2022/10/30 記事


[TVレビュー] tvN「人生に一度はキリマンジャロ」期待感を高めた海外旅行バラエティー



29日、tvNで初放送された「人生に一度はキリマンジャロ」(以下「キリマンジャロ」)はタイトルからも分かるように、アフリカを代表する名山、キリマンジャロ山に登る芸能人の山岳旅行記として描かれた新番組だ。ユン・ウネ、ソン・ホジュン、ユイ、ヒョジョン(OHMYGIRL)など特別な縁があるわけではない出演陣で構成された「初心者山岳会」は果敢に海抜5800メートルを越える高山登頂に挑戦することになった。 


接点のない4人は、なぜキリマンジャロに登ろうとするのだろうか。


「この挑戦に大きな意味があるのではないか」(ユン・ウネ)

「一度きりの人生だから、自分のやりたいことをやってみよう」(ユイ)

「限界にぶつかって挑戦するのが好きです。一つの壁を破るきっかけになるのではないか」(ヒョジョン)

「人生ということ自体が、一人で生きていくこととは思わないんです」(ソン・ホジュン)


初めて会う前に製作陣との事前インタビューを通じて、4人の山岳会メンバーたちはこのように各自の目的を持って簡単ではない登頂に乗り出すことにした。 あるカフェに集まるようになった彼らは、ガールズグループ出身(ユン・ウネ、ユイ、ヒョジョン)という点を除けば、特に作品活動を一緒にしたり、私的な親交など全くない、人見知りした雰囲気の中でぎこちなさをいっぱい抱えていた。


しかし、すぐに対話が始まり、見知らぬ感情を後にしたまま各自に同化し始めた。そして彼らの中で最も山をたくさん登った経験がある末っ子ヒョジョンが山岳隊長を、「ソンお姉さん」という愛称を得たソン・ホジュンが部隊長など、各自の役割を付与され力を合わせることにした。



江原道で事前適応訓練に突入


その他の海外旅行バラエティなら簡単な事前挨拶程度の後、直ちに空港に集結して旅立つ絵が描かれたりもしたが、「キリマンジャロ」は〈事前適応訓練〉という他の過程が追加された。キリマンジャロはあまりにも高い山なので、初心者が簡単に登れるところではなかった。特に高山地帯ならいつも付いてくる高山病など一般的な環境とは全く違うため、山岳会4人組は製作陣が準備した訓練に臨みタンザニアに発つことになった。


彼らが先に訪れたのは江原道束草にある国立山岳博物館だった。ここで特別に製作された高山体験室を訪れ、実際に酸素が希薄な環境を経験しながら高山病に対する適応を始めた。そして館長からアフリカ山岳の特殊性など現地登頂のための教育も同時に受け準備に突入した。  


近くの束草(ソクチョ)の青台山(チョンデサン)に登り、軽く山に対する感覚を身につけた彼らは、近くのペンションで一晩泊まりながら、チームとしての団結力も一緒に育てていった。他の放送でもすでに認められたユン・ウネ特有の料理の腕前のおかげで、おいしい食べ物を食べながら4人のキリマンジャロ山岳会はそのように一つのチームとして結束力を固めることになった。そして1ヵ月後、彼らは遠いアフリカに大きな一歩を踏み出した。



期待感を高めた「初心者山岳会」の準備過程



旅行バラエティの最大の長所は、直接行ったことのない未知の場所を画面で見る代理体験にある。ここに今後ここを訪れる人々のための情報提供まで添えれば最高だ。 「キリマンジャロ」では山岳博物館事前教育および青台山登山でメンバーたちはウォーミングアップすると同時に製作陣は「実際にキリマンジャロにはヒョウがいません」等、現地情報および各種登山関連内容を随時字幕に入れて送るなど充実した情報提供を並行する。


「まだ韓国を離れてないの?」という物足りなさを感じそうな視聴者のためには、今後現地で起きる様々な事件、出来事などを随時画面に映しながら、以後の放映分に対する好奇心も育ててくれる。まだ本格的なアフリカ山岳旅行は始まってもいないが、事前準備過程だけでも初心者山岳会の旅程に楽しさと期待感を同時にもたらした。  


各種バラエティ、作品活動を通じてすでに身近な人物だが、特別な縁はなかった異色の組み合わせは適応訓練を一緒に体験しながら、以前から呼吸を合わせてきたような錯覚さえ呼び起こす。まだコロナを100%払い落としたわけではないが、今は以前の生活に相当部分戻った最近、海外探訪に対する渇望が大きかった視聴者なら、そして、旬を迎えた登山が好きな方に「キリマンジャロ」は嬉しい贈り物となるに違いない。


筆者のブログ( https://in.naver.com/jazzkid )にも収録されている文です。