我が家は今年3月に愛犬との別れを経験しました。
愛犬しずかは、個人でアニマルレスキューをしていたイギリス人の女性から6歳時に譲り受け、16歳で虹の橋を渡ることになりました。
成犬できた子は新しい家にとまどいつつも、やがて自分の家として認識し、我が家のくらしを受け入れてくれました。
楽しいことも悲しいことも一緒。
家族にとってしずかとの10年間は何物にも代えがたい日々でした。
中型犬がいなくなったスペースはとても大きなものでした。
犬のいない生活に耐えられなくなった私たちは、新しい家族を探すことに・・・
次の子もぜひ保護犬から、との思いからいろいろな団体のサイトを見て、実際に譲渡会やシェルターを見学しました。
精神的にも肉体的にも傷ついた子たち。
彼らは保護団体のみなさんの愛情で、ふたたび人間との絆を取り戻しつつあるのです。
たくさんの犬たちを見ましたが、愛ちゃんのことがとても気になりました。
たぶん新しい家族は愛ちゃんなのだと漠然とながら感じていました。
お見合いではこわがって机の下に隠れていた愛ちゃん。
けれども仮ママさんと話をしながら、愛ちゃんに触れていると、やがて私の指をなめてくれるように。「この人は大丈夫?」とでも問いかけるような視線を感じました。
その後トライアルが決まり、我が家に来た愛ちゃんに事件が!
名札の誤飲を疑い病院でレントゲンを撮ったところ、医師から思いがけない言葉をかけられたのです。
「この子、散弾銃で撃たれたんですか?」
左半身の首から腹部にかけて広範囲に銃弾が写っていました。
収容されていたセンターでも、避妊手術をした病院でもわからなかったのですから、おそらく古い傷なのだと思います。
幼い愛ちゃんが撃たれて、痛くて怖くて、それでも一人で傷を治して子を産み育てていた。
その事実に愕然としました。
医師から、今現在は異常は見受けられないが、鉛中毒による神経症や、銃弾の周囲の組織が炎症を起こすと治療が必要になることを説明されました。
散弾銃の弾は小さいため、摘出が困難とのこと。
病院の帰り途、泣きながら私は仮ママさんに報告しました。
愛ちゃんの身体には時限爆弾があるのかもしれない。
けれどもその事実を知っても、私たち家族の気持ちはゆるぎないものでした。
愛ちゃんを家族にする!
保護団体さんがつけてくれた仮名は「愛情をいっぱい受けるように」から愛ちゃん。
その名のとおり、あふれるほどの愛をそそぎ育てたいと思います。
これからも愛ちゃんが幸せでいられますように!