中日新聞「養生訓」より抜粋
年を重ねるにつれて顔は驚くほど変貌する。青年期の高慢さや気取り、鼻持ちならない顔つきも壮年期にはすっかり影を潜め、老境に入れば円熟した円満な顔が理想的になる。
顔は人間の生命の根元にして要である。
顔は人の成長や心の変化を反映するものであり、考えや思想、性格、生活態度、職業までが、過去の様々の出来事と共に顔や風貌に現れて刻まれる。顔は人間の記憶であり歴史なのだ。
「顔は心だ」とは日本の伝統的な考えだ。また「顔が立つ」ともいうように、言葉、声は口から発生し、口は顔の一部である限り、顔は人格であり、その人そのものなのだ。
明るい心、素直な優しい心などその心の持ち様が「顔を作る。長い人生の中で「良い顔」を作る意識を持ちたい。
「四十歳すぎたら顔に責任をもて」ってアメリカ大統領リンカーンは言ったそうだ。
古代の日本人は、法隆寺の救世観音像や中宮寺の弥勒菩薩の口の周りに漂う自然で優雅な微笑に、生きとし生ける人間の極限の恍惚とした表情の理想を表している。
私の顔は どうみられてるんだろう。
「意地悪そう」「性格悪そう」 これだけは勘弁 やな