枚目)、そして黄道十二宮を現したモニュメント(同2・3枚目)など1つ1つ大変不思議で興味深いものが並んでいます。

 

 

ちなみに、ジャンタル・マンタルのシンボルにもなっている写真の巨大な施設は、写真1枚目左上の楼閣から風や空気の流れを読んで天候を予測したり、はたまた巨大な日時計(同3枚目)として利用されたりと、かなり多機能で興味深い造りとなっています。

 

そして、それ以外にも、天文学・歴史学的に価値の高い施設が数多く、当時の姿のまま残っていることから、このジャンタル・マンタルはユネスコの世界遺産にも指定されているのです。

 

 

2 丘の上の雄大なるマハラジャの居城

 

旧市街を代表する3つの観光スポットを見学した後は、旧市街から少し北に向かい、2日目最後の見どころである丘の上に建つ雄大な古城アンベール城を訪れました。

 

このお城は、16世紀にこの地を治めるマハラジャ(藩王)によって建設が開始され、その後増改築を繰り返し、17世紀のジャイ・スィン1世の時代にほぼ現在の形となったと言われています。

 

その後、18世紀前半にアンベール城から今のジャイプール旧市街に宮殿が移されたため、以後改築は行われなくなり、また幸運にも戦火に巻き込まれることもなく、現在に至っています。

 

ちなみにこの城は、「ラージャスターンの丘陵城塞群」の構成資産として、ユネスコの世界文化遺産に指定されています。

 

 

城までは、バスからジープに乗り換えて丘を登り(注:後ろのドアがなく、かつ結構揺れて怖かったです。)、

 

眼下に城の建設以前から存在していた美しい街並みを望む入口近くで降りた後、そこから徒歩で入場します。

 

 

 

 

この城の内部は、薄いオレンジを基調とした、精緻なデザインの門(写真1・2枚目)や堅固な城壁(同3・4枚目)、

 

そして、謁見の間としての役割を担ったディワニ・アーム(写真1枚目)や、「鏡の間」が圧巻の迎賓施設(同2枚目)など、様々な意匠が凝らされた宮殿群を含め、見応え十分なスポットが数多く存在しています。

 

また、この宮殿はヒンドゥー文化をベースとしつつ、当時隆盛を誇ったムガル帝国のイスラム様式に大きく影響を受けたことでも知られており、上述の鏡の間などもそうですし、

 

 

冒頭で紹介したマハラジャ門に至っては、アラベスク模様や草花をモチーフにしたイスラム様式を全面的に取り入れつつ、ヒンドゥー教の神様であるガネーシャ(同2枚目中央)が入口の真上に描かれていたのがとても興味深かったです。

 

 

以上、詳細は旅行記本編で説明しますが、その他にも様々なエピソードを持つ歴史的建築物の数々をじっくり眺めたところで、往路と同じくジープに乗って丘を降り、そこからバスに乗ってアンベール城を後にしました。

 

 

この後は、アジアツアーの宿命である土産物店巡りを経てホテルに到着し、2日目のジャイプール観光を終えました

 

以上、区切りがよいので今回はここまでとして、次回は3日目のアグラまでの長距離移動の道中に訪れた、2つの魅力あるスポットを中心にダイジェストをお届けする予定です。

ではでは。