おはようございます。

今日はいよいよ、夏のバルカン半島周遊旅行に出発しますが、ゴールデンウィークに続き今回もターキッシュエアラインズ(夜便)のため、夕方まではゆっくり過ごせます。

 

ただ、出発の準備は昨晩の時点でほぼ終わっているので、後は忘れ物チェックくらいしかやることがないのですが、しっかり体調を整えて夜に備えたいところですね。

 

 

さて、本題のアイルランド旅行記約2週間ぶりの掲載となりますが、第7回となる今回は北アイルランド・ジャイアンツ・コーズウェイの散策から再開します。

 

自然と田舎ののどかな景色、そして思わぬトラブルを経つつ何とか4日目を終え、5日目のダブリン散策に至るまで、自然と都市それぞれの美しさをどうか満喫ください♪

 

 

5月5日(金曜日) 北アイルランド③

 

 

壮大な「巨人のオルガン」(前回参照)を間近で眺めた後は、ひたすら細い道を登り、丘の上を目指します。

 

こちらは、通常のツアーでは省略されがちですが、青空の下で緑豊かな坂道を進むというのは心地よいものですし、

 

 

丘の途中、又は上から見下ろす柱状節理の海岸と紺碧の海もまた、絶景と呼ぶべき美しさでした。

 

 

丘の上の遊歩道は、海岸側が花で彩られる一方で(写真1枚目右)、陸地側はどこまでも広がる牧草地と草原が、ともに大変のどかで落ち着く雰囲気を醸し出しており、

 

時折吹く風も心地よく、「世界名作劇場」などでイメージされる典型的なヨーロッパの農村地帯といった印象です。

 

 

 

こうして約1時間半、ジャイアンツ・コーズウェイの遊歩道を巡って雄大な自然をたっぷり満喫したところで、ランチを食べたビジターセンター(写真2枚目)に戻り、「早目にベルファストまで戻って、少し市内観光もしようよ」などと雑談しながらバス停でバスを待ちますが、予定の時間になってもバスは来ません(汗)。

 

おかしいな、と思いポートラッシュに戻るバスの時刻表を改めて携帯で調べてみると、何と時刻表の読み違いで、残りのバスがギリギリ帰りの電車に間に合う時間しか残っていないという驚愕の事態が発覚します!

 

空車のタクシーも近くに見当たりませんし(何故?)、私たちはそんな想定外の事態に焦りましたが、ここで2時間近くバスを待っても仕方がないので、それならいっそのことウォーキングと周辺観光でも楽しもうと、

 

 

ジャイアンツ・コーズウェイから最寄りの村のブッシュミルズまで、約5kmの距離を徒歩で移動します。

 

先日の鹿児島・霧島での10km近いウォーキングといい(あの時は1人旅でしたが。)、はるか欧州の果てまで来ても同じようなことをやってるんだなあと今振り返ると思いますが(汗)、同行した友人たちもよく付き合ってくれたものです。

(まあ、みんな割と健脚というのが大きいですが。)

 

そして、このブッシュミルズは人口約1,500人弱の小さな村ですが、この村の見どころとしては、

 

 

1608年にイギリス国王ジェイムズ1世によって認可を受けた、世界最古のウィスキー蒸留施設である「ブッシュミルズ蒸留所」があります(写真)。

 

こちらは、所内の見学のほか特設バーでウィスキーを試飲することもできますが、お酒にまったく興味のない私は建物の外観だけ見て満足し、友人との合流時間(バス到着時刻の5分前)まで村内をブラブラして過ごしました(汗)。

 

 

 

こうして、想定外のブッシュミルズ観光を経て、午後5時半に定刻どおり来たバスに乗車、行きと同じくダンルース城(写真)を車窓から眺めつつ、この海岸地帯に別れを告げ、

 

 

ポートラッシュ駅まで戻り、駅の隣の遊園地(写真2・3枚目)がチープだなあと思いつつ電車に乗り、

 

往路と異なり、ベルファストまで直行ではなかったので、途中のコーレイン駅(写真)で乗り換えベルファスト駅に到着。

その後は駅の外に出る時間もなく、ダブリン行きの特急電車に乗車とひたすら車窓の旅が続きました。

 

何度こうした電車の旅をしても、外国での乗換えは不安なところがあります。(遅延で乗換え失敗とか。)

 

以上、ジャイアンツ・コーズウェイからバス1本・電車3本に乗ってダブリンに到着したのは夜11時前と、いずれもダブリンに戻る場合のギリギリの綱渡りは無事成功

(夕食は、特急車両の車内販売のスナック菓子でした。)

 

 

 

