8連勝を懸けてアウェイゲームに臨んだ清水は、横浜FCの質の高いサッカーの前に0-2の完封負けを喫し、連勝は7で止まりました。

 

立ち上がりからゲームを握ったのは横浜FCでした。昨シーズンJ1を戦った横浜FCは、早くて強い圧力で清水の自由を奪うと、パスで清水のディフェンスをいなして、ボックスまで入り込み、フィニッシュで終わるような、非常にクオリティの高いサッカーで、清水ゴールを脅かします。

前半14分、相手左CKをニアで繋がれ、ファーからガブリエウ選手がフリーで走り込んでヘディングシュートを打たれて、非常に危ないシーンを作られますが、ポストの左に外れ事なきをえます。その直後の16分、相手FKからガブリエウ選手が右足を振り抜かれますが、高橋祐治選手がシュートコースに蓋をしてCKに逃れます。するとこのCKからのショートコーナーのリターン受けてのクロスに、ファーサイドでガブリエウ選手が走り込み、頭で清水ゴールに突き刺して、清水は与えてはいけない先制点を横浜FCに許します。

何とか試合の流れをたぐり寄せたい清水ですが、今日の横浜FCは非常に高い集中力と走力で清水の良さを完全に消していて、清水は為す術なく前半を0-1で折り返します。

 

後半になって、ハーフタイムで秋葉監督のカミナリが落ちたのか、清水の動きが良くなり、相手ボックスまで侵入できるようになります。ただ、相手の集中したディフェンスの前になかなか相手ゴールを割ることができずにいると、徐々に横浜FCに試合の流れが戻っていきます。

このまま負ける訳にはいかない清水は、戦列復帰の乾選手、北爪選手、松崎選手、西澤選手、ドウグラス・タンキ選手の攻撃的なカードを切ると、ここから猛然と波状攻撃を仕掛けて横浜FCゴールに襲い掛かります。ただ、こういう流れとなったことが、逆に横浜FCに割り切って守り切るゲームプランにすることをはっきり認識させる形となってしまい、高い集中力でゴールを死守されると、後半AT6分には元清水の伊藤翔選手に雌雄決するゴールを押し込まれてしまい万事休す。残念ながら連勝が7で止まる黒星を喫しました。

 

この試合通しての感じたことですが、J2リーグの中で、横浜FCというクラブは、やはりクオリティが非常に高いサッカーをしていると感じました。スライドや寄せの速さはもちろん、ボールを持った時に失わない技術など、今シーズンJ2で戦った他クラブとは異次元のクオリティだと感じました。3月に長崎に完敗した時の清水は今みたいな絶好調の状態ではなかったので、そこまで感じなかったのですが、4月後半から無双している清水が横浜FCに完敗したことで余計に感じたこととして、清水が横浜FCや長崎のようなクオリティの高い相手と対した時でも、相手のクオリティを上回るサッカーを体現できなければ、今季J1昇格を勝ち取ったとしても、その先の戦いは非常に厳しいものとなり、きっとまたすぐにこのJ2リーグに逆戻りすることになることでしょう。そうならないための第一歩として、新GMを迎えたばかりの今のタイミングでこのことが分かったことは、今後に向けてとても収穫のあった敗戦ではないかなと感じました。了