大切な日本の
「山林や土地」
さらには水資源。
これらが外国人の手に渡っている、このような話をよく聞きます。
特に中国人が北海道などの土地や水源を買い漁っている・・・。
そんなことがしばしば話題になるのです。
そうなるとスグに、
“中国のヤツめ!”
このような民族感情に火がつきそうにもなるのですが・・・。
でも本来、売る側と買う側とは、表裏一体のはずのもの。
買う側ばかりを憎んだところで、どうしようもない。こうした面だってあるのです。
日本人の誰かが為替市場で手持ちの「円」を売っている。そしてその売られた円を中国人などの外国人や企業が買っている。
こうして買った円を使って、日本の国土を買い漁っている。基本は、このような流れになっているのです。
水道民営化についても外国人に生死与奪の権を
「売り渡すのか!」
とネット上でも議論が盛り上がったわけですが、それは確かに由々しき事態といわねばなりません。
食糧もそうですが水を奪われてしまえば、私たちは生きることができなくなってしまうからです。
でも、元はといえば、日本人の誰かが円を売っていることにこそ原因がある。
この点をしっかり弁えないと、議論としては
“片手落ち”
ではないかと思うのです。
そうであるのなら、誰が一体円を売っているのか?
この点をしっかり見極めておく必要があるのではないでしょうか。
■強制貸出へ
「アベノミクスの経済政策」
もはや完全に死語となりました。
とはいえ、現政権もこの政策を引き続き継続するそうです。
政権のオモテ看板が代わっただけ、こういうことになるのです。
この政策が一体何であるかといえば、
“金融緩和”
ココに日本の資産や国土が流失する、その根源があるのだと指摘されます。
アベノミクスと国土の切り売り、それがどのような関係を持つのかというと、銀行に焦点を当ててみることで見えてくるのです。
私たちが銀行にお金を預金すると、当然ながら利子がつきます。
銀行にお金を貸している形になるので、金利収入が発生するというわけです。
預金者がたくさんいれば、その分だけ利子も莫大な金額になります。
その状態であるにも関わらず、銀行は何もせずに指をくわえたまま。もしそんなことになれば、その銀行は破綻するに至ってしまいます。
そこで銀行は支払う利子分を上回る利益を獲得する必要に迫られる。貸出先を探し出し融資を行うことで、そこから金利収入を得ようとするのです。
でも、銀行は日本国内できちんと利子と元本とを返済できる、優良な
「貸出先」
を見つけ出すことが難しくなっている。
“第二の敗戦”ともいわれる長期の不況に日本経済は覆われ続けているからです。
そこで超優良な貸出先・融資先の候補となるのが、
“日本国債”
国債を買うことで、国にお金を貸してあげる。貸した分の金利が発生し、そこから収入を得ることが可能になる。
日本国はどんな大企業よりも安定した貸出先。そう簡単には潰れない。これ以上に安心できる融資先は他に存在しない。
こうして銀行は長いこと国債の買い受けを行い続けているのです。
■金融緩和って何?
でも、アベノミクスの金融緩和は国債引き受けによる金利収入の発生を
「許さない」
このような政策を採るに至りました。
金利収入を国債から得ようとするのではなく、優良な貸出先を自分で
“探し出して来い!”
こうした政策をこの間ずっと進めてきたのです。
具体的には、民間銀行が保有している日本国債を日本銀行が買い上げてしまうこと。
買い上げた代金は、日本銀行の中に各民間銀行が持っている預金口座。そこに日銀が買い上げた国債の代金は、現金となって振り込まれることになる。
日銀の中の預金口座という特殊なものではあるけれども、それにだって当然金利は発生するわけです。
民間銀行としては、そこから金利を得られるわけだから、そのまま預金として眠らせておいても金利収入は発生する。
でも、そこの金利を限りなくゼロにしてしまう政策が「ゼロ金利政策」。
ゼロどころか、金利をマイナスにしてしまうのが
“マイナス金利政策”
日銀の中の預金口座にお金を眠らせたままでいると、民間銀行は逆に日銀に利子を支払わなければならなくなる。
それは私たちが銀行に預けている貯金に対して、預かり手数料を請求されるのと同じ事態。
もしそんなことになれば、誰も銀行なんかにお金を預けようとはしないはずです。
スグに全額引き出して、タンス預金に切り替える。あなたもこのようにするのではないでしょうか。
民間銀行は日銀にある口座の中のお金を誰かに貸す必要に迫られる。マイナス金利下においては、そうでないと損をし続ける結果になってしまうのです。
マイナス金利は損をする、ゼロ金利でも収入を
「得られない」
そうなると残された道は、何とか自力で貸出先を探し出すこと。
民間銀行に力づくで融資相手を探させる、この政策がアベノミクスの金融緩和策というわけです。
これにより、大量のお金を市場に供給しようというのがオモテ向きの狙いというわけです。
■クズに活路を!
