『夜竹』半紙サイズです。
しんとした月夜の竹。茎の斑模様がアクセントです。
これは、初心者向けのお手本です。ですので、手数が少ないシンプルな構成になっています
竹のお手本は「蘭」「竹」「菊」「梅」とともに「四君子(しくんし)」と呼ばれ、初心者が最初に習うお手本の一つです。
四君子のお手本には、水墨画を習得するために必要な基本的な要素がほぼ揃っています。
竹のお手本では、葉っぱを描くための側筆(そくひつ・筆先が線の端にくる)・直筆(ちょくひつ・筆先が線の真ん中を通る)のほか、針のように細い枝やしなるような竹の茎の線の引き方等を練習します。強靭でいてしなやかな、迷いのない竹の線が描けるように練習しましょう。
描き順は、中央部分の葉っぱから描き始めます。
右下から左上に、画面を横切る茎を描きます。
葉っぱの墨が乾かないうちに中央2本の竹の茎を、下から上へ描き、右上の葉っぱを描きます。
葉っぱと茎がぶつかって滲みます。このような滲みというのは、水墨画においてはとても大切な要素です。
茎は下から上に、描きはじめは、力を抜いて素早く線を引きます。節の部分は少し止めて太くします。
節の所は少し隙間を空けて次の茎を描きます。茎の太さに比べて節が大きくなり過ぎないように気をつけましょう。
葉っぱは、濃墨で、描きはじめは細く入り、中央部は太く、葉の先に向けて細くなるように力を抜きます。難しいですが、ゆっくり丁寧に練習をすれば、描けるようになります。
滲んでしまう場合は、墨が多過ぎるので、筆の余分な水分を布巾で水を切りましょう。ただし水分が少なくなりすぎると、細い葉っぱになってしまうので、程よく描きやすい量に調整しましょう。一筆で描くのが難しいときは、二筆で描いても良いです。
最初はゆっくり。慣れてきたら、筆に含ませる墨の量を増やして運筆を早くする様にしてみて下さい。運筆を早くして勢いが出せると、カッコいい竹になります。
竹の節は、濃墨で鉤括弧を書くように描きます。水を少なくして、細い線で描きます。書き加えるタイミングは、茎が完全に乾き切らないうちに、茎の墨とぶつかって少し滲むくらいが良いですね。
竹の茎にあるまだらの点々も、茎が乾き切らないうちに滲ませてチョンチョンと書き加えましょう。点々も、少し濃くしたり、薄くしたりすると表情が出て良いですね。
茎や枝から出る、針のような小さい枝も書き加えます。この線は、素早くシャープな線で描きます。
最後に右下の竹を、中墨で描いて完成です。
使うのは墨一色と筆1本なのですが、葉っぱ、茎、枝等、様々な要素で構成されています。大変ですが、一つ一つの要素を丁寧に練習すれば上手に描けるようになります。
恰好良い竹の姿が描けるといいですね。
最後までお読みいただきまして、どうも有難うございました。
久しぶりの更新で、11月も半ば過ぎました。秋晴れの空の下、あちらこちらに石蕗や菊の花が咲いていて、お散歩がとっても楽しい季節です 赤ずきんちゃんのように、寄り道ばかりしてしまいます(笑)
毎年の事ながら、時間に追われているうちに、あれよあれよと年末を迎えてしまいそうです。
これから朝晩が寒くなりますね。お身体どうぞご自愛下さいね
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