『墨桜』(ぼくおう) F30号 画仙紙 墨
平成30年 日美展 水墨画部門一般 準大賞受賞作
大好きな桜の花を描いた作品です。
この作品は、桜の花の部分を描くときに、少量の膠を使っています。
膠を混ぜた墨で桜の花弁を描き、少し時間をおいて半乾きになったところで、綺麗な筆を使って、少量の水(ほんのちょっとだけ)を花の中央に加えます。一筆で、なぞる感じですね。すると真ん中が白く抜けて花びらの様な表現になります。
とても簡単なので、どのタイミングで水を加えるか、膠をどのくらい加えるかなどは、色々練習してみて下さい。
紙は滲む紙を使います。紙によって滲み方が違いますので、いろいろな紙で試してみてください
市販の膠液は、そのまま絵皿に出して混ぜて使えるので便利です。絵皿に一滴かニ滴で足ります。
注意事項として、膠を使った作品は、膠が完全に乾くまで2週間程度かかります。乾く前に額装の為に裏打ちをすると、膠を使った部分が滲んでしまうことがありますので注意しましょう。
お恥ずかしい話しですが、私は、何年もそれを知らずに、膠を使って描いていました初めて知った時はびっくりしました。
膠を使った筆は、ぬるま湯か水で綺麗に洗えば大丈夫です。
水墨画では、膠を入れると筆跡がつかないので、背景を薄墨で染める時など、筆跡が残らず重宝します。
ですが広範囲に膠を使うときは、膠を入れ過ぎると滲み過ぎて大変な事になるので要注意です。私はそれで絵を台無しにしてしまった事があります。
画仙紙の滲み方は予測がつかないので失敗はつきものです
何事も経験です。
今日も寒いですね。どうぞご自愛下さい
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