思い込み。
ないようで、誰にだってあるものです。
本当はそうではないのに、事実を正面から受け止められなくなってしまう。
思い込みは事実を歪めてしまうのです。
私たちは色んな思い込みに囚われているようにも感じます。
おそらくそれは誰かの都合によって刷り込まれたものなのでしょう。
例えば、
・お米は太る
・牛乳は完全栄養食
・塩の摂り過ぎはキケン
これらはすべて思い込み。刷り込みの産物に過ぎないわけなのです。
■牛乳が不要な理由
塩分の問題も、牛乳をはじめとした乳製品もすべて、
「西洋の栄養学」
を元にした発想です。
“牛乳が完全栄養食!”、そう言ってみても、日本人には正直、
あまり関係のない話。
ほとんどの日本人は、牛乳を分解するだけの
「乳糖分解酵素」
を体内に持たないからなのです。
■成長で体の酵素が変化!
私たちはオギャーと生まれると、母親からお乳をもらいます。
乳幼児の間は、体の中にたくさんの「乳糖分解酵素」を持っている。
母乳をエネルギーに分解できるようになっているのです。
でも、
歯が生え始めるくらいから、徐々に乳糖分解酵素は減少し始める。
それに代わって体内に増えてくるのは、
「デンプン分解酵素」
アミラーゼやマルターゼ、グルコアミラーゼと呼ばれる消化酵素です。
お乳をもらう段階を終えて、自分で食べものを咀嚼していく段階へ。
この時点で、もはや、
体は乳製品を必要としなくなるのです。
■乳製品との付き合い方は!?
日本人の多くが、乳製品を分解できるだけの酵素を持っていない。
だから牛乳が完全栄養であろうとなかろうと、あまり関係がないのです。
牛乳をはじめとした乳製品はあくまで
嗜好品として楽しむ程度にする。
これが、体に無理のない自然な付き合い方なのでしょう。
少なくとも、牛乳をゴクゴク飲むような行為は私たちの体には、
反自然なもの。
そう言わねばならないのです。
(※参考:『パンと牛乳の安全性・グリホサートを巡る悲しいできごと』)
欧米人は、食用資源の乏しい土地柄のため、酪農からの
乳資源をエネルギーにせざるを得なかった。
そんな歴史があります。
そのため彼らは本来無くなっていくはずの乳糖分解酵素をいつまでも持ち続けざるを得なかった。
大人になっても乳糖分解酵素を持ち続ける欧米人は、
例外的な人種で、突然変異の賜物
このようにいえるのです。
■ごちゃまぜの減塩主義!
また、私たちは「塩分」についても思い込みに囚われています。
“塩分過多はキケン”、そう盛んに言われますが、一口に塩分と言っても、
いろいろとある!わけです。
化学塩もあれば再生自然塩もある。天然塩だってあるのです。
化学塩は塩化ナトリウム、「Naとcl」の二元素だけを残して、他の成分を徹底して排除した塩。
これに対して天然の塩には
約60種類を超える微量ミネラル分
を含んでいる。
そもそも質が全く違うものを“塩分”と一口に括ってしまっている・・・。これは、
”問題あり!”
なのではないでしょうか?
■異物の侵入と対抗措置
自然界に塩化ナトリウム二元素だけの塩は存在しません。
私たちの体は、化学塩が入れば、
「異物」
と判断し、即座に対抗措置をとるのです。具体的には体内に、
「活性酸素」を多く発生させるのです。
活性酸素は“諸悪の根源”ともいわれる物質なのですが、本来は異物を退治してくれる
スバラシイはずのもの。
でも、問題は
その過剰。
過剰に発生しまうと、勢い余って健康な細胞にまで攻撃を仕掛けてしまうのです。
その結果、ガンや糖尿病、アレルギーの原因になることが言われているのです。
異物とは体の中にあってはならないものを指す言葉です。塩化ナトリウム(NaCL)二元素だけの塩を大量に摂取することは、
当然キケンな行為に当たります。
だから化学塩の摂り過ぎが脳卒中や動脈硬化などを招いてしまうのは、当然の帰結といえるのです。
でも、
天然塩なら体が欲する分だけ食べればよい。塩を摂り過ぎたとしても、
喉が渇いて尿で排泄する
ように体が反応するわけです。喉が渇くほど塩を食べたなら、
次回から気を付け改めればよい。
ただそれだけのことなのです。
■減塩が体を破壊する!
