村山ゆいり視点

 

なぁちゃんの元気が最近ない

この前の収録終わりにチームのメンバーとご飯に行った時も用事があるって言って一人で帰っちゃったし…

 

 

ゆう「なぁちゃん、おはよー」

なぁ「…」

ゆう「なぁちゃーん!」

なぁ「えっ、あ!おはようございます」

 

やっぱりなんか変なんだよな

 

ゆう「どうしたのぼーっとして、大丈夫?」

なぁ「大丈夫ですよ!ちょっとだけ寝不足なだけです」

ゆう「んーそっか、ちゃんと休んでね」

 

ほんとに大丈夫かな

 

 

 

リハーサル後

 

スタッフ「本番前までいったん休憩はいりまーす」

 

 

なぁ「ハァ、ハァ…」

 

 

ゆう「なあちゃん、大丈夫?」

なぁ「なんともないです、自分メイク行ってきます」

 

 

私に、頼ってくれないかな…

私じゃ、ダメなのかな…

 

 

スタッフ「ゆいりさん、ちょっといいですか?」

ゆう「はーい」

 

 

 

 

 

どうしてもこういう時に私は不安になってしまう

なぁちゃんは一人で抱え込んでしまう癖がある

 

不安なときも、大変な時も、怖いときも

どんなに自分自身が傷ついていても

 

どんな時も自分一人でどうにかしようとする

誰にも頼らず、隠しながら

 

 

私はなぁちゃんにもっと頼ってほしい

 

おんなじチームのキャプテンだからとかじゃなくて

一人の人間として

 

 

私がなぁちゃんのことを好きになってしまったから

 

 

 

このどうしようもない気持ちを抱えたまま

私は足早く家に帰った

 

 

プルルル プルルル

 

こんな時間に誰だろう

 

ゆう「もしもし?」

なぁ「ゆうちゃん…助けて」

ゆう「え、なぁちゃん!?どうしたの?」

なぁ「ゆいり…」

 

 

なぁちゃんの声を聴いた瞬間私は携帯を持ったまま走り出していた

何も考えずに、全速力で

とにかくなぁちゃんのところへ

 

 

もう息ができなくなるほど走ったところで

なぁちゃんの家が見えた

見慣れたあの家

 

合鍵を使い、急いで玄関を開けた

 

 

ガチャ

ゆう「なぁちゃん!!」

 

目の前にはなぁちゃんが倒れていた

なぁ「ゆうちゃん…ぐすっ」

ゆう「どうしたの?話せる?」

 

 

明らかに顔色が悪い

 

 

 

なぁ「う、オエッ…」

 

ゆう「好きなだけはいてもいいから、大丈夫。ほら、お水飲んで」

 

なぁ「ん、ハァ」

ゆう「ね?大丈夫だから」

 

なぁ「うん、ありがと」

ゆう「無理しないでゆうにもっと頼って、マネージャーさんには伝えて明日はお仕事休みにさせてもらうから」

なぁ「ごめんなさい…私のせいです」

ゆう「そんなことない!ゆっくり直したらいいから」

 

私に今できることはこんなことだけ

 

それ以外、何にもできない

こういう時に無力さを感じる

 

でもなぁちゃんはそのままの私でいいと言ってくれる

いつも優しく私のことを認めてくれて

 

私は私のいる意味をなぁちゃんに教えてもらっている

いや、与えてもらっている

 

 

私が助けてるようでいっつも助けてもらってる気がする

わがままだけどなぁちゃんじゃないとやだ

 

 

 

こういうのを依存っていうのかな?