なぁ視点

 

 

 

ゆう「なぁ…ちゃん…」

 

遠くの方でゆうちゃんの声がした

 

これが夢なのか現実なのか

 

 

なぁ「ん-…」

 

重い瞼をこすりながら起き上がる

 

 

すると、つないでいた手がぎゅっと握られる

 

 

なぁ「ゆうちゃん!?」

私はすごい勢いで飛び起きた

 

 

頭で考えるよりも先に体が動き

ゆうちゃんに抱き着く

 

 

 

なぁ「よかった…」

 

 

寝る前までの不安から解放されたかのように

安堵と涙があふれる

 

 

でも、泣いてる顔なんか見せちゃダメじゃん

 

思いっきり息を吸い込み、

涙をのみこんだ

 

 

なぁ「あ、先生呼ばなきゃ!」

 

私は急いでナースコールを押した

 

 

 

すぐにお医者さんと看護師さんたちが駆け付け

検査やら説明が始まった

 

 

邪魔になると思ったから

ゆうちゃんに小さくバイバイして部屋を出た

 

 

 

 

検査の間、

私はゆうちゃんの病気について調べた

 

 

メンバーの話によると過呼吸になってたらしいから

おそらく過換気症候群?じゃないかな

 

 

緊張だったりストレスが原因らしい

ゆうちゃんそんなに追い込まれてたんだ…

 

気づいてあげられたら、こうならなかったのかな…

 

 

私が落ち込んでる場合じゃないと頭ではわかっているのに

 

勝手に自分を責め始めてしまう

 

悪い癖だ

 

 

過換気症候群は

呼吸過多になって、頭痛、めまい、失神したりする病気らしい

 

 

治療方法は…

 

好きな音楽を聴く、精神安定剤を持ち歩く…

 

 

気長に病気と付き合う必要がある、ってことか

 

 

 

1人でごちゃごちゃ考えていたら

ゆうちゃんの検査が終わった

 

 

 

ゆう「さっき、検査したらかこうき症候群?みたいなやつって」

 

なぁ「ゆうちゃん、多分それ過換気症候群」

 

ゆう「あ、それそれ」

ゆう「別にとっても大きい病気ではないから大丈夫だって」

 

でも…

 

なぁ「うん…」

 

ゆう「心配しないでって!お医者さんも治療すればすぐよくなるって」

 

 

あ、私が暗くなっちゃだめだよ

 

なぁ「そうだね…うん!」

 

 

私は無理してでも笑った

 

 

多分無理してるのばれてると思うけど

 

 

そうでもしないとお通夜みたいじゃん

 

 

なぁ「検査もたくさんあったし疲れたでしょ?先に休もう」

 

ゆう「うん、そうだね」

 

 

ゆうちゃんはもっと私と話したそうだったけど

先に安静にする方が大事だと私は思った

 

 

肉体的な疲労が原因なら休めばよくなるはず

 

 

そんな小さい期待をしながら私は帰路についた