また、汗をかけば体内のミネラル分も一緒に流れ出てしまいます。
私たち体はナトリウムはもちろん、銅や亜鉛、セレン、マグネシウム、ヨウ素などなど、実に多くの微量ミネラルを使って健康を維持しているのです。
自然な塩を欲しい分だけ食べることは、
ミネラル補給の面でも欠かせない事がら
になるのです。
私たちの60兆の細胞は新陳代謝を繰り返していますが、その際、塩は欠かせない。
細胞は必要な栄養分を内部に取り込み、不要となった老廃物や不純物を排出する交換作業を繰り返しています。
その交換をスムーズに行うには充分な塩が必要になるのです。
他にも、塩分不足は血行障害を起こしやすく、低体温症の原因にもなります。
神経や筋肉の反応も鈍くなり、腎臓の健全な機能にも悪影響を及ぼします。
塩分不足は気力も覇気も失せていき、しょんぼり否定的なマインドに覆われてしまうことも指摘されます。
質の高い自然の塩をしっかり摂ることは元気な毎日のために欠かせない事がらになるのです。
■日本人には日本人の栄養学を!
牛乳などの乳製品も、減塩主義も、
欧米から持ち込まれた、いわば、
「外来思想」
に過ぎません。
西欧は乾燥地帯で、お世辞にも食用資源が豊富とは言い難いお土地がら。
突然変異を起こしてまで乳製品を摂ったり、肉を多食しエネルギーを確保していたりと、基本的に
食べものが乏しい食文化圏なのです。
欧米が華やかに感じるのは、あくまで産業革命以降のこと。
それまでは食料の確保に苦しみ続けた歩みがあるのです。
でも、日本は石器時代から人口密度が世界一高く、豊かな食用植物に恵まれ続けてきました。
私たち日本人は、乳製品や食肉に依存するのではなく、
お米のデンプンなどを主なエネルギー源
にしてきた歩みです。
当然、西洋由来の学問体系はそっくりそのまま当てはまらない。
西洋のあり方を日本に持ち込んでみても、やはり無理があるのです。
肉にはそもそも、塩・ナトリウムが含まれています。肉をたくさん食べる文化圏では、他からたくさんの塩を補給する必要があまりないのです。
でも、私たちはカリウムを豊富に含んだ野菜を多く食べるので、カリウム・ナトリウムのバランスをとる必要がある。
それには、
塩を多く摂る必要があるのです。
カリウムは私たちの細胞内に存在し、ナトリウムとバランスを保つ形で細胞を健康に維持し、血圧の調整などを行っているのです。
草食動物が鉱物や土、岩塩をなめる理由は、カリウムとナトリウムのバランスをとるためと考えられるのです。
西洋の栄養学は「タンパク質」にかなりの重点が置かれた学問体系と言えます。
それは植物資源に恵まれ続けた私たちのあり方には、合わない面がある。
やはり日本の風土に根差した、
「炭水化物中心の独自の栄養学」
これを改めて構築する必要を感じます。
■参考文献
・ 『日本人には塩が足りない!―ミネラルバランスと心身の健康 』
村上 譲顕 著 東洋経済新報社
・ 『塩を控えすぎていませんか?~予防医学から見る、減塩の弊害』
・ 『減塩主義が招くリスクは?塩と体の自然から増塩の必要性に鋭く迫る!』
・『安保徹 「やめてみる」だけで 病気は自分で治せる』 (長岡書店刊)
・『新・免疫革命-免疫の本能は《お掃除》にあり- (健康常識パラダイムシフトシリーズ5)』
崎谷博征著 鉱脈社刊