第30回記念「山下愛陽ギターリサイタル」無事終了しました。チケット完売!県内外からたくさんのご来場、本当にありがとうございました。開演前のロビーではこの演奏会を待ち望んでいたお客様たちの熱気がこちらにも伝わってきました。
王道のクラシックギターレパートリーをはじめ、バッハ「シャコンヌ」、ブリテン「ノクターナル」といった大曲を揃えたプログラム。ダウランドの美しい旋律から始まったリサイタルは様々な時代を巡り、再びダウランド「来たれ 深き眠りよ」へ辿り着くという構成になっていました。
今回、私が1曲だけリクエストをさせて頂いたのがアンコールで演奏してくれた歌とギターのための「The Distant Traveler」(はるかな旅人)という作品です。愛陽さんのお母様である藤家溪子さんが音楽監督・作曲を務めたコンサート・ストリーミング「NAGASAKI 荒野の沈黙」(長崎の原爆投下に触発された作品)の中の1曲です。突然の弾き語りで驚いた方もいるかもしれませんが、愛陽さんはドイツの大学で声楽も専攻しており、感動的な歌声が場内に響き渡りました。アンケートでもたくさんの方がこの作品について感想を書いてくれました。一般公開されている映像はないと思うのでこの場でご紹介できないのは残念ですが、私も大好きな曲です。
私はギターを始めたころから山下和仁さんの演奏が一番好きで、音楽大学時代、アパートでは常に山下さんのCDやLDが流れていました。山下さんのギターは私の若き日のギターにおける青春そのもの。愛陽さんのことを知ったきっかけはそういった経緯からくるものですが、今や「山下和仁の娘」という説明は不要なほどヨーロッパのみならず世界各地で高い評価を得ています。ご両親から音楽を学んだ感性を受け継ぎながらも独自のスタイルを築いていくのだと思います。これからギタリストとしてどのような道を歩み、どんな境地に達するのか私には計り知れませんが、今この時代の「山下愛陽の音」を聴くことができて本当に良かったです。
さて、普段シャイな私も山下ファミリーの話題になると話が止まらなくなってしまいますが、今年9月にもう一度来日があるそうです!サントリーホールでのアランフェス(東京都交響楽団)もあるそうで楽しみですね。私も遠く足を運んでも定期的に聴いていきたいギタリストです。