高い・安い・・・。
モノを買うときの判断基準です。
安いモノはすばらしくて、高いモノは間違っている。
変わりつつあるとはいえ、多くの人はこのように思っているのです。
“企業努力の賜物だ!”
“この店は消費者の味方よ♪”
“良いものをより安く販売せよ!”
生活不安が覆う中、安いものはスバラシイ。
そう思うのも当然なのかもしれません。
でもやっぱり、
安いモノにはワケがある、
高いモノには高いなりの理由がある。
この安いモノが作られる背景に多くの人が気づけば、
また、
必要なモノと不要なモノとを見極めるまなざしを養えば、
社会全体を変える!
ことに繋がっていくのではないか?そう愚直に思って、
しつこくブログを書き続けているわけです。
「現在の食品事情、健康食事情」
食品業界に長く籍を置いていた者として、メーカーやお役人、
御用学者の先生たちの言うことを、
“お仰せの通り!”
と認めるワケには参りません。
多くの人を惑わし、傷つけてしまうものには、きちんと
「NO!」
と意思表示をしたい。そしてその輪が広がっていけば、
私自身も、多くの人も、もう少し、
住みやすい世の中、居心地の良い世の中
そんな状況を作り出すことができるのではないか?
そう思っているわけです。
そこで今回は、“私たちの今”を見つめることで、医者を遠ざけ、クスリを拒む。
そんな生き方実現のヒントについて述べてみたいと思います。
■安い理由は!?
企業が安く商品を提供するには、大きく言って2つのポイントがあります。
1つ目は「原材料費」。2つ目は「人件費」。
この2つをカットできるかどうか?に秘訣があると思います。
“安く作って、高く売る”
これが企業経営を成功に導くための黄金律になるからです。
食品でいえば、いかに安く、
「原材料を調達できるか?」
この点を突き詰める必要がある。それができれば、あとは
“帳尻合わせ”
を行うだけで良いからです。
お米や野菜、果物、そして肉魚。ほとんどそのままでは売り物にならない
廃棄寸前!
のようなものを二足三文で調達する。
当然、腐敗しやすいわけだから、保存料や防腐剤を
「ドバッ!」
とやれば、長期保存が可能になる。
味も風味もないわけだから、化学調味料を使って、香料、人工甘味料などを駆使して、
旨味と風味づけ
を行う。
さらにベンジンを材料にしたヘキサン&シリコン抽出油を使って、
濃厚なウマ味の調整を行う。
油を使えばウマ味が出るし、ゴマ油をちょっと垂らせば、
高級食材にサマ変わり!
させることだってできるのです。
食品添加物に対しても、最近の消費者はうるさいので、化学調味料の代わりに、
「酵母エキス」
を使えばカンタンに誤魔化せる。酵母エキスは化学調味料そのものなのに、
なぜか分類上は、
“食品扱い”
になっている。添加物に指定されていないので、
「無添加食品!」
そう大声で叫ぶことができるのです。
酵母エキスはさらに減塩効果もあるので、使えばヘルシー感も演出できる。
“塩分20%カット!”
こんな風にいえば、さらに需要を高めることだってできるのです。
「高いモノにはワケがある。安いモノにもワケがある。」
普段からよく知っている事がらです。
でも、そこまで
“ヒドイことはしないだろう・・・”
買う側も、根拠のない信頼が企業に対してあるので、まんまとダマされてしまう。
こうして地を這うような安い値段で作り出された商品。
そこにかかる原材料費を考えれば、本当はすこぶる高い販売価格。
そんなものを
“安い!安い!”
といって喜んでしまっているのです。
■川上から川下まで
そんなものばかりを食べていれば、体の機能は破綻していきます。
あちこちに不具合が生じ始めて、不安になる。
そうなると、今度は、
「〇〇に効く!」
「××に効果的!」
サプリメントなどの健康食品市場が待ち構えている。
お米や野菜などを使う必要すら一切なく、廉価な人工の化学物質を駆使すれば、
“破格の安値”
で商材を作ることができる。しかも、白衣を着た御用学者にモットモらしい解説をさせれば、
「驚きの高値」
で販売できる。しかも長期保存も可能で、保管場所にも困らない。
安く作って高く売る、サプリ以上にスバラシイ商品はなかなかないわけです。
安全な食材の提供が使命であったはずの自然食品店や宅配サービスまでもが、
サプリの販売に手をつけるようになってしまった。
一度手を染めれば後はヤミツキ。野菜なんかバカらしくて
“やってられない!”