皆で北アイルランド日帰り旅行の完遂に安心しながら、コノリー駅(写真1枚目)や税関(同2枚目)など夜のダブリンのライトアップを満喫します。

 

…とはいってもさすがに紫とか赤のライトアップ(写真3・4枚目)はラブホテル街みたいで悪趣味ですよね(汗)。

 

 

最後はオコンネル・ストリート(写真1枚目)近くからトラム(ルアス)に乗って、ホテル最寄りのヒューストン駅(同2枚目)まで移動し、4日目を終えたのでした。

 

 

5月6日(土曜日) ダブリン⑥

 

 

5日目の朝は、上述のとおり、前日の夜がスナック菓子を少し食べた程度でお腹が空いていたので、今回の旅行で初めてホテルのアイリッシュブレックファストのビュッフェを利用します。

 

こちらは写真2枚目のとおり、肉やフライが盛りだくさん、ボリュームたっぷりのビュッフェだったので(注:スープやパン、サラダもあります。)、思った以上にお腹いっぱいになりました。

 

朝からお腹をいっぱいにしたところで、ダブリン市内散策に入りますが、まず最初に訪れたのは、アイルランドの最高学府にして最古の大学とされるトリニティ・カレッジです。

 

この大学は、1592年にエリザベス1世によって創設された大変歴史のある大学で、風刺作家のJ.スウィフトやノーベル文学賞を受賞した劇作家のS.ベケットなど、人文・社会分野で世界的に活躍した人物を数多く輩出したほか、

 

アイルランド初代大統領(任期:1938年-1945年)を務め、独立当初の政治的な不安定と第二次世界大戦を、巧みな手腕で乗り切ったダグラス・ハイド(写真)など、この大学を卒業した優秀な政治家も数多く存在します。

 

 

正門の左右には、詩人のO.ゴールドウィン(写真1枚目)と哲学者のE.バーク(同2枚目)の像が控え(ともに卒業生)、トリニティ・カレッジの歴史の重みを早速感じますが、

 

 

正門をくぐってキャンパスに入ると、中にも重厚で歴史を感じる建物が並び、ここで勉強できる学生は幸せだろうなあ、と大学時代を思い返しつつ、大学散策のハイライトであるオールド・ライブラリー(写真3枚目)を訪れます。

 

 

オールド・ライブラリーは、法定の納本図書館(英愛両国で発行された全ての書籍を無償で請求・複写できる権利を持つ図書館。日本では国会図書館がこの権利を持つ。)を構成する6つの図書館の1つであり、1712年に建てられました

 

こちらは、大学内でも数少ない一般公開された施設(入場有料)、内部の見どころは大きく分けて2つあり、1つは、

 

 

ケルズの書」(抜粋上掲)をはじめとする、アイルランドの国宝とされる絢爛豪華な聖書の装飾写本の展示です。

 

こちらは、国外に決して持ち出されることはなく、写真撮影も厳禁と厳しく管理されているだけのことはあり、聖書の記述やモチーフをケルト美術を用いて表現した、芸術性と創作意欲溢れる大変素晴らしいものでした。

 

また、ケルズの書には、ベラム紙という牛の皮(何と150頭分!)で作られた貴重な書写材が用いられ、インクははるばる中東から輸入したものと、この書が制作された9世紀当時の最高レベルの材料を用いていたことがわかります。

 

そして、ケルズの書以外にも、「アーマーの書」や「ダロウの書」(抜粋上掲)などの装飾写本が展示されていますが、いずれも当時の修道僧の信仰の深さとケルト芸術のレベルの高さを感じる、珠玉の逸品というべきものでした。

 

 

 

装飾写本の展示室を抜け、写真撮影可能なエリアに入ると、リネン装飾の展示が見られますが、オールド・ライブラリーのもう一つの見どころといえばその先、

 

2階の「ロングルーム」と呼ばれる書庫です。

 

長さ65mと、深い奥行きを持つこの書庫は、天井は平らな漆喰造り、書棚は木製の重厚な造りとなっており、

 

 

まるでファンタジーの世界に紛れ込んだかのような、優雅で幻想的な空間を作り出しています。

世界で最も美しい図書館の1つとして称えられるロングルームは、現実・架空を問わず様々な場で取り上げられ、

 

あの世界的なSF大作「スター・ウォーズ」の「エピソード2/クローンの攻撃」(2002年公開)で登場するジェダイ・アーカイヴのモチーフにもなったと言われています。

 

さて、ここからはそんなロングルームの細部の紹介に入るというところで恐縮ですが(写真は入口側)、記事の容量と時間の都合上、今回はここまでとさせていただきます。

 

次回はバルカン半島周遊旅行を挟む関係上、8月上旬に掲載する予定ですので、あらかじめご了承ください。

ではでは。