あまり私的なことでの、ほんとに困難なことや辛いことを公けにするのは嫌いなので、こういう場ではなるべく書かないようにしていたのですが。

今はそうしたい気持ちがわかります。

俺の知人のなかにはある程度知っている方もいると思うので報告がてら吐き出します。


母を強制入院させました。


ここ数年は二年周期くらいで躁鬱を繰り返し、鬱の時期は家から一歩も出れずほとんど寝たきり。俺も行けるときは親父の家事の手伝いをしに行ったりしました。食事もほとんどとらないので前々回の鬱の時も短い時間ですが入院。

逆に躁状態の時期は、知っている方も多いとは思いますが、おれのライブによく顔出して、周りのお客さんからは「愉快なお母さんですね」と言われる(迷惑に思われている方がいたら、ほんとごめんなさい)あのハイテンションな状態。ただハイテンションな状態だけなら、それは昔から母はそういうひとだったので、全然大丈夫なのですが。

今年、三月に鬱の状態から抜け出しで五月に入ってから躁状態に入りました。そこからは急激でした。

5/22のライブに突然現れた時にはあきらかに前回の躁状態よりも様子がおかしかったのでステージ上からみてヤバい、と思ったのですが。


誇大妄想、とにかく一方的に喋る、思い通りにいかないと周りを全部敵だと思う、激しい浪費、という典型的な症状。

家から大金を持ち出し遠出を繰り返すようになりました。

6/1、大阪にいる妹から電話があり、大阪で母が騒動を起こして手に負えないので父を静岡から呼んで押さえつけた、という報告。


6/7、まさに渋谷に向けて家を出ようとしてた時に親父から電話があり、「また金を持ち出して東京に向かった。明日、お前が博多でライブと知って、博多に向かうと言ってるので様子をみてくれないか?」と。とりあえず、宿泊してるホテルは判明したので、フロントの方に事情を説明して部屋の中で三時間くらい話し(母からの一方的な話しですが)、博多に行くのをやめさせました。次の日は親父が駆けつけてくれたので、俺の博多でのライブは無事に遂行できました。

6/8、親父と二人で東京で過ごしたあと実家のほうに帰宅。

6/9にまた金を持ち出してタクシーで東京にきてしまいました。

宿泊する場所は知り合いのホテルだったので何かあったらすぐに俺のほうに連絡を!とお願いしておきました。

6/10の日中にホテルから連絡があり、もう無理です、連れて帰ってください、との連絡。すぐレンタカー手配しホテルに急行。母に、妹も実家に遊びに来るから久しぶりに四人でゆっくり飯でも食べよう、と嘘をついてホテルから連れ出して実家に向かいました。

妹も大阪から駆けつけてくれて、母以外の三人で出した結論は入院させるしかない、でした。母本人は当然病院に行くことすら納得するわけがなく、悪魔がのりうつったような罵詈雑言を浴びせてきますが、出来れば無理やり連れて行くのを避けたいから説得し続けたのですが…。

無理でした。

で、昨日の早朝、また家を出ていくところを捕まえて、メチャクチャに暴れて大騒ぎする母を三人で抑えつけて車に押し込みそのまま病院に向かいました。

その時に言われた一言は多分、この先忘れられないと思います。

「今まで放ったらかしで、帰って来もせずに、何を今さら心配してる!」


確かそうだよな…。



病院には前日に連絡してあったので早朝にもかかわらず到着後はスムーズな対応。診てもらった結果、やはり保護室での入院が必要。ほぼ監禁状態。かなり長期になることも覚悟しないと。


その後、入院に必要な物を取りに家に戻りました。ふと、台所に行った。コンロの上の鍋にはスープが作ってあって、三人分の器が用意されてた。親父、おれ、妹の分の食事を用意してから出掛けようとしたんだ。


泣いた。


これでほんとによかったのかな。


しばらくは自問自答する日々になりそうです。


入院手続きと準備が完了して、大阪に帰る妹を新富士駅に送り届けたとき。タバコがないことに気づきまして。あ、母さんが残して行ったタバコがあったなあ、車の中を探すとありました。くわえて火を付けて吸い込んだ時の感想。


「チッ、メンソールかよ…」


少し笑えた。


でも、スーパーで親父と二人での晩酌用の買い物してるとき、また泣けてきた。


とりあえず、元気で生きていこう。


シズヲ