この間、認知症のグループホームにご入居されている方のご家族に聞かれたの。


帰りたいと言う認知症の人に、
職員さんは、帰りたい気持ちに寄り添っていきます。と、言うけれど、

この施設の責任者であるあなたは、
帰りたいと言っている認知症の人の事を
どう考えているのか。って。


会議の場でとっさに聞かれてね。
事前の話もないからね、ちょいとあたふたしたよ。


ただね、
帰りたいと思うのは当たり前で。
施設に入りたくて入る人は少ない。
帰りたいけど、帰れない。

その気持ちに寄り添うしか出来なくて、
答えはない。

それに、帰りたい場所は、
施設に入る前の家だったかどうかも分からない。

子供時代なのか、結婚した当初なのか、
実際に、その家に帰ったとしても、
帰りたい。と言われる事も。

帰りたいと言われて、その場所を離れて、
散歩して、施設に帰ってきたら、

見慣れた景色の、
見慣れた職員がお帰りなさい。ってね。

家って、何なんだろうね。

今のところ、答えとしては、
安心できる場所。

じゃあ、安心出来るってなんなんだろうね。

私にとっては、幸せを感じれる場所。

じゃあ、幸せって、なんなんだろうね。

私にとっては、笑えるって事。
目の前の人と笑える。って事。

認知症の人にとって、どうか。なんて、わからない。
認知症じゃないから、分からない。って事でもなくて

目の前の人、その人の幸せは、その人にしか分からない事が当たり前で。

だから、
自分が幸せに思うことをするしか出来ない。

だから、
笑う。

隣で笑う。

ただ、それだけのこと。