前の職場で仲良くしていた人の旦那さんが先日亡くなられた。


その人は70代前半、旦那さんの方は…

詳しくは覚えていないが、確か彼女より何才か年上だったような気がする。


お会いした事はなく、チラッと遠くからお見かけした事が一度だけ。

スラッとした細身で、後ろで一つに束ねた長髪が背中まであるのが印象的だった。


介護施設の調理のパート以外にも、

地元のボランティア活動に精を出す

人気者の彼女の旦那さんは、

外に出るのがあまり好きではなく、

ほとんどお金を使わなかったらしい。

(なんと素晴らしい)

それなのに

旦那さんの悪口ばかりいう彼女を

贅沢だと思った事も一度や二度ではない




昨年の夏の終わり、彼女を含めたもう一人の職場の友人と3人で、公園でピクニックをして以来会っていないが、

LINEは時々交換していた。


そのピクニックの時も、彼女は旦那さんの事をボロクソに言っていた。彼女の口から出るのは、ホントにいつもいつも、旦那さんのグチばかりだった。



当時、旦那さんは下の失敗が多くて、リハビリパンツにパットを使用していたようだ、


「あのオジイは、ほんま世話がやけるパンチ!

「文句言わんとご飯食べた試しがない!

ほんま腹立つオジイや💢」


…とまあ、世間によくある妻の夫に対するグチのオンパレードニヤニヤ

聞く方は、「え〜⁉︎ そうなん⁉︎大変やね〜」と、適当に相槌打ちながら聞いてるだけでその場が収まるような(笑)




いつか、彼女含め職場の友人4人で食事会した後に寄ったスーパーで彼女に出会った。

「家帰ったらオジイがうるさいし、帰りとうないから時間潰しとるんや」


そんなにかい!!

と、感じ入ってしまったこともある。



その彼女から、先日

しばらくぶりにLINEがきた。


「無事我が家から旅立っていきました。

(中略)私を置いて、一人で出て行きました」


・・・



読んだ瞬間、

胸に詰まされる何かがあった。


すぐにお悔やみに伺いたいが

田舎で、近所どころかボランティア等で交際範囲の広い彼女のところには、当面の間

弔問客で一杯だろう。


お悔やみの言葉を伝えると

彼女から返ってきたのは


まとめるとこんな感じ。


「文句言っては私を怒らせて、後になって後悔する人でした。

本当は気の小さい、優しい人。

全てお見通しだから、私は何でも言えた」


そして


「本当は何でも好きでした。

○○郎(旦那さんの名前)も、○っこ(彼女の名前)も、一筋で、他を見なかったなぁ〜

だからお互い言いたいこと言い合ってたような‼️⁉️」


「実際はずーと好きな人ですね」


グッときた!!



なんて羨ましいんだ!!



こんなに素敵な話しが身近にあるなんて!




そういう思いをした事のない私からは

本当に「羨ましい」としか言いようがない



哀しいような、ほっこりするような

切ないLINEだった。