銀行が国内に安心して貸し出せる、融資先が多いのならば、それでも良いのかもしれません。
でも、銀行からしてみれば、国内を見渡しても、安心して貸し出せるような企業はほとんど
「見当たらない」
消費不況で多くの企業はあえぎ続けているからです。
国内に貸出先を見つけ出せないのならば、儲けのネタを
“海外”
に求めなくてはなりません。
こうして、日本円が為替市場でドンドン売られて、投資先となる相手国の通貨を買う。
その買った相手国の通貨で、その国の
“証券”、“土地”、“実物資産”
などを日本の銀行は買い漁っている。
中国が日本の資産を買い漁るのと同じで、海の向こうで日本の銀行は同じことをやっている。
しかも安い金利でチマチマ稼いでも仕方がないからと、ジャンク債(クズ債)とレバレッジド債権といわれるような極めて投機性の高い証券。
こうしたハイリスクなものにまで食指を伸ばし続けていることが問題視されているのです。
極めてリスクの高い行為が私たちの知らないところで現在も行われ続けている。
そしてその裏で、銀行が売った円を外国人が買っている。
そして買った円を使って、日本の山林や土地、水源、証券などが買われていく。
2020年5月末の段階で、日本が海外に持つ対外資産は
約1100兆円
これに対して外国人投資家などが日本国内に持つ対外負債の総額は
約733兆円
資産と負債、そのどちらも過去最高額となっているのです。
■豪邸とボロ屋
問題は、対外負債が737兆円と過去最高額になっていること。
これはそれだけの「円」が売られて、その分を外国人に買われていることを意味しています。
中国人による土地買いも、水道民営化もこの文脈で理解する必要があるのです。
「対外資産1100兆円 - 対外負債733兆円 = 対外純資産367兆円」
367兆円が日本の対外純資産額になりますが、この数字は2位の中国を大きく引き離し、
“世界最大”
の対外純資産を持つ、最強のお金持ち国家が私たちの国・日本、こういうことになるのです。
円は世界最強の通貨であり、日本の土地や証券などの円資産は世界一の安全かつ優良資産といえます。
日本を外国勢力に売り渡す目的で、あえて愚かな金融政策で円を売らせている。そして大切な円資産をアベノミクス以降は外国人にドンドン買われてしまっている。
最強の優良資産を貢ぐかのように外国人に献上し続けているようにしか見えないのです。
これこそまさに
「国を売る」
行為ではないのか?
ある識者に言わせれば、“自分の豪邸を売り、海外のボロ資産を買っている”とのこと。
実にバカバカしく、愚かな政策をひたすら繰り返しているのです。
日本が持つ海外資産の多くは莫大な金額のアメリカ国債になります。
アメリカは900兆円を超えるといった過重な対外債務を抱えた世界最大の債務国。
そこに莫大な融資や投資を行い続ける有りサマは、まさに豪邸を売ってボロ屋を買う行為。
そのようにいわねばならないのです。
■暴落の果てに!
11月27日現在で、対米ドルの円相場は
「1ドル104円」
となっています。
でも、これは国際協調の結果として政策的にドルを支えているだけに過ぎない。こうしたことが指摘され続けています。
ドルの本当の価値は、この半分以下であるというのが正しい相場観。
いつドルが暴落しても全くおかしくない、その程度の実力しかないことが囁かれているのです。
いま彼の国は大統領選挙で大変な事態に陥っているようですが、その混乱から内戦などに突入してしまえばどうなるか?
ドルの価値が仮に半減、50円にでもなってしまえば大変。、日本の対外純資産額のほとんどがドル建てのため、一気に暴落することがいわれているのです。
資産と債務のバランスはあっという間に
“逆転”
してしまう。それは莫大な負債を抱えた過重な債務国に転落することを意味している。
身の毛のよだつようなリスクが私たちのスグ隣に迫っているのです。
中国もアメリカ国債を大量に保有していますが、それを徐々に売って日本の円資産に群がろうとする。リスク回避を図っていると解説されるのです。
日本の国富を売り渡し続けた前政権、そしてそれを踏襲し続ける現政権。
この売国的な政策を私たちは
「いつまで許すのか?」
この国の有権者の良識と判断とが今こそ問われています。
■食の安全・百冊読むよりこの9章!
~今日からあなたも自然食鑑定士!~
■参考文献
・『為替を動かすのは?』