こうして水は低きに流れていく・・・。
食材の追求もそこそこに、
“有機サプリ!”、“無添加サプリ!”
ドラッグストアで売られるような高額な商材の拡大が止まらないわけなのです。
それでも具合がよくならなければ、次は国民皆保険制度で保障された
「医療市場」
が待ち構えている。
“とりあえず検査しておきましょう”
“おクスリいくつか出しておきますから・・・”
こんな感じで川上の食材に始まり、川下の医療に至るまで、
人々を誘導し流し込む、そんな一貫した仕組みができ上がっているのです。
自らの体を犠牲にして、骨の髄までシャブられていく。
こうした現状だってあるのです。
■増えたお金はどこへ
もうひとつ、企業が安く商品を提供するには、
「人件費」
を切り詰める必要があります。
日本中のお金、現金・預貯金を全部合わせた金額が、
1980年には約270兆円。それが今では約1000兆円。
この間、世の中のお金は約4倍に膨らんでいるのです。
普通に考えれば、そのお金は広く満遍なく、配られて良いはずのもの。
資本家がいくら偉いといってみても、働く人がいなければどうにもならない。
「儲けることはできない」
ものだからです。
奴隷労働はとっくの昔に否定され、経済民主制の看板は、今もなお表向きは生き続けている。
奴隷労働の過ちは“人類の負の遺産”として、深く刻まれているはずなのです。
多くの人がそこそこのお金を持てば、購買力を担保できる。
企業はたくさん商品を買ってもらえるわけだから、幅広くお金を分配することは
「皆のメリット」
であるはずなのです。
でも私たちにそのお金は回ってきていない。
生活実感も多くの人が苦しい、厳しいが圧倒的だし、貧困家庭も増大している。
そのお金は
一体どこに行ったのか?
誰かがそれを独占している。だからこそ私たちに回ってこない。
それが、企業の
「内部留保の問題」
です。
安く多くの労働者を使って、材料費を切り詰めれば、企業に利益がもたらされる。
その額は積み重なって、2018年度で
“463兆円”
もの、莫大な金額になっているのです。
■ウソとまやかしを暴く!
私たちは「働く」ことを美徳にしている国民です。
働くの語源は、
“傍(ハタ)をラクにすること”
周囲の人に有意義な商材やサービスを提供することこそが、
「働くこと」
の意味であったはずなのです。
にも関わらず、今の労働は、人を傷つけ、貶め、不要で害のあるものを散々に買わせる。
こうしたことに終始してしまっていると思うのです。
今後ますます富の格差は開いていくことでしょう。
勝ち組・負け組、上級国民・下級国民
形を変えた奴隷労働は、支配者側に都合の良い美辞麗句とともに、ますます広がっていくことでしょう。
病人も増え続け、症状はますます難治化の一途を辿ることでしょう。
それでも政治もメディアも、
“株価が!”
“経済成長が!”
“日本の未来が!”
こう大声で叫んで、私たちの背骨を折ろうと躍起になることでしょう。
でも決して諦めない。ウソとまやかしを見抜いて、本当に必要なモノは
「何であるか?」
そのことをこのブログを通してお伝えできればと思っています。
そして食べる人、使う人の健康と幸せを心から願って、
努力と研鑽を惜しまない担い手
を少しでも多くの方に紹介していければと思っています。
その第一弾はやっぱり「お米」です。主食のお米だからこそ、
他の何は差し置いても、本当に安心できるものを選んで欲しいなと思います。
※参考
『発達障害と農薬米・知的女子は損がキライ!無農薬を選ぶ2つのワケは?』
■自然食業界キャリア15年のOBが綴る